地域材を用いた木造住宅を新築すると、国から補助金を受け取ることができる場合があります。
これを「地域型住宅グリーン化事業」と言い、最高で140万円もの補助を受けることができるので、これから住宅の新築を考えている人にはメリットのある制度です。
地域型住宅グリーン事業の概要について詳しく解説していきます。
地域型住宅グリーン化事業とは
地域型住宅グリーン化事業とは、地域の林業を育成するため、また地域の木材の地産地消を促すための補助金です。
地域の木材を使用して所定の住宅を新築すると補助金が交付されるので、住宅建築の際に地元の木材を使用することの大きなインセンティブとなる事業だと言えるでしょう。
優れた木造住宅を新築する場合に補助金が交付されるもの
地域型住宅グリーン化事業とは、地元木材を使用し、優れた木造住宅を新築する際に補助金が交付されるものです。
補助金を受けるためには、単に木造住宅というだけでなく、長期優良住宅や低炭素住宅といった省エネルギー性能や耐久性能等に優れている必要があるという点にも注意しましょう。
対象になる住宅の条件は後ほど詳しく解説していきます。
住宅と建築物(非住宅)への2つの補助がある
地域型住宅グリーン化事業では、住宅と建築物への2種類の補助を行なっています。
住宅以外の建築物を新築した場合にも、所定の条件を満たせば補助されますが、この記事では住宅に対する補助のみを詳しく解説していきます。
地域型住宅グリーン化事業の概要
地域型住宅グリーン化事業で補助を受けるための条件や金額などについて詳しく見ていきましょう。
補助を受け取ることができる人
地域型住宅グリーン化事業で補助を受けることができる人は以下のいずれかに該当する人です。
- 住宅(長期優良住宅や低炭素住宅などの省エネ性の高い住宅)を新築する人
- 新築住宅(長期優良住宅や低炭素住宅などの省エネ性の高い住宅)を購入する人
- 所定の省エネ住宅に戸建住宅を改修する人
省エネ性の高い住宅を新築する場合や、省エネ性の高い新築建売住宅を購入する場合、または省エネ住宅に改修する人が対象です。
なお、省エネ住宅であれば誰でも対象になるわけではなく、補助を受けるには建物に関して以下の所定の条件を満たさなければなりません。
補助の対象になる住宅
補助の対象になる住宅は単に省エネ性が高いというだけでなく、物件が以下の条件を満たしている必要があります。
- 住宅の主要構造部が木造であること
- 主要構造部の木材は原則として地域材を使用すること
- 認定長期優良住宅、認定低炭素住宅、ゼロエネ住宅など、所定の性能を満たすこと
- 国の採択を受けたグループの構成員である中小住宅生産者等により供給される住宅であること
住宅の主要構造部が地域材を使用した木造であり、所定の省エネ性能を満たすものでなければなりません。
また、どこのメーカーで建ててもよいわけではなく、工務店同士が連携したグループが国の採択を受けており、そのグループに属する中小住宅生産者に建築してもらう必要があります。
補助額
地域型住宅グリーン化事業の補助額は住宅の性能によって以下のように異なります。
性能 | 補助額 | 加算額 |
長寿命型 | 上限110万円/戸 | ・地域材の過半利用の場合に加算:上限20万円 ・三世代同居対応要件適合で加算:上限30万円 |
高度省エネ型 | 上限110万円/戸 | |
ゼロ・エネルギー住宅型 | 上限140万円/戸 | |
省エネ改修型 | 定額50万円/戸 | 加算なし |
なお、それぞれの住宅性能のポイントは以下のようになります。
- 長寿命型:所管行政庁による低炭素建築物の認定を受けた住宅、または「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律」に基づいて、所管行政庁による性能向上計画の認定を受けた住宅
- 高度省エネ型:ZEH の要件に適合した住宅またはそれと同等以上の水準の省エネ性能を有する住宅
- ゼロ・エネルギー住宅型:ZEH の要件に適合した住宅またはそれと同等以上の水準の省エネ性能を有する住宅
- 省エネ改修型:建築物エネルギー消費性能基準等を定める省令の規定に基づく建築物エネルギー消費性能基準に相当する性能(BEI 1.1 相当)を有していること
新築する住宅の性能によって、上記の補助を受けることができます。
採択グループに属する企業で施工した場合のみ受給可能
地域型住宅グリーン化事業はどの工務店やハウスメーカーが施工しても受給することができるわけではありません。
この事業の採択を受けた中小住宅供給会社が集まるグループに属する会社が施工した場合のみ、補助を受けることができます。
採択を受けたグループは地域型住宅グリーン化事業評価事務局ホームページに地方別に公開されています。
補助を受けたい方は、お住まいの地域の採択グループや企業を検索して、業者へ問い合わせてみるとよいでしょう。
なお、補助金はまずグループに割り振られ、グループからグループ内の企業へ割り振られる仕組みとなっており、金額を消化したら終了です。
当該業者が条件に合致する所定の建物を建築したからといって、必ず補助金を受給できるとは限りません。
事前に「地域型住宅グリーン化事業の補助額は残っていますか?」と問い合わせるようにしてください。