第4回目は「壁紙」です!
壁紙は様々な色や種類があり、生活する中で視界に入る面積が大きいことから、プランによって大きくお部屋の印象を変えることが出来る内装建材です。
これから注文住宅を建てる方や、リフォームで内装を新しくする方、リノベーションを計画中の方や、経年劣化で貼り替える予定の方など、住まいを持つ限り必ず壁紙について検討する機会があると言っても過言ではありません。
今回は、壁紙の種類やメーカー、特長などをまとめましたので、みなさんの住まいづくりにお役立てください!
壁紙ってなんだ?
一般的に内装の壁に使用する壁紙で最も普及率の高い壁紙は「ビニールクロス」というタイプの壁紙です。表面が塩化ビニール樹脂(PVC)で、裏面が紙の2層構造が一般的で、接着面に糊がついていない構造をしています。PVCによって表面は水を通さないため、油汚れも拭き掃除でカンタンに落とせ、メンテナンス性に優れ丈夫です。また、塩化ビニールを利用することで表面に特殊なエンボス表現ができるので、石や木目などリアルな表現で様々なデザイン壁紙が用意されています。
最近はDIYブームもあり、壁紙の裏にはじめから糊がついたものも多く発売されるようになりましたが、一般的に新築やリフォームで利用する壁紙は「糊なし」タイプの壁紙になります。
壁紙の施工方法
内装壁への施工方法は、主に間仕切り壁の壁材として利用される「プラスターボードへの貼付け」、もしくはマンションなど隣接住戸との境の壁で利用される、「鉄筋コンクリート造の壁への直貼り」が主です。プラスターボードの場合は、規格サイズが3尺×6尺版、3尺×8尺版、3尺×9尺版と尺単位での規格サイズがあり、横幅はすべて3尺/約910mmです。それらのプラスターボードを貼り合わせることで壁を作っていきます。まず、張り合わせた接合部分(目地)に隙間があるので、すべての目地部分をパテ剤で平らにし、専用の糊を使用して施工します。
また、ビニールクロスは、塩化ビニール樹脂でコーティングされているので、水分の通気性が悪く、糊で施工したあとに完全に乾いて壁面に貼り付くまで1週間程度かかります。
リフォームで壁紙を貼り替える場合は、剥がした壁紙の残りなど壁に段差が発生しやすいため、厚手のリフォーム用壁紙を選択する事が多いです。ただし、アクセントウォールのように一部分の壁のみで、デザイン性を優先させる場合は、あまり気にせず好きなデザインの壁紙を選びましょう。
壁紙のデザインいろいろ
壁紙のデザインはオーソドックスな白いタイプ以外にも実に様々なデザインがあります。壁紙のカテゴリーについて見ていきましょう。
スタンダードタイプ(量産クロス)
色は白がメインで量産されているため、値段が最も安く、最も良く利用されているタイプです。メインは白系・エンボス形状の違いでバリエーション化し、主に織物調、石目調、デザインパターン調とったカテゴリーでバリエーションを作り出しています。その他単色のブラウン系など室内のすべてのシーンに利用して違和感のないデザインを中心としたラインアップになっています。
デザインクロス
住宅以外にも店舗やホテルなどで使われるデザイン性の高い壁紙です。価格も住宅用に比べ高価なものも多く、ホテルやカフェような内装を実現したいときは、デザインクロスから選んでいきましょう。
リアル系
木や石など実際の素材をリアルに模したデザインで、手触りもエンボスで似せています。柄が一定のパターンで継ぎ目なく繰り返されるデザインの壁紙です。
パターンデザイン系
幾何学的なパターンのデザインで素材感や光沢、エンボスを駆使して、独特の空間を演出する効果を狙った壁紙です。
コンセプト系
主にグラフィックが施され、特定のコンセプトに沿った空間を創ることに適した壁紙です。
主な壁紙メーカー
