フラット35は「35年金利が固定される」という面ばかりフォーカスされています。
そのため、「フラット35は長期の住宅ローンを組まなければメリットがないのではないか?」と考えている人も多いのではないでしょうか?
確かに、35年間金利が固定されるフラット35は大きなメリットがあります。
しかし、フラット35は借入期間が20年以下であればより金利が低くなります。
それがフラット20という住宅ローンです。
借入期間が短くなってもフラット35は「フラット20」という商品があるので十分なメリットがあります。
フラット20の特徴や注意点などについて詳しく解説していきます。
フラット20とは
フラット20とは、特別に「フラット20」という商品に申し込むわけではなく、借入期間が15年以上20年以内のフラット35に申し込むことで、自動的に金利が低いフラット20という商品を借りることになります。
金利がフラット35よりも優遇されるという特徴があり、審査基準や申込条件は全てフラット35と同じです。
フラット35で借入期間が20年以下のローン
フラット35で借入期間が20年以下の申込をすると、自動的に「フラット20」という商品が適用されることになります。
具体的にフラット20になる条件は借入期間が15年以上で、さらに以下のいずれかかの短い年数である借入です。
- 「80歳」-「申込時の年齢」
- 20年
最短15年以上かつ最長20年以下の申込をフラット35で行うと、フラット20が適用されることになります。
金利が優遇される
フラット20になると、フラット35よりも金利が優遇されます。
金利の優遇幅は0.05%で、例えばARUHIのフラット35の金利は返済期間に応じて以下のようになっています。
- 返済期間15年〜20年:0.940%(機構団信加入)
- 返済期間21年〜35年:0.990%(機構団信加入)
フラット20になれば、どの金融機関で借りても0.05%の金利優遇を受けることができます。
フラット35との組み合わせも可能
フラット20はフラット35と組み合わせて借りることも可能です。
例えば、3,000万円の住宅ローンを2,000万円と1,000万円の2本に分けて、1本は返済期間20年以内とすることで金利優遇を受けることができます。
例えば夫婦共働きの場合で、夫婦の一方が退職する時にはフラット20の返済が終わるように設計するなどして、金利優遇を受けながらライフプランの中で最適な返済計画を立てることも可能です。
フラット20の注意点
フラット20は金利がフラット35よりも低くなるというメリットがありますが、優遇金利を借りるために無理に借入期間を20年以下にしてしまうと、後から返済に困ってしまうことがあるので注意が必要です。
借入後に返済期間を延長できない
フラット20は、一度返済期間20年以内で借りてしまうとその後に返済期間を延長するということが原則不可能です。
借入期間20年以内ということを前提として金利優遇を受けているため、当然と言えば当然なのかもしれません。
金利優遇を受けたいあまりに20年以内という短い借入期間で借りたことによって「毎月の返済が苦しい」という状態になってしまう人は少なくありません。
借入時には金利優遇だけを考えるのではなく、収入に見合った現実的な返済計画を立てるようにしましょう。
フラット20はこんな人に向いている
フラット20は以下のような人に向いています。
- 返済を早く終えたい人
- 世帯収入が高い人
- 頭金が多い人
フラット20に向いている人について詳しく見ていきましょう。
返済を早く終えたい人
毎月の返済金負担を比較的多くすることができ、返済を早く終えたい人は金利優遇を受けることができるフラット20はおすすめです。
借入期間20年という短い期間しか返済する必要がないので、40歳で住宅ローンを組んだとしても60までには返済を終えることができます。
収入が高く高額の返済金を許容できる人
収入が高く、20年以内の借入期間で住宅ローンを完済できる人にもフラット20はおすすめです。
例えば3,000万円の返済期間20年のフラット20を金利0.940%で借りた場合には、毎月返済額は137,166円となります。
年間返済額は1,645,992円なります。
住居費は収入の2割程度であれば生活に余裕を持って暮らすことができると言われていることから、世帯年収8,229,960円以上あれば無理なく返済を行なっていくことができるでしょう。
共働き世帯で、毎月の高額の返済も問題なく支払うことができるという人はフラット20で低金利で短期間のうちに返済を終えてしまいましょう。
頭金が多い人
頭金が多い人は住宅ローン借入額が少なくなります。
そのため、20年以内という短い返済期間でも毎月返済額が多くならないので無理なく返済していくことができる可能性が高いでしょう。
多くの頭金が用意できる人は、20年以内の返済期間に設定しても問題なく返済していくことが可能です。
フラット20シミュレーションをとって返済可能な返済額になるかどうかを確認しましょう。