住まいのお金

頭金とは

住宅を購入する時には頭金があった方がいいとよく言われます。
しかし「頭金はいくら用意したらいいか分からない」という人がほとんどではないでしょうか?

頭金は多ければ多い方がよいに越したことはありません。
しかし、頭金にこだわって貯金をしている時間が長くなることによって、住宅購入に適した年齢を逃してしまうこともあります。
住宅購入の際に頭金を用意するメリットと、適正な頭金の算定方法を解説します。
無理なく適正な年齢で希望する住宅を購入できるようになりましょう。

頭金を用意する3つのメリット

頭金を用意するメリットは以下の3つです。

  1. 借入額が少なくなる
  2. 完済時年齢が早くなる
  3. 購入できる住宅の幅が広がる

頭金の分だけ借入額少なくなれば完済時年齢も早くなりますし、同じ金額の住宅ローンを借りる人でも、頭金がある人の方が購入できる物件に幅が生まれることになります。
頭金ありで住宅ローンを組む3つのメリットを解説していきます。

①借入額が少なくなる

頭金があった方が借入額が少なくなります。
頭金なしのフルローンで住宅購入する場合には購入額が全て住宅ローン借入額になりますが、頭金の分だけ借入額が少なくなるからです。
例えば3,000万円の物件を購入すると、フルローンでは3,000万円の借入になりますが、頭金が500万円あるのであれば2,500万円の借入ですむことになります。
頭金が多ければ多いほど借入額が少なくなるのが頭金の最も大きなメリットです。

②完済時年齢が早くなる

頭金があれば借入額が少なくなります。
そのため完済時の年齢も頭金なしと比較して早くなることになります。
例えば、借入時年齢30歳・金利1%・3,000万円の住宅ローンを毎月10万円ずつ返済していった場合の返済回数は346回、借入期間は28年と10ヶ月となります。
頭金を500万円用意して、2,500万円の住宅ローンを同条件で返済していった場合には返済回数は281回、借入期間は23年と5ヶ月になります。
このケースでは頭金ありの方が5年5ヶ月も完済時年齢が早くなります。

③購入できる住宅の幅が広がる

頭金があった方が購入できる住宅の幅が広がります。
住宅ローンの借入可能額は年収によって決まります。
年収から無理なく借りることができる金額が3,000万円の人が頭金を持っていると購入できる物件は以下のように変わります。

  • 頭金なし:購入可能物件3,000万円
  • 頭金200万円:購入可能物件3,200万円
  • 頭金500万円:購入可能物件3,500円

頭金があろうがなかろうが、住宅ローンの借入可能額は年収によって決まるのですから、頭金があった方が購入できる物件に選択肢が広がることになるのです。

頭金はいくら必要?

では、頭金はいくら必要なのでしょうか?
頭金は多ければ多いほど、住宅ローン借入額が少なくなるか、高額物件を買えるようになります。
しかし貯金にこだわっていると、「目標の頭金を貯めた時には高齢になっていた」ということにもなりかねません。
自分が住宅を購入する年齢を決めて、借入可能額と希望物件の差額を目標額として貯蓄するのがベストです。

頭金の決め方を解説していきます。

自分の借入可能額から考えよう

頭金は自分がいくら借りることができるのかから考えましょう。
借入可能額は年収と完済時年齢によって算出します。

①返済額は年収の20%程度

住宅ローンの年間返済額は年収の35%以下までしか許容されません。
したがって、住宅ローンは年収の35%以下になるように借りなければなりません。
なお、年収の35%もの金額を返済額に持っていかれてしまったら生活を送って行くことは困難になるので、適正な返済額は年収の20%程度までと言われています。
年収500万円の人であれば500万円×20%=100万円が住宅ローンを無理なく返済できる金額です。

②完済年齢は60歳に

住宅ローンは81歳くらいまで完済時年齢が認められているものもありますが、このような高齢になってからもローンが残る状態は好ましくありません。
余裕を持って老後を送ることができるためにも、定年退職までには住宅ローンを完済できるようにする必要があります。
このため完済時年齢は60歳になるようにしましょう。

借入時年齢が30歳であれば30年ローン、35歳であれば25年ローン、40歳であれば20年ローンを組むのがベストです。

③30歳年収500万円の人が借りることができる金額

年収から毎月負担できる返済額を、年齢から借入期間を決めたら自分の借入可能額を算出しましょう。

例えば30歳、年収500万円の人の適正な返済計画は以下のようになります。

  • 年間返済額:100万円(毎月返済額83,000円)
  • 返済期間:30年

この条件(金利は1%と想定)で借入可能額を算出しましょう。
借入可能額を求めるにはCASIOのKEISANサイトが便利です。
このケースでは借入可能額2,580万円と算出されました。

希望する物件価格–借入可能額が頭金の必要額

希望する物件価格に対して、借入可能額では不足する金額が必要な頭金です。

例えば3,000万円の物件購入を希望するのであれば420万円不足することになります。

「あと5年後にはマイホームを購入しよう」という場合には、5年かけて420万円を貯蓄していく必要があります。
この場合は年間84万円の貯蓄を行なっていけばよいことになります。

「ボーナスで〇〇万円、毎月〇〇万円」などの具体的な貯蓄計画を立てて、貯蓄を行なっていきましょう。

また、すでに頭金に必要な貯蓄を持っているのであれば、希望物件のグレードを上げて貯蓄をしていくのもよいでしょう。
マイホームのための貯蓄の計画は以下の順番で立てるのがおすすめです。

  1. 借入可能額を算定する
  2. 希望物件に対する不足額を認識する
  3. マイホーム購入予定までの年間必要貯蓄額を把握する

貯金は目標があった方が貯まりやすくなります。

「〇〇歳に〇〇万円の物件を買う」という明確な目標を立てて貯蓄をしていくようにしてください。

頭金なしで住宅購入するデメリット

住宅ローンは返済負担率の基準さえ満たせば頭金なしでも購入することが可能です。

しかし、頭金なしのフルローンを組むことには以下のようなデメリットがあります。

  • 完済時年齢が高齢になる
  • 返済計画に無理が出る
  • 選択できる住宅の幅が狭まる

頭金がないのですから「借入可能額=購入可能物件」になり、住宅の選択肢は自ずと狭まります。

また、無理に希望する物件を購入しようとすると「完済時年齢が高齢になる」「返済負担率35%などの無理なローンを組む」ということになってしまうので、住宅ローンは実際に住宅を購入する数年前から明確に目標を立ててから借入した方がよいでしょう。


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