春になると花壇を色とりどりににぎわせてくれる球根植物。冬の寒さを乗り越えることで球根がしっかり太るので、秋の間に植え込んでおきましょう。
今回は球根の植え方と育て方の解説です。花が咲いたあとに掘り上げる品種と掘り上げなくてもよい品種もあわせて紹介します。
球根の育て方
植え込みの時期
球根植物には多くの品種があり、性質や地域によって植え込みに適した時期は異なります。一般的には気温が15度前後になる10～11月が適期。本格的な寒さが訪れる前には植え込みを完了しましょう。
植え込み方
球根を土に埋めるとき、基本的に球根の高さの2～3倍程度の深さにします。鉢植えで育てる場合は、地中のスペースを広くするため地植えよりやや浅めでもかまいません。ただし球根の先端は完全に地中に隠れるように。球根の間隔は直径の約3倍程度にしましょう。
日当たり
植物の生育には日光が必要です。球根はできるだけ日当たりのよいところに植えてください。日なたは地中の温度が高いので、球根の生育を促進します。
水やり
球根植物を植え込んだあと、特に水やりの必要はありません。水を与え過ぎると土の中で球根が腐ることもあります。よほど晴天が続かない限り、雨水だけでも大丈夫です。
肥料
球根の中には十分な栄養を蓄えているので、肥料を与えなくても大丈夫です。植込みの際に元肥として緩効性肥料を施しておくと、さらにスクスクと育ちきれいな花を咲かせるでしょう。
開花後に掘り上げる球根植物
チューリップ・アネモネ・ラナンキュラス・フリージアなど
葉が半分以上黄色くなって倒れたら球根の掘り上げをおこなうタイミング。晴天が続いた頃に掘り上げましょう。球根を傷つけないように、スコップでていねいに掘り起こします。
球根を洗って土を落とし、新聞紙の上に置いて風通しのよい日陰で1週間ほど乾燥させましょう。球根が乾いたら古い根を取り除きます。通気性のあるネットや紙袋に入れて、翌年の秋まで日の当たらない涼しい場所で保管してください。
掘り上げなくてもよい球根植物
スイセン・ムスカリ・クロッカス・ヒアシンス・ハナニラなど
植え込んだあとそのまま放っておいても大丈夫で、毎年春になると花を咲かせる品種もあります。比較的暑さに強い品種で、夏の高温や蒸れにもよく耐えます。何年も繰り返して咲き続ける品種もあれば、数年すると開花しなくなる品種もあります。開花の様子を観察して、掘り上げるかどうか判断しましょう。
花や葉がなくなってしまうとポッカリとスペースが空いてしまうので、球根の植え付けと同時に多年草を一緒に植え込むのもおすすめです。多年草は植え替えなくても毎年花を咲かせる植物で、球根植物が咲かない時期をきれいな花でカバーしてくれるでしょう。
水栽培でも育てられる球根植物
ヒアシンス・クロッカス・チューリップ・ムスカリ・スイセンなど
球根植物の中には土がなくても水だけで生育する品種もあります。土を使わないので衛生的で見た目もオシャレ。室内に置いてグリーンアイテムとしても利用できます。透明容器に入れると根が伸びて行く様子も観察できて、日々成長する姿を楽しめるでしょう。
水の量は球根の下が数ミリ程度浸かるくらいが目安。多すぎると球根が腐る原因になってしまいます。発根してきたら少しずつ水の量を減らして、根先が3分1ほど浸かるくらいにします。
水の中は雑菌が繁殖しやすいので、2〜3日に1回は交換してください。カビが気になるようであれば、根腐れ防止剤を入れましょう。置き場所はレース越しの光が当たる窓際がおすすめです。
まとめ
植えた直後は特に変化は見られませんが、時期が来ると土の中からヒョッコリ芽を出しかわいい花を咲かせる球根植物。植えてから花が咲くまでの間、ワクワクしながら待つ楽しさが味わえます。
秋の間にお気に入りの球根を庭に植えて、ゆっくりと春の訪れを待ちましょう。
