家の間取りを考える際、いつでもみんなが集まることができる場所として、LDKは玄関から近い1階に設置することが一般的です。
子供たちが成長すると自室にいる時間が増えたり、それでなくとも学校や習い事、仕事など、生活時間がバラバラな家族も多い中、1階にLDKがあることで、少しの時間でも一緒に食事をしたり、顔を合わせることで存在を確認できることでしょう。
しかし、LDKは絶対に1階にある方が良いということではなく、2階以上の階にLDKを設置する場合にもたくさんのメリットがあります。
それぞれの良さを知った上で、自分たちにあった間取りを考えると良いでしょう。
2階LDKで空気が流れる明るい家を作りたい!
2階にLDKを設置する間取りは、都市部の狭小地や密集地など、外部からの目線が気になる立地の建物にとても効果的です。
外部からの視線を避けるためなど、ネガティブなケースで導入されることが多かったイメージがありますが、近年では、採光の確保や、風通し、眺望を楽しむために、あえて2階にLDKを設置するケースも増えてきています。
昔に比べて、住宅設計も自由度が増し、土地の広さや住宅形状に合わせて、間取りも選べる時代になってきたのが嬉しいですね。
明るく開放的
LDKで過ごす時に、視界に入る高さが1階から2階になるので、視線を遮るものが少なくなり、開放感を感じることができるでしょう。
そのため、狭小地や住宅密集地、幹線道路沿いでも、隣地や外部からの視線を気にすることなく、プライベート空間を満喫することができるでしょう。
近隣を歩く通行人からの視線や防犯面を考慮して、1階では採用しにくかった大きめの窓も、2階であれば計画しやすいでしょう。
大きな窓を採用できることで、太陽の光をさらに取り入れやすく、明るくて温かな家になることでしょう。
風通しがよい
1階に比べ、2階の方が周辺の建物の影響を受けませんので、風の流れを遮るものも少なく、必然的にLDKの風通しが良くなります。
リビングバルコニーで広々と
LDKとリビングを連続配置できると、リビングとバルコニーが繋がって見え、さらに広く感じることができるでしょう。
眺望を楽しみながら、家族団らんのひとときを過ごせるという理想的な空間になるでしょう。
トラスによる大空間が造れる
トラス構造のメリットを最大に活かし、2階LDKに無柱の大空間を造ることができます。
天井を吹抜けにすることで、より開放感のあるLDKになるでしょう。
住宅強度
地震や暴風を受けても建物が耐えることができるように設置する壁を耐力壁と言いますが、2階より1階の方が多く必要になります。
2階にLDKを計画するということは、1階に居室が増えるということになり、1階部分に大きな空間を配置するよりも、壁や間仕切りの増加に繋がるでしょう。
1階に壁や間仕切りが増えることで、耐力壁も多く配置でき、構造的に耐震性の向上に繋がりますので、住宅の強度を上げるという意味でも2階LDKはおすすめです。
2階LDKの注意点
家事動線の違い
一般的には、1階に水回り設備を配置するところですが、2階にLDKを設置する場合には、他の水回り設備も2階にまとめ、家事動線がスムーズになるようにしましょう。
デメリットとしては、年齢が上がったり、ライフスタイルの変化によって、階段の上り下りがしんどくなる場合があります。
年齢と共に家がバリアフリーに対応できるように、手摺などを最初から設置しておくと良いでしょう。
採光の増加
1階に比べ、採光が多く取れるため、部屋は明るく、日差しが多く入るため、比較的部屋が温まりやすいでしょう。
しかし、逆を言えば、直射日光を受ける屋根からの熱が、そのまま2階に伝わるので、夏場は室温が上がりやすいので要注意です。
屋根部分に断熱材を設置したり、空調設備のコントロールがしやすいように工夫して計画しましょう。
まとめ
2階LDKを計画してみたいと思っていても、まだまだ1階LDKが多いのが現状です。
1階LDKには1階の、2階LDKには2階の良さがありますが、実際に住んでみると、人によっては暮らしにくさを感じる場合もあるでしょう。
それぞれのメリット、デメリットを知った上で、自分たちの生活はどんな間取りが合っているのかをしっかり検討して計画しましょう。