住宅診断

国土交通省監修「わが家の耐震診断」で耐震性をセルフチェック!

地震の多い日本で住宅を購入する際に、購入の決め手のひとつになるのが住宅の耐震性です。 
地震以外にも自然災害は身近な問題であり、災害に対する備えとして耐震性を高めた住宅ほど、大切な家族を守ってくれることになります。 
また、自然災害に備えると共に、少しでも長く大切に住むことができる住宅として、住宅性能を向上させることはとても大事なことでしょう。 
中古物件を購入する際や、地震が多く発生した後など、住宅の耐震性に不安を感じる場合などに、専門業者に見てもらうのが一番ですが、ある程度は自分の目で耐震診断をすることができます。 
最初の取っ掛かりとして、セルフチェックをしてみてはいかがでしょうか。 

耐震性を自分でチェックしよう!

耐震性を専門業者に頼らず、自分で確認する時に判断基準の参考になるものがいくつかあります。 
国土交通省が監修している「わが家の耐震診断」を参考にすれば、ある程度の耐震性はチェックできるでしょう。 
「わが家の耐震診断」で基本の部分をチェックし、それ以上の部分も目で確認できる項目はたくさんありますので、細かくチェックすると良いでしょう。 
 

国土交通省監修「わが家の耐震診断」

「わが家の耐震診断」のチェックの内容は10項目あるので、自分の家について分かっていることをチェックしてみましょう。 
 

住宅が建てられた年

建てられたのが1981年5月以前、6月以降を境目に建築基準法が改正されており、6月以降であれば耐震基準が強化されています。 
また、5月以前の住宅は現況の建築基準を満たしていないということでもあるので、耐震性を強化するようなリフォームを検討しましょう。 
 

大きな災害に遭ったことがあるか否か

床下浸水・床上浸水・火災・車の突入事故・大地震・崖上隣地の崩落などの大きな災害に見舞われたことがある場合には、構造上の破損や劣化が進行している可能性があります。 
見た目の補修はしているからと安心していると、外見では分からないダメージを蓄積している可能性があります。 
破損を放置することで、重大な欠陥になってしまう場合がありますので、一度、専門業者に見てもらいましょう。 
 

増築の有無

建築確認など必要な手続きをして増築を行った場合には問題ないのですが、簡単な増築な場合、必要な手続きを省略して増築している場合があります。 
増築を2回以上繰り返している場合や、増築の際に壁や柱を勝手に一部、撤去してしまっている場合があります。 
既存部の適切な補修や改修、増築部の接合部分の適切な処理が行われていない場合には、元々の耐震性より劣っている場合があるでしょう。 
 

老朽化している箇所の有無

傷んだ部分をその都度補修していれば問題ない場合が多いですが、腐ったり、シロアリ被害をそのままにしている場合には不都合が発生しているはずです。 
特に建物の北側や浴室周辺などの湿気が篭りやすい場所は念入りに調べると良いでしょう。 
他にも、屋根の棟や軒先が波打っていたり、柱や床が傾いていたり、建具の建付けが悪くなったら、家全体の老朽化が進行しています。 
基礎部分の老朽化が進行している場合には、構造的にも重大なダメージになっている可能性があります。 
 

建物の平面形状

建物を平面図で見てみると、正方形や長方形に近い形状であったり、どちらかと言うとLの字、Tの字などの複雑な形状をしていたりと、建物の形は間取りで変化します。 
整形な建物は欠点が少なく、地震に対して強い形と言われており、反対に不整形な建物は比較的、地震に弱い形状とされています。 
整形か、不整形か判断に迷うところですが、91cm以下の凹凸や、出窓、突出したバルコニー、柱付き物干しバルコニーは凹凸として見なしませんので、自分でも建物の形状を判断できるでしょう。 
 

大きな吹き抜けの有無

外見は整っている形状の建物でも、大きな吹き抜けがあると、地震時に建物をゆがめる可能性があります。 
一辺が4m以上だと大きな吹き抜けで耐震とされているので注意が必要です。 
 

壁の配置とバランス

間取りを検討する際に、南側は日当たりが良いため、リビングや大きな窓を計画することが多いのですが、住宅全体を見て、壁の分量やバランスが悪いと、構造的に耐震性が低くなってしまいます。 
同じ木造住宅の中でも壁の多い部分は揺れが少なく、壁の少ない部分は揺れが大きくなります。 
揺れの大きな部分から壊れてしまいますので、バランス良く壁や窓が設置されているか確認しましょう。 
 

1階と2階の壁面が一致しているかどうか

平屋の場合や、2階外壁の直下に1階の内壁か外壁がある場合には何も問題がありませんが、稀に2階外壁の直下に1階の壁が無い場合があります。 
2階外壁の直下に1階の壁が無い場合、地震が起きた際に地震による負荷が壁沿いにキレイに流れるはずが、外壁が繋がってないことで、壁から床を伝わって流れることになります。 
そのため、1階と2階の壁面が一致している住宅に比べて、床面に大きな負荷がかかり、大地震の場合には床から壊れる恐れがあります。 
例外として、枠組壁工法(ツーバイフォー工法)の木造の場合には、床の耐力が大きいため、2階壁面の直下に1階壁面が無くても比較的、耐震性が保たれます。 
 

屋根葺材と壁のバランス

屋根葺材は、ストレート・鉄板葺・銅板葺など比較的軽い屋根葺材であれば問題ないのですが、和瓦や洋瓦などの重い屋根葺材の場合、それに応じて住宅の耐力が必要になります。 
耐力の大きさは概ね壁の多さに比例するので、1階の壁の分量を確かめると安心でしょう。 
 

基礎の種類

鉄筋コンクリートによる布基礎・ベタ基礎・杭基礎のような堅固な基礎であれば、それ以外の基礎に比べて耐震性が高く、丈夫な住宅と言えるでしょう。 
住宅の耐震性において、基礎が担っている部分はとても大きいので、基礎の構造や材料についてしっかり把握しておきましょう。 
 

まとめ 

耐震性を確認することは、住宅の現在の状態を把握するということでもあり、結果的にそこに住む自分達の命を守ることに繋がります。 
状態を確認するために専門業者に頼むとなると腰が重くなりがちですが、自分たちの目で確認できるのであれば、気軽に実践することができますよね。 
家族にとって家が一番、安心で落ち着く場所にするためにも、定期的にセルフチェックしてみると良いでしょう。 

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家路まい [外部ライター]

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