国内の壁紙メーカーと各種カタログをご紹介します。コントラクト(商業施設)がメインのメーカーも、自分達の思い描く空間を創るためには選択肢としてどんな特色があるのか知っておくと良いでしょう。
サンゲツ
国内壁紙シェア50%の業界最大手メーカです。
住宅・店舗・公共施設用途多くのラインナップを取り揃え、コンセプト別に見やすいカタログも用意されています。
また、大きなサイズのサンプルを用意したショールームもありますので、自分達で壁紙を選ぶ場合は、実際にショールームに行って大きなサイズのものを確認することができます。
サンゲツの壁紙デジタルカタログ
リリカラ
デザイン性の高いラインアップが多くインパクトのある部屋づくりや商業施設などでの利用に人気の壁紙メーカーです。
特に「ウイリアムモリス」パターンは有名です。ラルフローレンやケンゾー、ミラ・ショーンといったブランドライセンスを取得し、オリジナルで高級感のあるラインアップを取り揃え、商業インテリア業界でも高い評価を得ているメーカーです。
リリカラの壁紙デジタルカタログ
ルノン
インテリア総合商社「住江織物」の関連会社です。
インテリア用の床材、壁紙材を多く取り揃える他に、自動車や鉄道・バス・船舶などのシートを中心とした内装材なども手がけています。環境配慮商品の開発に力を入れており、消臭壁紙のパイオニアでもあります。
ルノンの壁紙デジタルカタログ
東リ
カーペットが有名ですが、壁紙、カーテンも豊富に取り扱いがあります。汚れ防止の機能性の高いものや、木などリアルな質感の表現をした特長がはっきりとした壁紙を多く取り揃えています。
東リの壁紙デジタルカタログ
シンコール
価格が安く豊富なラインアップを取り揃えるシンコール。壁紙以外に、床材、カーペット、カーテン、椅子の張り生地と、内装材テクスチャのエキスパートです。スタンダードでありながら王道メーカーは外して選びたい、というような強いこだわりのある方はぜひ一度カタログを手にとってみてください。
シンコールの壁紙デジタルカタログ
壁紙を自分たちで選ぶ際の注意点・ポイント
- 明るい色はお部屋を広く見せます。リビングなど広く見せたい空間はホワイトを基調とした壁紙がおすすめです
- 暗めの落ち着いた色の壁紙は光の反射を吸収し、落ち着いた空間を演出します。寝室などに有効です
- 寒色系と暖色系で体感温度は3℃も違うと言われています。脱衣所などは暖色系の壁紙を採用すると良いでしょう
- ベージュ系の壁紙はお部屋全体を落ち着いた空間にしてくれます。高級感や木目を際立たせたお部屋づくりに有効です
- 1つの空間に利用する色は床や大型家具も含め、2種類の濃淡までにするように心がけましょう
- 全面に色を入れる際は、淡い色で床材と合ったカラーにするようにし、壁紙単体の好みで判断しないようにしましょう
- カタログの施工事例などで気に入った場合も必ずショールームで大きなサイズの実物を確認しましょう
- 2色利用する部屋にする場合は、もう一色の組み合わせ、できれば採用する床材も一緒に持っていき、違和感がないか確認しましょう
- 単体で色が綺麗、というような判断はせず、あくまで採用する床にマッチしている範囲で、判断・選択を繰り返しましょう
いかがでしたか?
今回は壁紙について少し掘り下げてご紹介しました。
マイホームづくりにおいて壁紙選びは非常に楽しいイベントです。メーカーや種類を理解し、イメージしている空間を創り上げてくださいね!
最後に。壁紙についてまとめると
- 一般的な壁紙は「ビニールクロス」タイプ
- デザインは「スタンダードタイプ」と「デザインタイプ」に分類でき、スタンダードタイプが最も安い
- おもな国内メーカは5社ほどあり、各社幅広いラインナップを用意しているが、デザインパターンは各社固有のラインアップがある