中古物件の購入を考える時、購入後のリフォームやリノベーションも一緒に想像することでしょう。
新築住宅とは異なり、構造的にリフォームすることができない柱や壁、配管、電気配線など、間取りの変更に制限がある場合も多くあります。
それでも、新築に比べ、安く購入できる場合や、人気の地域で新しい物件が出てこない場合なども多く、中古物件の需要は高まっています。
しかし、中古物件では、どんなリフォームでもできる訳ではありません。
住宅設備を要する場所の変更は、設備の入れ替えであれば、どんな物件でもできることが多いですが、キッチンや浴室の場所を移動するなど、配管や電気配線に関する大規模なリフォームは簡単にはすることができません。
しかし、そんな時に採用されるのが、スケルトンリフォームです。
スケルトンリフォームのメリット、デメリットを理解した上で、必要であれば採用したいものです。
スケルトンリフォームとは
近年、中古物件のリフォームが当たり前になっていますが、リフォームにも段階があります。
一般的には柱や壁を壊さず、内装や設備のみをリフォームすることが多いのですが、中古物件で自分達の希望通りの間取りにするために、大規模な修繕を行うことがあります。
内装や壁を撤去し、柱・梁・床といった建物の「躯体」と呼ばれる家の骨格部分だけにすることをスケルトンリフォームと言います。
内装や設備をすべて解体し、骨組み以外をまるごと入れ替えてしまうリフォームですので、新築同様の仕上がりにすることができるでしょう。
大掛かりな施工になりますが、それでも家を新築するのに比べて、費用は相場の1/3~2/3程度に抑えることができることも人気のひとつでしょう。
長年、住んできた家を活かしつつ、内装を一新することで、思い出はそのままに、住み心地は現在の生活に合わせることもできます。
また、火災や地震の際に避難する通路(幅4m以上の道路に2m以上接する)が確保できない場合、再建築不可物件とされ、建て替えをすることができない建物ということになります。
そんな場合にもスケルトンリフォームは行うことが可能ですので、諦めていた新たな生活空間を手に入れることができるでしょう。
スケルトンリフォームのメリット
最大のメリットと言えば、間取りの変更ができることだと思いますが、その中でもキッチンやトイレ、浴室などの水回りの設備の位置を変更する場合には、配管の位置も変更しなければいけません。
また、配管や配線は建物より寿命が短いため、建物がまだ住める状態であっても、修繕しなければならないこともあります。
配管や配線を一新させるために、作業がしやすくなるスケルトンリフォームを選ぶ人も多いでしょう。
また、スケルトンにすると、躯体の状態をすべて確認することができますので、老朽化により、劣化したり、損傷している部分があれば、補修を行うことができます。
古い木造住宅で耐震基準を満たしていない物件でも耐震ダンパーや筋かいを補強し、耐震強度を高めることができます。
他にも、躯体のみにするために、壁や床を撤去しますので、普段見えない場所の劣化部分や、カビや腐食の発生の確認ができ、湿気の多い場所や、構造の問題点を見つけることができます。
住宅の傷みは、家の構造だけではなく、地域の気候や特性などが影響していることもあり、実際に住んでみて初めて分かることもあります。
もし、スケルトンにして問題点があった場合、一概に住宅の構造が悪いと思うのではなく、それを活かして、改善できるようなリフォームにしましょう。
スケルトンリフォームのデメリット
地盤調査を行い、必要であれば改良を行ってから建てる新築物件とは違い、地盤全体の改良は難しいので、基礎を強化するなどして、耐震補強を施さなければならない場合があります。
その場合、追加コストが発生しますので、建て替えるのと費用があまり変わらない場合があることを頭に入れておきましょう。
また、建て替えと比べた時に、スケルトン状態にする作業は、機械ではなく、手作業になりますので、スケルトンにする部分が多くなるほど、工期が長くなりますので、その分、人件費と仮住まいに掛かる費用が増えますので、要注意でしょう。
まとめ
魅力的な中古物件に出会った時、リフォームやリノベーションが出来るのかどうかはとても重要になります。
時間的な余裕があり、予算に余裕がある場合は、スケルトンリフォームがオススメです。
自分の理想通りの空間を手に入れましょう。