35年金利固定のフラット35が有名な住宅金融支援機構ですが、最長50年金利固定のフラット50という融資商品があることをご存知でしょうか?
フラット50を利用すれば、若いうちから高級物件を無理のない返済額で購入することも可能です。
フラット50の概要やメリット・デメリットについて詳しく解説していきます。
フラット50とは
融資対象者 | ・申込時の年齢が満44歳未満の方(親子リレー返済を利用の場合は、満44歳以上の方も申込み可) ・日本国籍の方、永住許可を受けている方または特別永住者の方 |
融資限度額 | 100万円以上8,000万円以下 (物件価格の9割まで) |
金利 | 1.700%~2.200% |
借入期間 | 36年以上で、かつ、次の(1)または(2)のいずれか短い年数 (1) 「80歳」-「申込時の年齢」 (2) 50年 |
収入合算 | 収入合算できる方 次の(1)から(4)までのすべての要件に当てはまる方ひとりの収入を合算可能。 (1)申込み本人の親、子、配偶者など (2)申込時の年齢が満70歳未満の方 (3)申込み本人と同居する方 (4)連帯債務者になる方 |
返済負担率 | ・年収400万円未満:30%以下 ・年収400万円以上:35%以下 |
最長50年借入可能
フラット50は最長50年間借入をすることができます。
ほとんどの住宅ローンは最長35年と決まっていますが、単独名義でも50年間借りることができるのはフラット50の大きな特徴です。
高額物件を若いうちに手に入れたい時もフラット50を利用すれば無理なく返済できるでしょう。
例えば、5,000万円を金利1.7%で借りて、50年返済した時の返済額は12.3万円程度ですので、若い会社員の方でも返済可能な金額に収めることができます。
50年間固定金利で安心
フラット50の金利は50年間固定金利です。
今は歴史的な低金利ですが、さすがに50年先に金利情勢がどのようになっているかということについて分かる人は誰もいません。
もしかしたら、ギリシャのように財政破綻して金利が高騰している可能性もあります。
フラット50であれば50年先という半世紀先まで、歴史的な低金利水準の今の金利で固定させることができるので非常に安心です。
フラット50のメリット
フラット50には以下の3つのメリットがあります。
- 親子ローンも利用可能
- 金利引き継ぎ特約あり
- 【フラット35】または【フラット20】との併用可能
フラット50のメリットについて詳しく解説していきます。
親子ローンも利用可能
フラット50は親子ローンも利用することができます。
借入当初は親が返済し、将来的に子供が返済することで親子で継続して50年間の返済を行なっていく方法で、最長50年間、低金利で固定させることができます。
親子ローンは他の銀行でも存在しますが、50年もの間金利を固定させることができるのはフラット50だけです。
「高級な2世帯住宅を建てたい」というような場合もフラット50なら金利上昇を気にすることなく超長期のローンを組むことができます。
金利引継特約あり
フラット50には金利引継特約がついています。
金利引継特約とは、住宅ローンを返済中に融資物件を売却する場合に、当該物件の買い手にフラット50の金利を引き継ぐことができるというものです。
住宅売却時に市場金利が上昇していた場合には、買い手は市場金利よりも低い金利で住宅ローンを借りることができます。
これだけで住宅の付加価値になるので、フラット50の融資物件は住宅ローンを残したまま売却でき、さらに低金利という付加価値がついているので売りやすいと言えるでしょう。
【フラット35】または【フラット20】との併用可能
フラット50は【フラット35】または【フラット20】と併用することが可能です。
フラット50は物件価格の9割までしか借りることができせん。
不足分については【フラット35】または【フラット20】で借りることができるのでフルローンを利用することができます。
ただし【フラット35】または【フラット20】で借りた分に関しては20年または35年以内に返済しなければなりません。
フラット50のデメリット
フラット50には3つのデメリットがあることも把握しておきましょう。
- 単独名義で50年ローンが組めるのは30歳以前のみ
- 長期優良住宅しか利用できない
- フラット50での降るローンは不可能
フラット50、3つのデメリットについて詳しく解説していきます。
単独名義で50年ローンが組めるのは30歳以下の人のみ
フラット50の返済期間は以下のいずれかの短い方です。
- 「80歳」-「申込時の年齢」
- 50年
つまり、30歳以下の人しか借入期間50年のローンを組むことができません。
確かに単独名義で35年超のローンを組むことができるのはメリットですが、年齢とともに許容される返済期間がどんどん短くなってしまうという点には注意する必要があるでしょう。
長期優良住宅しか利用できない
フラット50を利用することができるのは長期優良住宅購入(建築)時だけです。
例えば木造の中古物件購入時などにはフラット50を利用することができません。
すべての物件に対して最長50年の固定金利が適用されるわけではないという点にも注意しましょう。
フラット50でのフルローンは不可能
フラット50は物件価格の9割までしか融資を行いません。
そのため、原則的には物件価格の1割は自己資金を用意する必要があります。
高額物件を若いうちから購入する目的でフラット50を借りる人は、高額の頭金を用意することができない可能性もあります。
例えば5,000万円の物件を購入するためには500万円もの頭金を用意しなければならないということですので、若い人がフラット50を利用して高額物件を購入することは、実はハードルが高いと言えるかもしれません。
不足分は【フラット35】または【フラット20】の借入で補うことができますが、この場合は返済額が大きくなってしまうので注意しましょう。