緑黄力野菜の代表ともいえるニンジンは、栄養価が高いだけでなく食卓に彩りを添えてくれる万能野菜です。狭い場所でも育てられるのでプランター栽培におすすめ。さまざまな料理に活躍するニンジンについて、育て方のコツをご紹介しましょう。
ニンジンについて
和食、洋食、中華とあらゆる料理に利用されるニンジンは、キッチンに欠かせない野菜のひとつ。オレンジや赤の鮮やかな色合いで食卓をにぎわせてくれます。
広いスペースを必要としないので、プランターでも栽培可能です。また近年では品種改良されて普通のニンジンより小ぶりなミニニンジンや、黄色や紫色などのカラフルな品種も出回るようになりました。
これらは市販ではなかなか手に入れにくいのですが、種をまいて育てる家庭菜園なら簡単に栽培して収穫できるのもうれしいところ。ニンジン嫌いのお子さんも自分で育てると食べてくれるかもしれませんね。
βカロテンを豊富に含み栄養価がとても高いニンジンは、葉にも多くの栄養が含まれています。プランターから収穫したニンジンはぜひ葉も調理していただきましょう。
ニンジンの植え付け
種まきの時期
ニンジンの種まきに適した時期は年2回あります。春まきは3月中旬〜4月中旬、夏まきは7月〜8月上旬です。
種のまき方
プランターの土は種をまく前にあらかじめ水で湿らせておきましょう。65cmのプランターに深さ1cmほどのまき溝を2列掘ります。ニンジンの種はとても小さいので、重ならないように注意しながら1〜2cm間隔で筋まきします。あとは上から薄く土をかぶせて、霧吹きなどで土を湿らせましょう。
栽培場所
ニンジンは日光を好み光を受けることで発芽率が上がるので、プランターは日当たりのよい場所に置いてください。種は一週間ほどすると発芽します。また栽培に適した気温は15~25℃と比較的涼しい環境を好みます。風通しがよく強い直射日光があたらないところで育てましょう。
ニンジンの日頃のお手入れ
水やり
土が乾くと発芽しにくくなるので、芽が出るまでは水を切らさないことが大切です。種か細かく水やりで流れてしまうことがあるので、水やりは優しく慎重に行いましょう。発芽後も土が乾燥していたらたっぷり与えてください。
間引き
ニンジンは収穫までに間引きを2回行います。1回目は本葉が2〜3枚になった頃、株間が3cm間隔になるように、2回目は本葉が4~5枚になった頃、株間が10cm程度になるように間引きましょう。
土寄せ
ニンジンが生育すると地上に根元が現れてきます。そのままにしておくと日焼けして黒っぽく変色してしまうので、株元に土寄せして根元が露出しないように管理しましょう。
肥料
2回目に間引きする際に追肥として化成肥料を施します。追肥はこの1回だけで、あとは特に追肥の必要はありません。
ニンジンの病害虫
病気
高温多湿になる夏に黒葉枯病や黒斑病が発生しやすくなります。また、うどんこ病、モザイク病などにもかかりやすいので、病気にかかった葉を発見したら早めに取り除きましょう。
害虫
ニンジンにはキアゲハの幼虫やイモムシ害虫が発生しやすく、そのままにしておくといつの間にか葉を全て食べられてしまうことがあります。アゲハチョウが近くを飛んでいたら産卵している場合があるので、ときどき葉の裏を観察しましょう。
ニンジンの収穫
ニンジンは種まきしてから3~4ヵ月で収穫できます。春まきは7月~8月、夏まきは11月~2月が収穫時期です。土の上に出ているニンジンの直径が4~5cm、ミニニンジンなら1~2cm程度になったら収穫のタイミング。株元を持ってまっすぐ上に引き抜きましょう。ニンジンは根にはもちろん、葉にも根の数倍の栄養があるとされています。せっかく収穫した葉は捨てずに、サラダや和え物などでおいしくいただきましょう。
まとめ
多くの栄養を含み、主菜としても副菜としても活躍するニンジン。プランター栽培に向いており、発芽が成功すればあとは順調に育ってくれる野菜です。自分で育てた新鮮なニンジンは、甘みや香りが強くとてもおいしく感じるでしょう。また市販では手に入れにくいニンジンの葉も栄養価が高く清涼感のある香味野菜として重宝します。育て方も簡単なので、ぜひプランターでニンジンを栽培してみませんか。