リノベの基礎知識 リノベーション/リフォーム 中古住宅

【中古物件の選び方】マンションの寿命が知りたい!

マイホームに中古マンションや一軒家を購入し、それをリノベーションやリフォームをする人が増えてきています。希望のエリアに土地や新築のマンションが見つからない、新築にすると予算が合わない、内装にお金をかけたい等、理由はさまざまあるでしょう。 

しかし、それも全て、中古マンションがあとどのくらい安心して住むことが出来るのか、築年数や現在の状況をしっかり把握することが前提にあります。 
 

一般的な建て替え時期と主な原因

一般家庭の住居として1960年代から普及し始めたマンションですが、全国の建て替え時期の平均はおよそ33年、国土交通省が2002年にまとめたものでは、建て替え工事の着工時期の平均は築後37年となっています。しかし、実際にはその多くの建て替えや、取り壊し事例が建物自体の老朽化によるものではありません。 
高度成長期に建造されたRC造マンションの配管が原因で建て替えになった事例が多くあります。そもそも配管の寿命は25年~30年とされているのですが、高度成長期に建てられたマンションの配管は、コンクリートの躯体に埋め込まれており、取り替え自体が難しく、配管に致命的な問題起きた場合には、建物ごと建て替えるしかないのです。 
また、現行の「新耐震基準」は1981年に施行されていますので、それ以前の建物は耐震性の問題がある場合も多く、マンションの補強工事は大掛かりで工事費用も高くなりますから、新たに建て替えとなるケースも多くなります。 
建て替えの時期が築後30~40年が多いと言っても、いつの時代に建てられたマンションなのかで、原因が大きく変わるということを認識しておいても良いかもしれませんね。
 

RC造の耐用年数は100年超え

RC造やSRC造の建築物において、コンクリートの品質と、鉄筋を包むコンクリートのかぶり厚さが大きいほど物理的耐用年数が増えると言われています。かぶり厚3cmで65年、4cmで100年とされています。実際に日本でも平成25年の国土交通省の報告書によると、「RC造建築の寿命は117年」「マンションの寿命は120年で、メンテナンスにより150年まで延命できる」とされています。また、2009年に施工された長期優良住宅制度にて「通常想定される維持管理条件下で、構造躯体の使用継続期間が少なくとも100年程度となる措置」を求めています。この制度自体、「200年住宅構想」を基に定められたものになりますので、2009年以降の物件に関してはメンテナンス次第で、100年以上の耐用年数になると考えられます。 
 

建物が長寿になる環境とは

建材の品質が長寿の秘訣

マンションのコンクリートは、セメントに対して水の比率が低いものを使用おり、鉄筋を覆う部分を厚くしています。そうすることで、コンクリートがひび割れしにくく、中の鉄筋が錆びるリスクが下がります。 
また、給排水管などの資材や設備が長持ちすれば、建物の耐用年数も長くなりますので、従来の錆びやすいメッキ鋼管ではなく、腐食しにくく、詰まりにくい塩化ビニル管や架橋ポリエチレン管を使用するマンションが増えてきています。 
実際に1970年代、高度成長期の建設ラッシュの時期に建てられた建物は、通常であれば川砂を使用するところ、材料不足により、コンクリートに海砂を多用されています。塩分を取り切れていない海砂は、コンクリートの品質を低下させます。 
当時のマンションが全て低品質という訳ではありませんが、劣化のスピードが速い建物が多いのも事実です。それを受け止め、建物の寿命を延ばすためにも、品質向上が重要になってくるでしょう。 
 

建物の管理状態が寿命を延ばす

建物の寿命は、コンクリートが100年超えとはいえ、長い間、日差しを浴び、雨風にさらされますので、定期的なメンテナンスが重要になってきます。外壁塗装や屋上防水などの大規模修繕は、12~15年を目安に行う必要があります。それ以外にも、割れたガラス窓の交換、鉄製器具の錆び止めなど、補修が必要な場合には早めに対処することで悪化することを防ぎます。近年のマンションでは、この定期的なメンテナンスや大規模修繕をするために、長期修繕計画を立てていることがほとんどです。管理体制がずさんであったり、滞納の多いマンションでは、大規模修繕の際に、資金不足に陥り、追加徴収や、修繕自体を諦めるということになり兼ねません。マンションを購入する時に、建物のメンテナンスがちゃんと行われているのか、しっかりと見極めたいですね。 
 

立地環境で建物の劣化具合が変わる

外壁や屋上防水など屋外に面している部分は特に、雨、風、日差しにより影響を受けます。日差しが強くてもダメージになりますが、逆に日光があまりにも当たらない環境でも、湿気がたまり、カビやコケの原因になります。それ以外にも雪国では配管が痛みやすく、海浜の近くでは潮風が金属の腐食を促します。 
どんな環境でもメリットデメリットがあるものです。それぞれに対処できる建材を採用し、適切なメンテナンスが行われていれば劣化は防げます。「海の近くは潮風が・・」と不安になる必要はありません。それぞれに適した方法で管理されているか、ということを確認してみると良いでしょう。
 

まとめ

既存住宅において、内覧という形で現物を見ることができますが、構造体力上の問題や雨水の侵入、地震による内部の破損など、一見しただけでは分かりづらいことの方が多いです。そして、実際に建物の寿命をはっきりと数字で表すのは難しいでしょう。しかし、専門家に建物の現在の状態や性能を見極めてもらうことはできますので、心配なことがある場合は、不安を残したまま進めるよりも一度、相談してみても良いかもしれませんね。 


こちらの記事も好きかも?


Related posts

リノベーションでワンランク上のおしゃれな空間をつくる!

家路まい [外部ライター]

一番人気!後悔しない浴室リフォームをしたい

家路まい [外部ライター]

収納の進化系!コーディネートルームが大活躍

家路まい [外部ライター]

リフォームで採用したい!便利な設備を知りたい

家路まい [外部ライター]

天井リフォームで新生活!照明で空間を演出したい

家路まい [外部ライター]

寒い冬も怖くない!戸建もマンションも床暖房で温もり生活

家路まい [外部ライター]



お近くのショールーム

サンヨーホームズでは注文住宅、物件購入からリノベーションの設計・施工、住宅診断など住まいに関わるサービスをワンストップでご提供しております。