コウモリランは、まさにコウモリが羽を広げたように見え、ユニークな見た目で愛好家が多いインテリアグリーンです。また大きな鹿の角のようにも見えてとてもインパクトがあります。インテリア雑誌などでもよく見かけるコウモリランについて、育て方や飾り方をご紹介しましょう。
コウモリランとはどんな植物?
原産地と基本情報
コウモリランの原産地はアフリカ・東南アジア・オーストラリア・南アメリカなどの熱帯地域です。「ラン」と名前に付いていますが、実はランの仲間ではありません。シダ植物に分類されていて、別名「ビカクシダ」とも呼ばれています。木や岩にくっついて根を張る「着生生物」で、土がなくても生きていけます。
葉の特徴
何と言っても特徴的なのは「葉の形」です。鹿の角ように見えるギザギザのもの、コウモリの羽のように大きく広がったもの、また細長く垂れ下がるものなど様々な形があります。コウモリランの葉には、役割別に「胞子葉」と「貯水葉」があります。
胞子葉
胞子葉は葉先の裏側に胞子を付けて、作った胞子を遠くまで飛ばすために、長く伸びるのが大きな特徴です。また、胞子葉は葉の表面が白い毛で覆われています。この毛は日光を反射して葉を守ったり,水分の蒸散を防いだりする役目を果たしています。
貯水葉
貯水葉は名前から分かるように水分を蓄えている葉です。手の平を上向きに広げたような形で、虫の死がいや鳥の糞、上から落ちてくる葉などを集めて分解し、養分として吸収する働きもあります。最初は緑色をしていますが、成長するにしたがって茶色になります。枯れた葉も細菌により分解されて、養分に変えてしまうという特殊な性質を持っているので、茶色になった葉を取り除かないようにしましょう。
コウモリランの管理
日当たり
コウモリランは日当たりの良い場所を好むので、太陽の光を十分当てて育てましょう。ただし真夏の強烈な日光に当たると葉焼けを起こしてしまいます。夏場は屋外ではなるべく明るい日陰に移動させ、室内ではレースのカーテン越しで管理してください。
温度
熱帯地域に生育する植物なので、暑さにとても強いのですが、その反面、寒さには弱いです。冬場で10℃を下回る気温になると屋外で育てるのは難しくなるので、暖かい室内へ移動した方が安心です。
風当たり
コウモリランは風に当たることによって葉が揺れ、それが刺激になって株が引き締まるといわれています。風にしっかり当たっていないと、葉が柔らかくなって、葉に入る独特なしわが出ないこともあります。
コウモリランの育て方
水やり
コウモリランは乾燥には比較的強く、水をある程度ためておけるタイプの植物です。だからといって乾燥させ過ぎてしまうと水切れを起こして枯れてしまいます。土が乾いているようであれば、たっぷりと水やりをしてください。
肥料
肥料はなくても育ちますが、適度に与えるとよりいっそう大きな株に成長します。2ヵ月に1回程度、緩効性化成肥料や液体肥料を与えましょう。
コウモリランの飾り方と風水
飾り方
コウモリランはもちろん普通の植物と同じように鉢植えにして飾ることもできますが、その魅力を発揮できる飾り方は、板に張り付けて育てる方法や、ハンギングにしてぶら下げて育てる方法です。自分の家のスペースに合った飾り方で、コウモリランを楽しみましょう。
壁掛け
もともと木や岩に着生して生息する植物なので、その特徴を生かした飾り方が板や流木などに貼り付ける方法です。板に苗を置いてその周りに釘を打ち、水苔で株を覆います。麻紐を釘に引っ掛けながら、水苔でくるんだ株を縛って板に固定しましょう。これは最も代表的で人気の高い飾り方で、そのまま壁に掛けるとおしゃれでインテリア性の高いオブジェになります。
ハンギング
水苔で根を球状に包み、水苔がはがれないように麻ひもや糸などでしっかり巻いて苔玉を作ります。苔玉にワイヤーを通してそのまま天井などからぶら下げると、まるでコウモリが羽ばたいているかのように見えますよ。
花言葉と風水効果
花言葉
コウモリランの花言葉は「信頼」「助け合う」「魔法」です。コウモリランがほかの木などに付着して成長する特徴に由来しています。「お互いに助け合って生活をしている」という気持ちを込めて、大切な家族や親友にプレゼントしてみてはいかがでしょうか?
風水効果
ゆったりと柔らかい葉を広げているコウモリランの様子にはリラックス効果があり、心を癒すインテリアとして人気が高まっています。ゆったりと落ち着きたい空間に飾ることをおすすめします。人間関係を良くする効果ももたらすとされているので、リビングやオフィスに置くと良いでしょう。
まとめ
コウモリランはおしゃれなインテリアプランツとして抜群の存在感があります。壁から飛び出すように葉を伸ばすコウモリランを、玄関やリビングに一つ飾るだけでもインパクトがあり、大きな注目を集めてくれるでしょう。壁掛けやハンギングなど飾り方のコツをつかんで、素敵にアレンジしてみてください!