住宅を購入する際に最も重要なことの1つが「自分はいくらの住宅ローンを借りることができるのか」ということです。
住宅ローンの借入額を試算して、そこから自分の身の丈にあった住宅を選択することが、住宅を選ぶにあたっては最も現実的な方法と言えます。
実際に住宅ローンに申し込みをしなくても、借入額を試算から仮確定することは可能です。
住宅ローン借入額を自分で仮確定する2つの方法を解説していきます。
住宅ローン借入額の2つの決め方
住宅ローン借入額には2つの決め方があります。
- 希望する返済額から借入額を決定する方法
- 年収から借入限度額を試算する方法
それぞれの方法にはメリット・デメリットがあります。
住宅ローン借入額の2つの決め方のメリット・デメリットについて解説していきます。
希望返済額から借入額を決定する
「毎月の返済額はできる限り少なくしたい」「貯蓄をしたいから〇〇万円までに抑えたい」「家賃と同じくらいにしたい」などと考えている人は、希望する返済額から借入額を決定するのがおすすめです。
この方法には、以下のようなメリットとデメリットがあります。
- メリット:無理なく返済することができる、貯蓄などのライフプランを立てやすい
- デメリット:借入額が少なくなってしまう可能性がある
無理のない返済計画で住宅ローンを組むことができますが、返済希望額が少なすぎる場合には購入できる住宅がないほどに借入可能額が少なくなってしまうことがあります。
年収から借入限度額を試算する
2つ目が「自分の年収の範囲内でいくらの住宅ローンを借りることができるのか」という視点から借入限度額を試算する方法です。
メリット・デメリットとしては以下のような点をあげることができます。
- メリット:年収に応じた借入限度額を知ることができる
- デメリット:返済計画に無理が生じることが多い
この方法は、年収の範囲ギリギリでいくらまで借りることができるのかを試算する方法ですので、借入額は高額になりますが、返済計画に無理が生じることが多くなります。
「いくらまでが借入限度額なのだろう」ということを知る程度の気持ちで試算してみるのがよいかもしれません。
希望返済額から借入額を決める方法
希望返済額から借入額を求める方法を解説します。
- 希望返済額を決定
- 返済期間を決定
- シミュレーション
という流れで借入額を試算することができます。
希望する返済額を検討する
まずは、自分が毎月いくら返済していきたいのかを検討しましょう。
一般的に住居費は収入の20%程度と言われており、15%程度であれば余裕を持って返済できると言われています。
いくらで設定しても構いませんが、無理なく返済でき、貯蓄に回すことができる程度の余裕が生まれる金額にするのがよいでしょう。
返済期間を決定する
次に、住宅ローンを何年返済するのか、という返済計画を決定しましょう。
住宅ローン7完済時年齢79歳くらいまでは借りることができますが、これは長すぎです。
現役を退職する60歳から65歳くらいまでには完済できる返済計画にするようにしましょう。
シミュレーション
では、毎月の返済額が7万円、返済期間30年でいくら借りることができるのかシミュレーションしてみましょう。
なお、住宅ローン金利は1%とします。
住宅ローンのシミュレーションサイトはいくつもあります。
「シミュレーション 借入可能額 返済額」などと検索すると、銀行などのシミュレーションサイトが表示されます。
そこから、「毎月の返済額から借入可能額を調べる」などの項目があるので選択し「返済額」「返済期間」「金利」を入力することで、簡単にシミュレーションすることができます。
「返済額:7万円」「金利:1%」として、ここではじぶん銀行のシミュレーションサイトで借入額をシミュレーションしていきます。
返済期間 | 借入可能額 |
35年 | 24,700,000円 |
30年 | 21,700,000円 |
25年 | 18,500,000円 |
20年 | 15,200,000円 |
上記の金額に頭金を合わせた金額が住宅購入可能額になります。
借入可能額が足りないのであれば、毎月返済額を増やすなどして、「いくらの返済額であれば必要な金額を借りることができるのか」ということを試算してみましょう。
年収から借入限度額を試算する方法
「自分の年収からいくらの住宅ローンを借りることができるのか」を計算する方法です。
- 年収から年間返済額の限度額を計算する
- 年間返済額から借入可能額をシミュレーションする
という流れで借入額を試算することができます。
詳しく見ていきましょう。
年収から年間返済額限度額を計算する
住宅ローンには返済負担率という基準があります。
返済負担率とは「住宅ローンの年間返済額を年収の一定割合以下に収めなければならない」という基準です。
多くの住宅ローンで返済負担率は30%から35%となっています。
仮に、年収500万円の人が返済負担率30%の住宅ローンを組む場合、この人は年間150万円(年収500万円×返済負担率30%)の住宅ローン返済を許容されます。
まずは自分の年収から「いくらまでが返済の限度なのか」ということを計算しましょう。
年間返済額から借入限度額を試算する
年間返済額から、借入可能額を試算してみましょう。
ここで大切なのは、年間返済額を毎月返済額に計算することです。
年間返済額が150万円であれば、毎月返済額は150万円÷12ヶ月=125,000円となります。
なお、この場合、ボーナス返済は考える必要はありません。
やはり、先ほどと同じ方法でシミュレーションサイトを検索して、毎月の返済額から借入可能額を調べる」などの項目からシミュレーションしていきます。
「返済額」「返済期間」「金利」を入力することで、簡単にシミュレーションすることができます。
ここでは「返済額:120,000円」「金利:1%」としてシミュレーションしていきましょう。
返済期間 | 借入可能額 |
35年 | 42,500,000円 |
30年 | 37,300,000円 |
25年 | 31,800,000円 |
20年 | 26,000,000円 |
このように、年収500万円程度でも、借入限度額ギリギリまで借りると4,000万円以上の借入が可能になります。
ただし、返済負担率ギリギリの借入は明らかに無理があるので、借入限度額はあくまでも目安と考え、無理のない返済計画を立てるようにしてください。