住宅は人生で最も高価な買い物とよく言われます。
数千万円規模の高額な住宅の購入。多くの人が住宅ローンを利用して購入していますが、実際にどの程度の人が住宅ローンを借りているのでしょうか?
住宅の種類別にご紹介していきます。
住宅ローンを借りている割合
国土交通省の「令和元年度 住宅市場動向調査報告書」という資料によると、住宅の種類別で住宅ローンを利用している人の割合は次のようになっています。
住宅の種類 | 住宅ローン借入有り | 住宅ローン借入なし | 無回答 |
注文住宅 | 76.00% | 13.90% | 10.10% |
注文住宅(新築) | 78.60% | 11.40% | 10.10% |
注文住宅(建て替え) | 59.10% | 30.10% | 10.80% |
分譲戸建住宅 | 69.30% | 12.20% | 18.50% |
分譲マンション | 61.70% | 20.40% | 17.80% |
中古戸建住宅 | 48.40% | 26.10% | 25.40% |
中古マンション | 49.40% | 27.70% | 22.90% |
高額な住宅はローン利用者も多い
無回答の割合が多いものの、高額な新築注文住宅では実に8割近くの人が住宅ローンを利用していることが分かります。
また、注文住宅と同じくらい高額になる分譲マンションでも住宅ローン利用者は約7割と、多くの人が住宅ローンを利用していることが分かります。
物件の金額が高額になると、実際には多くの人がローンを頼って購入しているのが実情のようです。
建て替えはローン利用者が少ない
逆に建て替えの注文住宅では住宅ローンを利用していないという人の割合が最も多くなっています。
高齢になって退職金で建て替える人や、親と同居のために親の資金で建て替える人などが多いことから、建て替えは最も住宅ローン利用者が少ないものと考えられます。
中古住宅の住宅ローン利用者は50%以下
中古マンション、中古戸建住宅を購入した人のうちローンを利用していると回答したのは50%以下と最も低くなっています。
中古住宅というと「お金がない人が購入するもの」という先入観がありますが、実際にはローンを利用せずキャッシュで購入している人が多くなっています。
「ローンは嫌だから手元の資金で購入できる中古住宅にしておこう」という心理のもとに中古住宅を購入しているのでしょう。
無理なくマイホームを購入する受け皿として中古じゅうたくは機能していることが分かります。
購入資金の割合はどのくらい?
「令和元年度 住宅市場動向調査報告書」では住宅購入者の原資についても住宅の種別ごとに公表しています。
一次取得者の購入資金の割合
一次取得者とは初めて住宅を購入した人です。
一次取得者の購入資金の内訳は種別ごとに次のようになっています。
住宅の種類 | 総額の平均 | 住宅ローン | 自己資金 |
注文住宅 | 4,294万円 | 3,467万円 | 826万円 |
分譲戸建住宅 | 3,644万円 | 2,843万円 | 801万円 |
分譲マンション | 4,180万円 | 2,864万円 | 1,317万円 |
中古戸建住宅 | 2,324万円 | 1,495万円 | 829万円 |
中古マンション | 2,552万円 | 1,661万円 | 891万円 |
自己資金は住宅の種類に関わらず800万円程度が平均ですが、分譲マンションを購入する人だけが1,300万円以上と突出しています。
そのため、分譲マンションと同じくらい高額の注文住宅購入者が最も住宅ローン借入額が多くなっています。
中古住宅を購入する人も注文住宅を購入する人と同じ程度の自己資金を用意していることから、この点でも中古じゅうたくは「お金がない人が購入するもの」ではなく、「ローンの負担を抑えたい人が購入するもの」だと言えるでしょう。
住宅を購入する動機は?
「令和元年度 住宅市場動向調査報告書」では、「住宅取得時に経済的要因が与えた影響度」という調査も行っています。
要するに、住宅取得に影響して経済的な要因は何かというものですが、令和元年の順番は次のようになっています。
- 金利動向
- 従前住宅の売却価格
- 住宅取得時の税制等の行政施策
- 地価/住宅の価格相場
- 家計収入の見通し
- 景気の先行き感
多くの人は金利動向を見て「今住宅を購入すべきかどうか」ということを判断していることが分かります。
返済には非常に重要な、家計収入の見通しはあまり気にしていないようです。
多くの人が「金利の低い時に住宅ローンを借りたい」と判断し、低金利時代の今のうちに住宅ローンを組むケースが多くなっていることが分かります。