春の七草として知られるカブは、大きさや形、色でさまざまな品種があり、根も葉も食べられて煮たり炒めたりしていろいろな料理に使える野菜です。そんな中でもサイズが小さい小カブは場所を取らずに栽培できるので、プランターで簡単に育てることができます。今回は小カブの育て方について詳しくご紹介しましょう。
小カブについて
カブを大きさで分類すると、直径15㎝以上の大カブ、直径13㎝ほどの中カブ、直径5~6㎝の小カブに分けられます。中でも特に育てやすいのが小カブで、種まきから約1ヶ月半ほどで収穫できるので初心者におすすめです。
カブの原産地は地中海地方で、そこから世界各地に広がって今では多くの品種が育てられています。丸い形だけでなく細長い楕円形のものもあり、色も白・黄・淡緑・紫・赤とカラフルなので、料理の彩りとしても使えます。
根にはビタミンCやカリウムなどが含まれており、葉にはカロテンやビタミン類、カルシウムなどが豊富です。
小カブの種まき
栽培場所
小カブの生育適温は20〜25℃前後で、適度な日当たりと風通しの良い場所を好みます。日当たりが悪いと十分に根が育たないので、時間によって日の当たる場所が変わるようであれば、適宜場所を移動すると良いでしょう。
種まきの時期
小カブは苗を買うより種まきで育てた方がたくさん収穫することができます。種は春まき、秋まきの両方が可能ですが、涼しい気候を好むので9月~10月の秋まきの方が育てやすいです。また寒い季節には病害虫も少なくなるので、質の良いものが収穫できます。
種のまき方
プランターに土を入れ、棒などで深さ約1cmの溝を2列作ります。その溝に1cm間隔で種をまいたら、上から軽く土をかぶせてください。その後鉢底から水がしみ出るまで、種が動かないように優しく水やりをしましょう。
間引き
小カブは収穫までに3回間引きをします。1回目は双葉が出たら約3cm間隔になるように、2回目は本葉が2~3枚になったら約6cm間隔に、3回目は本葉が5~6枚になったら約10cm間隔になるように間引きます。もちろんこの間引き菜も食べられるので、捨てずに料理に利用しましょう。
小カブの日頃のお手入れ
水やり
土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えてください。土の中の水分がなくなってカラカラになってから水やりすると、急激に水を吸収して根が割れやすくなります。また過湿にすると病気を誘因してしまうので、極端な乾燥状態や過湿状態は避けましょう。
肥料
2回目の間引きのときに、追肥として1株あたり5gほどの化成肥料を施します。指先で土と肥料をほぐすように混ぜ、株元に軽く土寄せします。小カブは地中ではなく地上に丸い根ができるので、この土寄せが大切な作業です。同様に3回目の間引きのときにも追肥を行いますが、土寄せするときに葉の生え際に土が入らないように気をつけてください。
小カブの病害虫
病気
間引きしないで風通しが悪くなると、白さび病やべと病が出やすいので注意します。また、根こぶ病は湿気の多い土壌で発生し、高温ではさらに被害が出やすくなります。病気になった株はすぐに引き抜き、土壌に菌が残っていることもあるので、次に植え付けするときは新しい土に入れ替えて連作を避けましょう。
害虫
アオムシ、ヨトウムシ、コナガ、アブラムシなどがよく発生する害虫です。また根部はナメクジに食われることもあります。見つけ次第取り除き、予防のためにも目の細かい防虫ネットを掛けておくと安心です。
小カブの収穫
小カブは種まきから40~50日で収穫でき、土の上に直径5cmほどのふっくらとした丸い根が見えてきたら収穫のタイミングです。収穫が遅れると裂根するので注意してください。優しく手で引き抜いて収穫し、栄養価が高い葉もおいしいので、捨てずに利用しましょう。
まとめ
生でサラダにするとシャキシャキとした歯ごたえが楽しめ、煮るととろけるような食感がある小カブは、和食・洋食・中華とさまざまな料理に使える便利な野菜です。プランターでたくさん育ててお漬物にするのもいいですね。初心者でも簡単に育てられて広い場所がなくてもたくさん収穫できる小カブを、ぜひプランターで育ててみてください。