クリスマスシーズンが近づく頃になると、赤やピンクなどの色とりどりの花を咲かせるシャコバサボテンが店頭に並びます。寒い冬の季節に暖かな彩りを与えてくれて、花期が長く枝垂れるような咲き方が特徴です。多肉植物でありながら冬に美しい花をたくさん咲かせることから、鉢花として園芸ファンに親しまれているシャコバサボテンをご紹介しましょう。
シャコバサボテンとはどんな植物？
原産地と基本情報
シャコバサボテンはブラジルを原産とする多肉植物です。サボテンの仲間ですが、一般的なサボテンは乾燥地帯に生息しているのに対し、シャコバサボテンは霧の多い森林の木の上や岩場に自生しています。クリスマスの時期に花が咲くので、「クリスマスカクタス」という名前でも呼ばれています。また「デンマークカクタス」という別名もあり、これはデンマークで改良されたからです。
特徴
カニの足に似た葉
とげがありいくつかの節がつながっている葉は、実は「茎節（けいせつ」と呼ばれる扁平になった茎です。カニの足によく似ていることから、「カニバサボテン」という呼び名もあります。短い節が弧を描きながら下向きに垂れ下がるのが特徴です。
冬に咲く花
開花時期は11月～3月にかけて、花の色は赤・ピンク・白・黄・オレンジなどバリエーション豊富です。花が咲く時期になると葉の先端に丸い突起物ができますが、これがつぼみです。長いしべと外側に幾重にも咲き広がる花びらが美しく、葉のゴツゴツした雰囲気と対照的な華やかさがあります。
シャコバサボテンの管理
日当たり
花が咲いている間は室内に置き、窓辺など日当たりの良い場所で管理してください。春～秋までは屋外でよく日に当てるとしっかりした株に育ちます。ただし夏の直射日光は避けて半日陰に置きましょう。
温度
シャコバサボテンは耐寒性が弱く凍ると枯れてしまうので、霜に当てないように冬場は室内で育てましょう。室温が5℃を下回らないように注意が必要です。窓辺は夜の寒気が入って気温が下がることもあるので、冷え込む夜は窓から離れた場所に置くと安心です。
シャコバサボテンの育て方
水やり
春～秋は生育期なので、用土の表面が乾いたらたっぷり水を与えましょう。秋が深まり気温が下がってくる頃から少しずつ水やりを控えて、12月～3月までの寒い時期は乾かし気味に管理します。
肥料
生育が活発になる春から梅雨までは肥料が必要です。緩効性化成肥料や液体肥料を施してください。花芽ができ始める秋までに肥料が切れているように、梅雨明け以降は肥料はやりません。
植え替え
鉢の中で根がいっぱいになり過ぎると成長の妨げになるので、1～3年に1回植え替えをしましょう。また、植え替えをすると根腐れを防ぐこともできます。植え替えに適した時期は4月～5月頃で、根の回りについている古い土を落として一回り大きな植木鉢に植え替えてください。
増やし方
シャコバサボテンは葉を土にさすことで簡単に増やせます。さし芽に適した時期は4月～7月です。新しく伸びた茎節を2～3節切り取り、新しい土にさしましょう。数枚、円を描くようにさしておくと、株が自然に丸くまとまった姿になります。
シャコバサボテンのトラブルと対処方法
花芽ができない
シャコバサボテンは夏越しと冬越しができれば、翌年以降も花を咲かせることができます。ただ、光に当たる時間が短くならないと花芽ができないという性質があります。シャコバサボテンが花芽を付けるためには、気温が10～20℃で1日の日照時間が12時間以内の状態を1か月続けることが必要です。秋に室内に取り込んだ場合、夜間照明があるような場所に長時間置かないように気を付けてください。
つぼみが落ちる
つぼみがついた株を移動するとせっかくついたつぼみが落ちてしまうことがあります。つぼみの大きさが1cm以下の間は、できるだけ置き場所を変えないようにしましょう。また暖房の効き過ぎも落花の原因になります。
シャコバサボテンの花言葉と風水
カラフルで華やかな印象のシャコバサボテンの花言葉には「一時の美」「美しいながめ」「波乱万丈」「愛される喜び」「冒険心」「勝利」「有能」などがあります。また風水的にも、直感力を高めたり、眼力を高めたりするパワーがあるとされる植物です。冬の寒々しい部屋にシャコバサボテンを一鉢置くだけで、明るく華やいだ気分にしてくれますよ。垂れ下がって咲く花が可愛らしいので、玄関の靴箱の上などに置くのもおすすめです。疲れて帰ってきた家族や訪れる友人の心を癒してくれることでしょう。
まとめ
冬の間次々と咲く花を楽しめるシャコバサボテンは、初心者でも簡単に育てられる観葉植物です。緑の葉と真っ赤な花はクリスマスシーズンにピッタリですよ！うまく管理すれば翌年も美しい花を咲かせて、簡単に増やすこともできるので、ぜひシャコバサボテンを冬のグリーンアイテムに取り入れてみてください。
