住宅の購入を検討していると「この物件は〇〇銀行との提携ローンがあります」などと勧誘を受けたことがある人もいるのではないでしょうか?
不動産の中には提携ローンというものを用意し、他の物件を購入するよりもお得に住宅ローンを借りることができる特典があるものがあります。
提携ローンは金利面で他の住宅ローンよりもお得になることはありますが、デメリットもあるので注意が必要です。
提携ローンのメリット・デメリットについてご説明していきます。
提携ローンとは
提携ローンとは、不動産会社と金融機関がコラボして提供している住宅ローンです。
提携ローンを用意することによって不動産会社と金融機関双方が Win-Winとなるので特定の分譲地やマンションを購入する際には提携ローンが用意されることが多くなっています。
まずは提携ローンの概要について解説していきます。
不動産会社と金融機関が提携している住宅ローン
提携ローンは不動産会社と金融機関が提携している住宅ローンです。
通常の住宅ローンよりも金利が低く設定されています。
不動産会社とすれば、「この不動産を購入すると割安金利で住宅ローンを借りることができる」という付加価値を顧客に提供することができるので、不動産を販売しやすいというのがメリットです。
金融機関にとっても、少々金利を下げても、その土地やマンションの購入資金を自社が独占で融資できる可能性が高いのでメリットがあります。
特定の住宅購入だけに利用できる
提携ローンは特定の分譲地や特定のマンションの分譲などの際だけに利用できる商品です。
そのため、提携ローンを利用するには顧客は不動産を選ぶことができません。
利用者が欲しい物件について提携ローンの優遇金利を受けることができるわけではないという点に注意しましょう。
提携ローンのメリット
提携ローンは利用者とって様々なメリットがあります。
- 優遇金利で借りられる
- 住宅の審査が終わっているので審査が早い
- 手続きが簡単
金利面だけでなく、早く簡単に借りることができるのは最大のメリットでしょう。
提携ローンの3つのメリットについて詳しく解説していきます。
優遇金利で借りられる
提携ローンは金融機関の通常の優遇金利よりもさらに優遇された金利で借りることができます。
物件や金融機関によって異なるものの、0.1%〜0.3%程度の金利優遇を受けることができるのが一般的です。
提携ローン対象の物件を購入するだけで金利優遇を受けることができるのは大きなメリットだと言えます。
住宅の審査が終わっているので審査が早い
提携ローンは住宅や土地の審査がすでに終わっています。
特定の土地やマンションを購入するローンですので、審査の際に物件を精査する手間がかかりません。
住宅ローン審査では、購入する土地や建物について法的な基準を満たしているかなどの詳細な審査や担保評価を行わなければならず、この審査に時間がかかってしまいます。
しかし、提携ローンであればこのような時間がかからないので、時間のかかる住宅ローン審査をスムーズに終えることができます。
手続きが簡単
提携ローンで住宅ローンの手続きを金融機関と行ってくれるのは不動産会社の担当者です。
ローン利用者が契約時くらいしか金融機関に行く必要がありません。
住宅ローンというと、何度も金融機関へ書類を持参して手続きをしなければならないことが多いですが、提携ローンであれば、ローンのやりとりや不動産会社と金融機関で行ってくれるので手続きが非常に簡単です。
提携ローンのデメリット
低金利で簡単に素早く借りることができる提携ローンですが、次の3点だけは注意点としてしっかりと理解しておきましょう。
- 金融機関を選ぶことができない
- 手数料がかかることも
- ネット銀行などの方が金利が低いこともある
提携ローンの3つのデメリットについて詳しく解説していきます。
金融機関を選ぶことができない
提携ローンは不動産会社が金融機関と提携して提供するローンですので、金融機関を選ぶことはできません。
当該不動産会社が提携している金融機関から住宅ローンを借りるしかありません。
「今メインで使っている銀行から住宅ローンを借りたい」と考えている人でも、提携ローンでは金融機関を選ぶことができないので、希望の金融機関で住宅ローンを借りることができないというのは不便です。
手数料がかかることがある
提携ローンでは住宅ローンの手続きを不動産会社の担当者が代行します。
そのため、稀に住宅ローンの手続き代行手数料がかかってしまうことがあります。
ネット銀行などの非提携ローンの方が金利が低いことも
提携ローンは、その金融機関の中では優遇された金利で借りることができます。
しかし、全ての金融機関と比較して提携ローンの金利が低いのかと言えば、必ずしもそうではありません。
多くの場合、ネット銀行の住宅ローン金利の方が低くなっていることが多いので「金利が低い」と考えて提携ローンに飛びついても、実際にはネット銀行よりも高くなってしまうという可能性もあります。
提携ローンを借りる前には幅広い目線で他の金融機関の住宅ローンとも比較を行うべきでしょう。