ふっくら肉厚の葉がユニークで心癒やされると話題の多肉植物。個性的なフォルムと育てやすさで、インテリアアイテムとしても人気があります。
多肉植物はもともと熱帯地域で自生するものが多く、日本の寒さはやや苦手です。今回は多肉植物を冬でもうまく育てるコツや、寒さに強い品種を紹介します。
多肉植物の特徴
多肉植物には「春秋型」「夏型」「冬型」というように、3つの生育型に分類されています。それぞれ活発に生長する時期が異なり、季節ごとの育て方も異なるのです。
春秋型の多肉植物
・エケベリア属、パキフィツム属、グラプトペタルム属、グラプトセダム属、ハオルチア属、センペルビウム属など
多肉植物の多くは「春秋型」に属しています。温暖な季節に大きく生長し、比較的丈夫で育てやすいので、初めて多肉植物を育てる初心者にもおすすめです。
冬や夏以外は屋外で日光をしっかり当てて、生育期の春や秋は土が乾いたらタップリ水を与えましょう。
夏型の多肉植物
・ユーフォルビア属、アガベ属、カランコエ属、パキフィツム属、クラッスラ属の一部など
気温の高い環境を好み、暑さや強い日差しに負けることなく活発に育ちます。一方冬になって寒さが厳しくなると活動を止めて休眠期に入ります。
見た目がゴツゴツしてワイルドな風貌の品種が多いのが特徴。乾燥に強いので水やりは控えめにして、夏でも乾かしぎみに育てましょう。
冬型の多肉植物
・アエオニウム属、リトープス属、コノフィツム属、セネシオ属の一部、クラッスラ属の一部など
気温の低い季節に旺盛に生育し、春や秋はややゆっくりなペースに、夏は完全に休眠します。冬の屋外でも大丈夫ですが、気温が零下になるような日は室内に取り込むほうがよいでしょう。
暑い夏は日陰の涼しい場所で管理します。植物というより石や動物の爪に似たユニークな姿が多めです。
多肉植物を冬に育てるコツ
植物の生育型を把握する
多肉植物の大きな特徴は、活発に生長する季節が品種によってそれぞれ異なることです。冬に多肉植物を育てたい場合は、冬型の品種がおすすめです。
もちろん夏型や春秋型でも室内の暖かい場所に置けば枯れる心配はありません。タイプに合った育て方をすれば大丈夫です。
日当たり
植物のほとんどは日光を好みます。多肉植物も同様で、できるだけ日当たりのよい場所で育てましょう。冬は太陽の角度が低く部屋がどうしても暗くなりがちです。
明るい窓辺に置いて、タップリ日光を当ててあげましょう。冬型の多肉植物であれば、晴れて暖かい日中に外に出すこともできます。
水やり
葉にタップリと水分を含んでいる多肉植物は乾燥に強いので、水やりは控えめにします。とくに冬に休眠している夏型には水やりの必要はありません。
冬型の多肉植物には、土がカラカラになっていたら水を与えましょう。暖かい日中の午前中が水やりに適しています。
気温
冬の室内は暖房が効いているので、寒さに弱い品種でも育てられます。冬型は屋外で越冬する品種もありますが、冷え込みが厳しい夜に凍結する恐れもあるので、室内の方が安心です。
エアコンなどの温風が直接多肉植物に当たると、弱ってしまうこともあるので注意しましょう。
寒さに強い冬型の多肉植物
アエオニウム
バラのような姿がゴージャスなアエオニウム。多肉植物の中でも人気が高く、さまざまな品種が市場に出回っています。緑の葉だけでなく、赤っぽい葉や黒紫などバリエーション豊かです。
リトープス
ドッシリとした石のようにも見える不思議な形のリトープス。独特のフォルムを楽しむ愛好家が多い多肉植物です。分厚い葉にはアート作品のような美しい模様が入り、「生きた宝石」とも称されています。
フィロボルス
表面に白いツブツブが付いた細い葉を、自由自在に伸ばすフィロボルス。高原に生息する多肉植物で、ミニ盆栽のように仕立てる楽しみ方もできます。色鮮やかな花が咲くと華やかです。
コノフィツム
足袋のような形やコロンとした球形など、さまざまな形があるコノフィツム。脱皮しながら葉が成長するのが特徴です。黄色やピンク・赤・白など色とりどりの花が咲きます。
まとめ
多肉植物は寒さが苦手、と思われがちですが、意外と冬を好んで活発に生育する品種もあります。ただ、真冬は雪が降ったり霜が降りたりすることもあるので、屋外よりも室内で育てたほうが安心です。
植木鉢だけでなくオシャレな空き缶などでも育てられる多肉植物。棚やテーブルなどに置いて、冬に咲くキレイな花も楽しんでみましょう。
