ピーマンは栄養価が高く、炒め物や煮物、サラダなど多くの料理に利用される緑黄色野菜です。夏に収穫する野菜ですが、スーパーなどでは一年を通して目にすることができる定番の野菜となっています。簡単に栽培できるので、庭に菜園を作ったりプランターで栽培したりして楽しむ方も増えてきました。ここではピーマンをプランターで栽培してみたい方へ育て方などをご紹介します。
ピーマンについて
ピーマンはナス科の野菜で、南アフリカや中南米などが原産の高温を好む野菜です。普段目にする緑色のピーマンは完熟前の状態で、完熟すると赤や黄色になります。ビタミンCやカロチンの他、ミネラル類・繊維質を豊富に含む栄養満点の野菜で、いろいろな料理に使いやすいので家庭菜園でも人気があります。実はピーマンは実だけでなく葉も食べられます。お浸しや炒め物にして食べるとほうれん草のような味で、葉を食べられるというのも家庭菜園ならではです。
ピーマンの植え付け
植え付け時期
ピーマンは春に植える野菜です。苗が出回る4月~6月頃まで植え付け可能です。植え付けてから10月頃まで長期間に渡って収穫を楽しめます。
苗の選び方
種をまいて育てることもできますが、初心者は苗から植える方が簡単でおすすめです。株全体ががっちりしていて茎が太いもの、10枚程度葉が付ている元気な苗を選びましょう。
植え付け方法
苗と苗の間隔を20cmほど空けて植え付けます。65cmの長方形のプランタであれば3株が適量です。植え付けは晴天の日の午前中を選ぶとうまく定着します。植え付け後1週間は毎日たっぷり水やりしてください。
仕立て方
ピーマンを植えた後は、苗が倒れないよう支柱を立てて固定しましょう。成長とともに支柱の長さを変えていきますが、背丈があまり高くならないので、50cmほどの支柱を用意しておけば大丈夫です。ただ、後ほど説明する3本仕立てにするために、支柱は一株ごとに3本用意してください。
ピーマンの日頃のお手入れ
水やり
ピーマンは乾燥と多湿には弱い野菜です。水分の与え過ぎには注意して、土の表面が乾いてからたっぷり水やりをするようにしましょう。また葉は水をはじいてほとんど水分吸収を行わないので、葉が濡れていると細菌が発生する原因になります。水やりをする際は根元に、土はねしないように優しく与えましょう。
肥料
最初の実が付き始めたら追肥として1株当たり10gほどの化学肥料を与えます。その後2~3週間に1回程度肥料を施しましょう。液体肥料の場合は週に1回程度水やりの代わりに行います。
ピーマンの3本仕立て
2~3個実が付いたら、その下の脇芽は全部取り除きます。そしてその実の付いたところから出た脇芽は残しておきます。さらにもうひとつ上の脇芽も残しておいて、主軸と脇枝2本の合計3本の茎を伸ばしていきましょう。このような仕立て方を3本仕立てといいます。支柱は真ん中に垂直に1本立て、2本をX(バツ)の字にして立てて、それぞれ3本の枝に沿えるようにしてください。
ピーマンの病害虫
病気
ピーマンがかかりやすい病気にはモザイク病が挙げられます。モザイク病にかかると葉や花などの部分に黄色の斑点が現れて、そのまま放っておくと株全体に広がり葉や実が奇形してしまいます。もしこの病気にかかってしまったら、見つけ次第取り除くようにしてください。
害虫
ピーマンに発生しやすい害虫は、つぼみや葉などに寄生して植物の汁を吸い取るアブラムシやコナジラミ、カメムシなどがあります。害虫が発生しないようにするには、こまめに草引きをしたり、銀色のシートを敷いて下から反射した光が当たるようにしたりすると効果的です。もし見つけたら手で取り除くか、ガムテープに貼り付けて獲るとよいでしょう。
ピーマンの収穫
ピーマンは1株から50~100個程度も実がなります。花が咲いてから約2週間で収穫できるようになり、6月下旬~10月初旬まで収穫が可能です。実が6~7cmほどになったときが収穫のタイミングで、大きくなりすぎると株への負担にもなるので早めに収穫するようにしてください。
まとめ
ピーマンは独特の苦味があるので、特にお子さんから嫌われることも多い野菜ですが、栄養豊富で疲労回復や風邪予防にも効果的です。新鮮なピーマンは意外と甘さもあり、自分で育てたものなら食べてみようという気になるかもしれません。とても育てやすくて多くの収穫量も期待できるピーマンを、ぜひプランターで栽培してみてください。