カレーやシチュー、コロッケ、肉じゃがなど、子どもも大人も大好きな料理で活躍するじゃがいも。常備しておくといざというときにとても重宝する野菜です。スーパーで気軽に買えるジャガイモですが、プランターでも簡単に栽培できます。今回はジャガイモの育て方や管理の方法についてご紹介しましょう。
じゃがいもについて
じゃがいもはナス科ナス属の多年草で、原産地は南アメリカのアンデス山脈です。男爵・メークイン・キタアカリ・アンデスレッドなど品種も豊富で、煮物・揚げ物・炒め物など料理に合わせてじゃがいもの品種選びもできます。
育て方もとても簡単で家庭菜園の初心者にもおすすめ。広い畑がなくてもベランダのプランターで栽培して、植え付け後約3ヵ月で収穫できます。
デンプン、カリウム、ビタミンC、ビタミンB1、食物繊維など栄養満点で、特にビタミンCは主成分であるデンプンに守られて、加熱しても栄養素が破壊されません。
6月頃には白や薄紫の花が咲くので、芋の収穫だけでなく花の美しさも楽しめます。
じゃがいもの植え付け
植え付け時期
じゃがいもの植え付けは春植えと秋植えの年2回。初心者の場合は2月～3月の春植えの方がおすすめです。じゃがいもの収穫は植え付けてから約3ヵ月後なので、梅雨前に収穫できるように、おそくとも3月までには植え付けておきましょう。
種イモの選び方
じゃがいもは種からではなく種イモと呼ばれる植え付け用のイモから育てます。種イモはホームセンターや園芸店で購入できます。12月下旬～4月中旬にかけて出回りますが、早い時期に買うと植えつけ前に腐ってしまうこともあるので、できれば植える直前に買いましょう。大きな種イモは40～60gに小分けし、風通しが良い場所で切り口を数日乾かして植えます。
植え付け方法
じゃがいもを植えるプランターは、深さが少なくとも30cm以上のものを選びましょう。または麻袋や不燃布に土を入れて植えることもできます。種イモの芽が出ている部分を上にして30cm間隔で置き、5cmほど土を掛けます。
栽培場所
日当たりの良い場所を好むので、太陽の日差しが当たる明るい場所で育てましょう。日当たりが悪いと生育不良になり、収穫量が減ってしまいます。
じゃがいもの日頃のお手入れ
水やり
ジャガイモは過湿を嫌い、常に土が湿っていると種イモが傷んでしまうことがあります。乾燥ぎみに管理することを心がけて、土が乾いてきたら水を与えましょう。
芽かき
種イモからはいくつもの芽が出ます。そのままにしておくと多くの茎が出て、地中にできるじゃがいもの数は増えますが大きくなりません。そこで芽が5cmくらいになったら芽かきという作業をします。元気な芽を2～3本だけ残して、あとは引き抜きましょう。その際、種イモまで抜かないように、根元を押さえて芽だけ引き抜くのがポイントです。
土寄せ
じゃがいもは光に当たると緑色になることがあり、「ソラニン」という毒性の物質を作ります。ソラニンができたじゃがいもは食べられなくなってしまうので、根元に土をかぶせてじゃがいもに光を当てないようにしましょう。
肥料
最初の植え付け時に元肥として化成肥料を施します。初心者はじゃがいも専用の肥料を使うと簡単です。追肥は芽かきをした直後と背丈が30cm程度になった頃に行います。
じゃがいもの病害虫
病気
じゃがいもがかかりやすい病気は、そうか病と疫病です。そうか病は芋の表面にかさぶたのような病斑が出ます。疫病は葉に黒い油がにじんだようになり、葉の裏には白いカビが生える病気です。連作を避けて土壌を弱酸性にすると予防できます。
害虫
じゃがいもによく発生する害虫はニジュウヤホシテントウです。オレンジ色で黒い点がたくさんあるテントウムシなので、見つけ次第取り除きましょう。このほかにヨトウムシ、アブラムシなどもつくことがあります。
じゃがいもの収穫
植え付けてから約3ヵ月経つといよいよ収穫です。茎や葉が枯れ始めてきたら、そろそろ収穫期が近づいてきたという合図。晴れた日が2～3日続き、土が乾いている状態が収穫に最適です。じゃがいもの皮を傷つけないように、そっと周りの土を掘り優しく引き抜きましょう。
500円玉より小さいイモはソラニンなどの有毒物質を含むので処分します。掘ったじゃがいもは2～3時間直射日光のあたらない風通しの良いところで広げて乾燥させましょう。
まとめ
家庭菜園でじゃがいもを育てると、料理の一品になって便利なだけでなく、家族で一緒に芋ほりができる楽しみもあります。自分で育てた新鮮なじゃがいもは、水分たっぷりでホクホクとおいしいですよ。プランターでも簡単に栽培できるので、ぜひじゃがいもをベランダで育ててみましょう。
