住宅ローンには審査があります。
そして、住宅ローン審査は個人が借りるローンの中では難易度は最難関です。
住宅ローンの審査に落ちてしまうことは決して珍しい話ではありません。
住宅ローンの審査に落ちてしまったら、一生住宅を購入することはできないのでしょうか?
そのようなことはありません。
住宅ローンの審査に落ちても、他で借りられる場合もありますし、審査落ちの原因は解決することもできます。
住宅ローンの審査に落ちてしまった場合の対処法について解説します。
住宅ローン審査に落ちた時にどうするか
住宅ローンの審査に落ちてしまった時に、住宅の購入を諦めることができないのであれば、他の住宅ローンに申し込むか、審査落ちの原因を冷静に分析するという2つの方法があります。
他の住宅ローンに申し込む
銀行の住宅ローンは審査が厳しいので、以下の5つのいずれかに該当すると審査に落ちてしまいます。
- ブラック
- 勤続年数1年未満
- 返済負担率が30%を超えている
- 担保割れ
- 団信に加入できない
そこで、ニッセイなどのノンバンクの住宅ローンを利用することで審査に通過できる事もあります。
ノンバンクの住宅ローンは金利が高いですが、上記いずれかの審査落ちの原因に該当していても審査通過の可能性はゼロではありません。
審査落ちの原因を考える
銀行の低金利の住宅ローンを借りたいのであれば、まずは審査落ちの原因を冷静に考えましょう。
銀行に審査に落ちた理由を聞いてもまず銀行は答えてくれません。
「総合的な判断によって」などと言うだけです。
そのため、自分で個人信用情報を確認し「ブラックでないかどうか」調べましょう。
ブラックでないのであれば 審査落ちの原因は
- 勤続年数1年未満
- 返済負担率が30%を超えている
- 担保割れ
- 団信に加入できない
のいずれかです。
まずは、自分が住宅ローンに落ちた原因が何なのかを確認するようにしてください。
住宅ローン審査に落ちる5つの原因と対処法
住宅ローン審査に落ちる原因は以下の5つのいずれかです。
- ブラック
- 勤続年数1年未満
- 返済負担率が30%を超えている
- 担保割れ
- 団信に加入できない
それぞれの原因には解決策があります。
住宅ローン審査に落ちる5つの原因と、その対処法について詳しく解説します。
信用情報ブラック
信用情報ブラックとは個人信用情報に以下のような情報が記録されている人です。
- 自己破産
- 個人再生
- 債務整理
- 延滞(2ヶ月超の長期延滞)
- 強制解約
- 代位弁済
これらの金融事故と呼ばれる情報が個人信用情報に記録されている人はまず審査に通過することができません。
自分の信用情報にこのような情報が記録されていないかどうか、信用情報をチェックしましょう。
事故から5年〜10年経過するのを待つ
ブラックでは絶対に住宅ローン審査に通過することはできません。
そしてブラック情報を消すためには事故を起こした債務が消滅してから5年〜10年待つしかありません。
- 自己破産
- 個人再生
これらの情報は事故を起こした債務が消滅してから10年間は信用情報から消えません。
その他の情報は5年間で消えますので、該当する期間が経過するまで待ちましょう。
勤続年数不足
住宅ローンは勤続年数が最低でも1年、一般の会社員の場合には3年以上ないと審査に通過することが難しくなります。
3年以上勤務する
勤続年数不足で審査に落ちた場合には、3年以上勤務してから申し込みをすることで審査に通過できる可能性があります。
転職してしまうと勤続年数がリセットされてしまうので、少なくとも3年以上勤務するまでは転職しない方が無難です。
返済負担率オーバー
住宅ローンには返済負担率という決まりがあります。
返済負担率とは、住宅ローンの年間返済額を30%もしくは35%以下にしなければならないというもので、例えば年収500万円の人は返済負担率30%であれば、住宅ローン年間返済額を150万円以下にしなければなりません。
返済負担率オーバーの場合にも審査に通過することはできません。
返済期間を延ばすか借入額を少なくする
返済負担率オーバーの場合には、自分の年収に合った金額まで年間返済額を少なくするしかありません。
許容される年間返済額は「年収×返済負担率」で求めます。
例えば、年収400万円の人が返済負担率30%の住宅ローンを借りる場合には「400万円×30%=120万円」が許容される住宅ローン返済額です。
この場合、住宅ローン返済額を120万円以下となるようにする必要があります。
住宅ローン返済額を少なくする方法は以下の2つです。
- 返済期間を長くする
- 借入額を少なくする
いずれかの方法で、住宅ローンの返済額を年収の30%(35%)以下とすることで審査に通過できる場合があります。
担保割れ
住宅ローンは不動産担保評価額の範囲内までしか融資をしません。
そのため、購入を希望する不動産担保評価額が借入希望額を下回っていた場合には、審査に落ちてしまいます。
中古の戸建物件などは建物の評価額がほとんどつかないので、審査に落ちてしまうことがよくあります。
追加担保を入れるか他の物件を選択する
担保割れの対処法は以下2つです。
- 追加で担保を入れる
- 他の物件を探す
例えば担保評価額が1,000万円しかないのに、借入希望額が1,500万円の場合には500万円の担保割れです。
このような時には親などの不動産を担保に入れて不足分の500万円を他の不動産担保で補うことで審査に通過できることがあります。
他の担保を入れることができない場合には、担保評価額が担保割れしない物件を探すことで審査に通過できる場合もあります。
団体信用生命保険に加入できない
銀行の住宅ローンでは、団体信用生命保険への加入が必須です。
持病や健康状態が原因で団体信用生命保険に加入することができない場合には、いくら他の審査に問題がなくても住宅ローンを借りることができません。
ワイド団信に申し込むかフラット35を利用する
銀行の中には、団信の審査基準が一般の団信よりも緩いワイド団信という団体信用生命保険を扱っている場合があります。
ワイド団信であれば一般団信に通過できない人でも加入できる可能性があるでしょう。
また、フラット35は団信に加入することが必須ではありませんので、フラット35に申し込むことで住宅ローンを借りることができる場合があります。
ただし、団信に加入しないまま借主が亡くなってしまうと、家族に高額な住宅ローン債務が残ってしまうという点には十分注意しましょう。
妥協して高金利の住宅ローンを借りるのはNG
銀行の住宅ローン審査に通過できない場合に、信販会社や保険会社などの高金利の住宅ローンを借りることはあまりおすすめできません。
今や住宅ローンは0.5%程度の低金利で借りることができる場合もあるほど金利は下がっています。
それに対して、信販会社などの住宅ローンの金利は2%〜4%程度にもなります。
3,000万円の住宅ローンを期間30年で0.5%と2.0%で借りた場合の毎月返済額と総返済額は以下のようになります。
金利 | 毎月返済額 | 総返済額 |
0.50% | 89,756円 | 32,312,288円 |
2.00% | 110,885円 | 39,918,769円 |
同じ金額を借りたのにも関わらず、毎月返済額で2万円以上、総返済額では700万円以上も高額になってしまいます。
住宅ローンの審査に落ちた原因は必ず解決できます。
まずは、審査落ちの原因を考えて、その原因を解決してから借りることをおすすめします。