新築マンションを選ぶ際には、間取りや内装・設備に目が行きがちになりますが、近年ではマンションの構造を購入前に確認される方が増えているようです。その理由としては、やはり自然災害に対する意識の高まりが大きな要因ではないでしょうか。
新築マンションにおける耐震性能は、マンションの広告などで大きくアピールされており、ついつい安心してしまいがちです。もちろん、建築基準法をはじめとした建築関連法規により、マンションの安全性はきちんと確保されています。しかし、マンションの構造をマンション購入前に知っておくことで、将来の家族構成の変化や子供の成長を見据えたマンション選びも可能となります。購入時にこだわって選んだマンションを、将来的に住み替えが必要になって手放さなくても良いように、しっかりと確認しておきましょう。
今回は、マンション購入前に知っておくべきマンション構造をまとめてみました。
マンション購入前に知っておくべきマンション構造
1.マンション構造のRC造とは
現在の新築マンションのほとんどは、RC造という構造形式が採用されています。RC造のRCは、Reinforced Concrete(補強されたコンクリート)の頭文字であり、鉄筋コンクリート構造とも呼ばれます。鉄筋コンクリート構造という名前の通り、鉄筋が組まれた型枠にコンクリートを流して固めたもので建物の躯体が形成されているのが特徴です。
鉄筋コンクリート構造は、鉄筋とコンクリートのお互いの長所と短所を活かし補い合う性質があるため、高い安全性を求められるマンションに適した構造形式になります。
2.新築マンションの耐震基準
近年、日本では最大震度6を超える地震が、数年おきに発生しています。そのような中で、マンション購入される際には、やはり耐震性能が気になるところではないでしょうか。
新築マンションの耐震性能は、過去の大規模地震の被害状況を鑑みて改正された建築基準法より、新耐震基準のクリアが義務付けられています。具体的には、震度6~7の大規模地震があっても倒壊しない耐震性能です。改正前の旧耐震基準では、震度5程度の中規模地震で倒壊しない耐震性能であったため、新築マンションに義務付けられている新耐震基準が、より安心していただける耐震性能となっていることは理解していただけると思います。
また、マンションの規模やグレードによっては、より揺れにくい制震構造や免震構造などで造られている場合もありますので、購入前にしっかり確認しておくと良いでしょう。
3.将来の間取り変更に備えて
最近では、間取り変更するなどのリノベーションをされた中古マンションが多く販売されていますが、マンションには壁を壊して間取りの変更ができるマンションと出来ないマンションがあるのをご存じでしょうか。一部の2~4階建て程度の低層マンションでは、壁式構造と呼ばれる構造形式が採用されています。間仕切り壁が鉄筋コンクリートで作られているため、間仕切り壁の撤去ができず、将来のリノベーションを検討している場合には不向きな構造です。しかし、壁式構造は間仕切り壁が頑丈であるため、地震による被害は少ないという利点もあります。
壁式構造に対して、一般的に用いられているのがラーメン構造です。ラーメン構造は、鉄筋コンクリートの柱・梁がフレーム状に配置されることで耐震性能を有します。そのため、間仕切り壁の撤去が可能となっています。将来家族構成の変化や子供の成長などに合わせて、間取り変更を検討している場合には、購入時にラーメン構造のマンションを選択することが必要です。
購入前にしっかりと検討しておくと、住み慣れた自宅を末永く使えるうえ、引越しなどの手間や出費を防ぐこともできるかもしれません。
まとめ
マンション購入前に知っておくべきマンション構造はご確認いただけたでしょうか。新築マンションが安全であることはもちろんのこと、将来の間取り変更が可能なラーメン構造のについても理解していただけたと思います。これから先、より長く暮らしていけるように、気になったことは気軽に営業担当の方に質問をして、安心できる住まいを探していきましょう。