前回は住宅ローン控除の計算書の記入方法をご説明しました。
今回は、確定申告書の記入方法を解説していきます。
まずは手元に源泉徴収票を用意
確定申告を行う前にまずは手元に源泉徴収票を用意しましょう。
また、以下のように、源泉徴収票に鉛筆などで①〜⑤まで番号をふってください。
①総支払金額
②控除後の手取金額
③控除額
④源泉徴収税額
⑤給与の支払者(会社の住所および名称)
になります。
確定申告書は第二表から記入する
確定申告書は第二表から記入しましょう。
住所と氏名を記入して、源泉徴収票から転記するだけです。
所得の内訳の欄にそれぞれ源泉徴収票の⑤、①、④の順番に転記をして、「どこからいくら給料を受け取ったのか」「源泉徴収税額はいくらなのか」ということを転記するだけになります。
第一表の作成方法
第一表の作成方法に関して、左側は源泉徴収票の①、②、③の金額を転記するだけです。
このように、左側の欄は源泉徴収票の①、②、③をそれぞれ転記していきましょう。
確定申告書第一表右側の記入方法
㉑課税所得の計算方法
右側最上段の課税所得の計算方法は②−③で求めることができます。
この場合、4,920,000円−2,508,484円=2,411,516円となります。
税金の計算では1,000円未満は切り捨てですので、㉑は2,411,000円となります。
㉒税金の求め方
㉑で求めた課税所得から所得税を算出します。
所得税の税率は以下のようになっています。
課税所得金額 | 税率 | 控除額 |
195万円以下 | 5% | 0円 |
195万円を超え 330万円以下 | 10% | 97,500円 |
330万円を超え 695万円以下 | 20% | 427,500円 |
695万円を超え 900万円以下 | 23% | 636,000円 |
900万円を超え 1,800万円以下 | 33% | 1,536,000円 |
1,800万円を超え4,000万円以下 | 40% | 2,796,000円 |
4,000万円超 | 45% | 4,796,000円 |
この場合、課税所得は2,411,000円円ですので、2,411,000円×10%−97,500円=143,600円となります。
この数字を㉒に記載します。
㉔住宅借入金等特別控除の金額
この金額は計算書で求めた住宅借入金等特別控除の金額を転記します。
㉟復興特別所得税額
復興所得税額が所得税額の2.1%なので、㉞の金額×2.1%で計算します。
この場合には、㉞は0円ですので、復興所得税額も0円です。
④所得税及び復興特別所得税の源泉徴収税額
源泉徴収票の④から転記します。
㊵還付される税金
本来払うべき税金㊱の数字から源泉徴収された税金(源泉徴収票の④の数字)を控除して、いくら還付されるのかを計算します。
源泉徴収票に振られた番号では、㊱−㊲−㊳で求めます。
この事例では、本来払うべき税金は0円ですので、源泉徴収された所得税と復興特別所得税については丸々還付されることになります。
所得税から控除しきれない分は住民税が還付される
この例では、住宅ローン控除額30万円に対して、源泉徴収された144,600円しか還付されていません。
住宅ローン控除は30万円ですので、控除しきれない金額が発生しています。
このような所得税から控除しきれない場合には住民税から還付される仕組みになっています。
なお、住民税の還付を受けるためには特に手続きは必要ありません。
まとめ
確定申告というと難しいイメージがありますが、基本的には源泉徴収票の金額を転記していくだけですので簡単です。
確定申告の際には
- 計算書を作成する
- 源泉徴収票を用意する
- 確定申告書第二表を作成する
- 確定申告書第一表を作成する
という順番で作業を行なっていきましょう。
なお、作成方法が分からない場合には税務署に問い合わせれば丁寧に教えてくれます。
また、国税庁の確定申告書作成サイトでは画面の順番に沿って入力することで、確定申告書を作成することができるので、そちらも活用するようにしましょう。