在宅ワークが増える中で、「おうち時間を大切にする」という考え方が浸透してきた昨今。部屋にお花を飾って癒やしの空間にしてみませんか。
ネットで注文すれば毎月さまざまな花が届く、お花のサブスクも注目を集めています。今回はきれいな花をできるだけ長い間咲かせる方法や、長持ちする切り花をご紹介しましょう。
切り花が長持ちしない理由
導管に空気が入った
植物は「導管」と呼ばれる管から水分を補給します。花を花瓶に合わせて切る際、どうしても導管に空気が入り込みやすくなります。導管に空気が入ると気泡ができ、水を吸い上げられません。
細菌が発生した
花瓶の水にはバクテリアなどの細菌が発生します。雑菌がどんどん繁殖すると、茎の中に侵入して導管を詰まらせてしまいます。そうなると茎が傷んで腐敗し、さらに雑菌が増えるという悪循環を引き起こすのです。
強い光や乾燥した風が当たった
植物は明るい場所が大好き。ただ、室内でも常に直射日光が当たり気温が上昇する場所では花も弱ります。また扇風機やエアコンなど人工的な風に当たり続けると、葉や花がカラカラに乾いてしまいます。
花を長持ちさせる方法
切り口を斜めにする
花を切るときは切り口を傷めないように、よく切れるハサミを使うのがおすすめです。切り口を斜めにカットしておくと、水に接する部分が広くなり吸水しやすくなります。葉を少なめにしておくと、水分の蒸発を抑えるのに効果的です。
水揚げする
茎を水に沈めて水中で切る方法を「水揚げ」といいます。水の中で茎を切ることで導管に空気が入り込まず、切り口の乾燥も防げます。
水をこまめに替える
水を変えずに花を生けていると水中に雑菌が発生しやすくなります。花瓶の水はこまめに変えて、新鮮な状態にすると花が長持ちします。水を入れ替える際は、花瓶の内側に付いているぬめりもきれいに洗い流しましょう。漂白剤を数滴入れるのも、バクテリアの抑制に効果があります。
明るく涼しい場所に飾る
置き場所は明るく風通しのよいところを選びましょう。直射日光が当たったり、逆にまったく光が当たらなかったりするような場所では花が弱ってしまいます。エアコンの乾燥した風もできるだけ避けましょう。
水の量は多めに入れる
花瓶の水は縁近くまでたっぷり入れましょう。水の量が増えることで水圧が上がり、花が水を吸い上げやすくなります。ただし茎がやわらかい植物は水の中で腐りやすいので、水は浅めのほうがよいでしょう。
延命剤を使う
市販されている延命剤を使うという方法もあります。水の腐敗を防ぐ効果があるものや、栄養素を含んで花に活力を与えるものなどさまざまです。目的に合わせて使い分けてください。
切り花がしおれたときの対処法
茎を切り戻す
茎が水に浸かったままの状態が長く続くと、茎が腐り吸水力が低下します。花や葉がしんなりしてきたら、茎をさらに短く切り戻すと元気を取り戻します。その際は必ず水揚げして、切り口を斜めにしておきましょう。
湯あげをする
茎の長さを変えたくないときは、「湯あげ」という方法があります。湯上げは80度以上の熱い湯に約30秒浸けて、導管の中に入っている空気を押し出す方法。しばらくすると茎から空気の泡が出てきます。泡を確認したらすぐに水に入れて冷やしましょう。
花全体を水に浸ける
切り戻しや湯あげでも元気にならない場合は、思い切って花ごと水に浸けるというやり方もあります。ただし水に濡れると花が傷むかもしれないのでやや荒療法。最後の手段と考えておくとよいでしょう。
切り花におすすめの花
ヒマワリ
夏の切り花におすすめのヒマワリ。太陽のような明るさと華やかさで、見ているだけで元気になれます。大きな葉は水分を蒸発させやすいので、花瓶に生けるときは葉をすべて取り除いておくのがおすすめです。
バラ
バラは優雅な花姿と香りのよさで「花の女王」と呼ばれています。一輪咲きから房咲きまでさまざまなタイプがあり、花色も豊富です。ドライフラワーとしても楽しめます。
ガーベラ
カラフルな花が咲き開き、明るさが魅力のガーベラ。切り花として人気がある花です。茎が腐りやすいので水はこまめに替えてあげましょう。
ユリ
ユリは一輪だけでも部屋に爽やかな甘い香りが漂い、豪華な雰囲気があります。雄しべの先を取って生ければ、受粉しなくなるので花が長持ちします。
アジサイ
花の色合いが微妙に変化するアジサイ。水をたくさん吸収するので、水切れに気をつければ長い間花を楽しめます。茎の中に詰まっている白い綿のようなものは取り除いておきましょう。
まとめ
切り花をできるだけ長い間楽しむためには、長持ちしやすい花を選ぶことと、毎日のケアがポイントです。少し手間をかけてあげると、花はいつまでもイキイキと咲き続けます。お気に入りの花を花瓶に生けて、部屋を明るく華やかに飾りましょう。