フラット35というと、一定以上の基準を満たした優良住宅購入時しか借りることができないというイメージを持っている人も多いのではないでしょうか？
確かに、一定以上の条件を満たす住宅には優遇金利が適用される商品がありますが、フラット35は中古物件を購入し、リフォームする資金にも利用することができます。
それがフラット35（リフォーム型）になります。
フラット35リフォーム型の概要や利用条件について詳しく解説していきます。
フラット35リフォーム一体型とは？
フラット35リフォーム一体型とはどのような商品なのでしょうか？
資金使途や商品概要などについてまずは詳しく解説していきます。
中古住宅資金とリフォーム資金を一括融資
フラット35リフォーム一体型の資金使途は以下のように定められています。
お申込ご本人またはそのご親族の方がお住まいになる中古住宅の購入およびその中古住宅の購入とあわせて行うリフォーム工事に必要な資金
＊リフォーム工事の内容、費用や借入額との割合に制限はありません。
中古住宅購入代金と、購入と同時に行うリフォーム資金を一括で借りることができます。
また、住宅代金とリフォーム代金の割合にも特に定めはないので、資産価値のほとんどない築年数が経年した物件を購入し、リフォームする場合にもフラット35リフォーム一体型で対応できる可能性があります。
担保評価額がつかない中古物件は民間金融機関の住宅ローンでは借りにくいですが、フラット35リフォーム一体型であれば借入できる可能性があります。
金利は通常のフラット35と同じ
適用される金利はフラット35と変わりありません。
通常のフラット35と同じ適用金利で借りることができ、2020年4月の最頻金利は以下のようになっています。
- 返済期間15年〜20年：1.23%
- 返済期間21年〜35年：1.30%
民間金融機関でリフォームローンを借りた場合には3%前後の金利が適用されるのが一般的ですので、リフォーム資金と考えた場合、フラット35リフォーム一体型は非常に低い金利で借りることができると言えるでしょう。
リフォーム一体型はフラット35Sとフラット35リノベと併用可能
フラット35リフォーム一体型はフラット35Sとフラット35リノベと併用してさらに低い金利で借りることもできます。
それぞれの適用条件と優遇金利について詳しく解説していきます。
フラット35Sと併用できるケース
リフォーム後の住宅がフラット35Sの技術基準に適合する場合は、リフォーム一体型であってもフラット35Sを利用することが可能です。
フラット35Sに該当するとフラット35の金利から年▲0.25%の金利優遇を借入から5年間または10年間受けることができます。
10年優遇にプランAに該当するためには、リフォームによって以下の4つのうちいずれか1つを満たす必要があります。
| 省エネルギー性 | （1）一次エネルギー消費量等級5の住宅 |
| 耐震性 | （2）耐震等級（構造躯体の倒壊等防止）3以上の住宅 |
| バリアフリー性 | （3）高齢者等配慮対策等級4以上の住宅 |
| 耐久性・可変性 | （4）長期優良住宅 |
また、5年優遇のプランBの条件は、リフォームによって以下のいずれか1つを満たす必要があります。
| 省エネルギー性 | （1）断熱等性能等級4の住宅 （2）一次エネルギー消費量等級4以上の住宅 |
| 耐震性 | （3）耐震等級（構造躯体の倒壊等防止）2以上の住宅 （4）免震建築物 |
| バリアフリー性 | （5）高齢者等配慮対策等級3以上の住宅 |
| 耐久性・可変性 | （6）劣化対策等級3の住宅で、かつ、維持管理対策等級2以上の住宅 |
フラット35リノベと併用できるケース
購入した中古住宅に性能向上リフォームをする場合、性能向上リフォームが施された中古住宅を購入する場合にはフラット35リノベが適用となり、フラット35の金利より0.5%の優遇を受けることができます。
こちらも、当初10年間金利引き下げを行うAプランと、5年間金利優遇を行うBプランにリフォームの内容によって分かれます。
それぞれの基準は以下のようになっています。
Aプランは以下のいずれかに適合するリフォームを行うことが条件です。
| 省エネルギー性 | （1）一次エネルギー消費量等級5の住宅 |
| 耐震性 | （2）耐震等級（構造躯体の倒壊等防止）3以上の住宅 |
| バリアフリー性 | （3）高齢者等配慮対策等級4以上の住宅 |
| 耐久性・可変性 | （4）長期優良住宅 |
Bブランは以下の(1)~(10)までのうちいずれかに適合したリフォームを行うことが条件になります。
| 省エネルギー性 | （1）断熱等性能等級4の住宅 （2）一次エネルギー消費量等級4以上の住宅 （3）全居室の開口部に一定の断熱改修 （4）全居室の開口部および住宅全体の床・外壁・屋根（天井）いずれか1か所以上に断熱改修 （5）LDKの開口部の断熱改修※4が実施され、かつ、1種類以上の高効率化等設備交換が実施された住宅 （6）LDK以外の居室1室以上の開口部の断熱改修※4が実施され、かつ、2種類以上の高効 率化等設備への交換が実施された住宅 |
| 耐震性 | （7）耐震等級（構造躯体の倒壊等防止）2以上の住宅 （8）免震建築物 |
| バリアフリー性 | （9）高齢者等配慮対策等級3以上の住宅 |
| 耐久性・可変性 | （10）劣化対策等級3の住宅で、かつ、維持管理対策等級2以上の住宅 |
これらに該当するリフォームを行なった場合には借入当初5年〜10年間0.5%の金利優遇を受けることができます。
フラット35リフォーム一体型は2020年で一杯で終了！今後はどうなる？
フラット35リフォーム一体型の受付は2020年12月末で終了します。
しかし今後はリフォーム資金も含めてフラット35で取り扱いができる予定なので、フラット35では今後も中古住宅購入資金とリフォーム資金を低金利で借りることができます。
中古住宅を購入してからリフォームを行うよりも中古住宅購入と同時にリフォームをした方が低金利で借りることができます。
中古住宅の購入とリフォームを検討している人はフラット35でリフォーム資金も低金利で借りる方法があるということを理解しておきましょう。
