日本建築と言えば、木造住宅で和室を兼ね備えており、畳がある空間というのが当たり前でしたが、近年ではさまざまな国の様式の住宅を見掛けるようになり、畳を取り入れた空間が少なくなってきましたよね。
マンションに限らず、戸建てでもリビング横の1室だけ和室を残しつつ、他はフローリングという間取りが流行った時代もあります。
そして、バリアフリーな住宅が注目され始めると、ますます和室の数が減少し、洋室だけの住宅がとても増えてきましたよね。
そんな時代の流れの中、和室への関心が薄れたかのように見えがちですが、そんな訳ではありません。
昔から馴染みのある和室や畳がある空間にいると、心が落ち着く人が多いため、今でも情緒溢れる和風な空間は愛されています。
古民家をリノベーションしたり、リフォームにおいてもモダンな和室にコーディネートしたりと、和を取り入れたオシャレな空間はいつまでも根強い人気があります。
心温まるような古き良き和室の良さを活かしつつ、最新のオシャレな空間に仕上げたいものですね。
和室の上手な取り入れ方
昭和モダンミックス
リフォームする時に、すべてを入れ替えるのではなく、木材が傷んでいなければ、思い出のある柱を残したり、古い建具や木材の味を活かすことで、部屋を演出することができます。
最近、流行っている古民家のリノベーションと共通するところでもあります。
月日を感じる木材を使用することで、部屋に情緒が溢れ、自然と落ち着く雰囲気になるところが魅力的です。
古い物と新しい物をミックスすることで、新しい和室に挑戦したいですね。
和モダン
モダンな雰囲気が好まれ、洋室が増えてきた住宅の中で、和室を活かしながらも馴染ませることができれば、モダンに近づかせることができます。和風にすると昔っぽくなりがちですが、工夫ひとつで近代的な雰囲気を演出しましょう。
壁
ひと昔前の和室の壁は、砂壁や塗壁のイメージがありますが、経年劣化によりポロポロと粉が落ちたり、汚れや染みが目立つようになります。
また、他の洋室との繋がりを考えた時に壁の素材が異なるため浮いてしまいます。
色はモダンな雰囲気になるように、白、グレー、チャコールグレー、ブラウンなどの無地で統一し、隣接する部屋の壁と、素材を合わせると良いでしょう。
色味のあるものを選ぶ場合には、淡い色を選択するか、部分的に取り入れると和室ならではの落ち着きを演出しやすいでしょう。
琉球畳
畳のイメージとして、古い時代のものと思う人もいるかと思いますが、そんな人には琉球畳という半畳サイズの縁なし畳がおすすめです。
縁がないことで、フロアが繋がって見え、フローリングと比べても、部屋の景観を左右することが無くなり、洋室との相性も良くなっています。
一般的な畳に比べて、相違点はたくさんあるのですが、人気が出てきた理由のひとつとして、カラーバリエーションの豊富さにあります。
和室なのに色鮮やかにもシックにも演出することができます。
カラーバリエーションが豊富な和紙畳は、色褪せにくく、耐久性があり、ダニやカビが発生しにくいので、扱いやすいでしょう。
また、琉球畳は、組違いに網目の向きを変えて設置すれば、全く同じ畳なのに、光の加減で、少し色が異なって見えるため、格子柄のような床になります。
もちろん2色の色を用いることもできるので、従来の畳に比べて、部屋の雰囲気を自由自在に決めることができるでしょう。
障子
古くなった障子を取り替えるだけで、とても明るくなるのですが、昔ながらの形状の障子だと昔の和室っぽくなってしまいます。
障子も年々、バリエーションが増え、モダンなデザインの枠組みになっている障子や、カラフルな和紙を張った障子など、理想の空間になるように、選択肢がたくさんあります。
和モダンに合った障子を選んで取り入れましょう。
収納と収納扉
和室の収納はクローゼットではなく、押入れが一般的ですが、意外と使い勝手が良く、季節ごとに入れ替える布団の収納など、大きな物を収納するのに向いています。しかし、モダンな空間を演出する時に、押入れの扉を襖にしてしまうと、雰囲気が異なって浮いてしまうので注意しましょう。
置き畳
リフォームで和室を設置するほどではないけど、和の雰囲気を取り入れたいという人におすすめなのが、置き畳です。
部屋の広さやライフスタイルに合わせて手軽に取り入れることができます。
汚れても手軽にお手入れができるものが多く、1枚だけ簡単に取り替えることもできます。
薄くて軽量なため、気軽に片付けることも可能でしょう。
気分転換や部屋の模様替えに検討してみても良いでしょう。
まとめ
昔から馴染みのある和室は、現代の住宅に必ずある訳ではありません。しかし、情緒あふれる和室や畳に対して、ほとんどの人が、懐かしさや安心感を感じていることでしょう。和室を上手に取り入れ、オシャレなのに心が落ち着くような癒しの空間を演出したいですね。