住宅ローンは返済期間が長期にわたるローンです。
そのため「数十年後も今の収入水準を維持できるか不安」という方も多いのではないでしょうか?
将来返済できるか不安な人は、借入方法と返済方法を工夫することで、将来の返済に備えることができます。
将来の収入が不安な人が住宅ローンを借りる際の留意すべき点について解説します。
将来の収入が不安な場合の借入方法
「将来の収入が不安」という人は次の3つのポイントを押さえて住宅ローンを借りましょう。
- 元金均等返済を利用する
- 退職金で一括返済を検討する
- 繰り上げ返済を利用する
元金均等返済を利用する
「将来的な返済の負担を軽くしたい」という人は元金均等返済で住宅ローンを借りることを検討しましょう。
元金均等返済とは、融資を受けた元金を毎月均等に返済していく方法です。
例えば 3,600万円を30年ローンで借りたのであれば、3,600万円÷(30年×12ヶ月)=10万円の元金+1ヶ月分の利息を返済していきます。
元金の返済額と利息の支払額の合計額が均等になる元利均等返済よりも元金均等返済の方が元金の減りが早いので、将来的には利息負担が軽くなり返済額は減少します。
「できる限り早く元金を減らして、将来的な負担を軽くしたい」という方は元金均等返済を選択するとよいでしょう。
退職金で一括返済を検討する
定年時には退職金での一括返済を検討しましょう。
60歳を過ぎても住宅ローンの返済が残ることは生活面で非常に厳しくなります。
例え完済時年齢を75歳などの高齢に設定していたとしても住宅ローンは60歳の定年退職時には完済した方が無難です。
定年退職時にまとまったお金が入る場合には、優先して住宅ローン返済に充てましょう。
繰り上げ返済を利用する
コツコツと繰り上げ返済を利用することで住宅ローン残高が減少し、将来的な負担を軽くすることができます。
実際に多くの人が毎月の節約で余ったお金や、臨時収入が入ったときなどは繰り上げ返済を行い将来的な負担を軽くしています。
手元にお金がある時には、使ってしまうのではなく繰り上げ返済をすることを心がけましょう。
繰り上げ返済で将来の不安に備える方法
繰り上げ返済を上手に活用することによって住宅ローン返済に関する将来の不安を軽減することができます。
繰り上げ返済時には返済額軽減型を選ぶとともに、必ず繰り上げ返済無料の住宅ローンを借りるようにしましょう。
繰り上げ返済後の2つの選択肢
住宅ローンを繰り上げ返済する際には返済後の計画を次の2つの選択肢から選ばなければなりません。
- 最終期限の短縮
- 返済額の軽減
最終期限の短縮は毎月の返済額はそのままで、繰り上げ返済した分だけは最終期限が前倒しになる方法です。
「できる限り早く住宅ローンを完済したい」という人に向いています。
一方、返済額の軽減とは、最終期限はそのままに据え置き、繰り上げ返済した分だけ毎月の返済額を軽くする方法です。
繰り上げ返済の都度、どちらかを選択できるので、自分の返済計画に見合った方法を選択しましょう。
返済額軽減型の繰り上げ返済を行う
「将来的な収入が心配」という方は、返済額軽減型の繰り上げ返済を行いましょう。
例えば、借入額3,000万円、金利1%、返済期間30年の住宅ローンを元利均等返済で借りた場合の毎月返済額は96,491円です。
返済から10年経った時に300万円繰り上げ返済した場合、毎月返済額は82,695円へと約14,000円も減少します。
繰り上げ返済は1万円程度の少額でも行うことができるので、手元のお金に余裕がある時にはコツコツと行っていきましょう。
繰り上げ返済手数料無料の住宅ローンを必ず利用する
住宅ローンを借りる際には、繰り上げ返済手数料無料の住宅ローンを利用してください。
繰り上げ返済は手元のお金に余裕があった時にこまめに行っていくことがポイントです。
しかし繰り上げ返済の都度、手数料が取られるのであれば繰り上げ返済の意味がありません。
必ず繰り上げ返済手数料無料かつインターネットバンキングから気軽に返済できる住宅ローンを選びましょう。
無理な借入をしないことが一番。返済額が年収の20%以下に
将来に負担がかからないよう住宅ローンを利用するのであれば、とにかく無理な借入をしないことがベストです。
住宅ローンは年収に対する返済額の比率が35%まで借りることができます。
しかし年収の35%も住宅ローンの返済に回ってしまったら、生活していくことは非常に大変ですし、将来的に収入が減少した場合には生活が破綻する可能性もあります。
一般的に住居費は「収入の20%程度」と言われています。
そのため、住宅ローンの返済額も「年収の20%以下」に収まるような返済計画で利用してください。