ビールのおつまみに欠かせない枝豆はプランターで栽培することができます。栄養価が高い枝豆はおつまみだけでなく料理にも使えて、家庭菜園でも人気がある夏野菜です。今回は枝豆の栽培方法や管理のコツをご紹介します。
枝豆ついて
枝豆は大豆を成熟させる前の、青い未熟な実を収穫したもので、7月~9月が旬です。中国が原産で、20~30℃の高温を好み、昼と夜の温度差が大きいほど味が良くなる性質があります。
品種
枝豆の品種は400種類以上ともいわれ、日本では一般的な「白毛豆」のほかに、さやの中の薄皮が茶色の「茶豆」や外側の産毛が茶色い「だだちゃ豆」が代表的な品種です。この茶豆とだだちゃ豆は白毛豆より糖度が高く、味が濃厚なことでよく知られています。
栄養
枝豆は疲労回復に効果的なビタミンB1やB2、美肌や風邪予防に効くビタミンCなどのビタミン類が豊富です。また、むくみ予防になるカリウム、貧血予防に効く鉄分も多く含まれています。
枝豆の植え付け
植え付け時期
種から育てる方法と苗から育てる方法がありますが、豆類は移植を嫌い植え付けがうまくいかないと枯れてしまうので、初心者は種から始めると安心です。枝豆の発芽適温は25℃~30℃と高めなので、種をまく時期は4月中旬~5月が適期です。
種のまき方
65cmのプランターに5~6ヵ所の穴を開けます。1つの穴に4粒の種をまき、種が隠れるまで土をかぶせると完了です。あとは発芽までたっぷりと水やりをしてください。豆は鳥の大好物なので、発芽前または発芽直後にスズメやムクドリなどに食べられてしまう恐れがあります。できれば発芽までは防虫ネットや不織布などでプランター全体を覆っておくと安心です。
発芽と間引き
種まきから1週間ほどすると発芽します。双葉の後に本葉が出てきたら、4株のうち成長の良い2株を残して間引きましょう。ほかの野菜と違って、枝豆はこのまま最後まで2株で育てるのがポイントです。2株を数ヵ所ひもで結んでおくと、互いに支柱代わりとなって倒れるのを防げるとともに、多くの実の収穫につながります。
枝豆の日頃のお手入れ
置き場所
枝豆は日光が大好きな野菜なので、種まきから収穫まで日当たりの良い場所に置いてください。また、多湿になると根腐れを起こすため、風通しの良い場所で育てましょう。
水やり
乾燥に弱いので、土の表面が乾いたらそのつど水やりしてください。開花して実が成るまでは、水が足りないと実付きが悪くなり大きく育ちません。そのためこの期間は特に水切れしないように気をつけましょう。
肥料
実をたくさん付けて味も良くするためには、定期的な追肥が必要です。花が咲き始めたら、1~2週間に1回液体肥料を与えましょう。
摘芯
本葉が6~8枚ほどになったら主枝の先端の芽を摘み取りましょう。上への成長を止めておくと、株が大きくなりすぎず倒れる心配もありません。また、枝豆は葉や枝の付け根に実ができるので、栄養分が脇枝に行き渡り、葉や枝の成長が促されて収穫量の増加が期待できます。
枝豆の病害虫
病気
枝豆に発生しやすい病気は、うどん粉病・灰色カビ病・ベト病などです。これらは多湿になってかびやウイルスが発生することが原因の病気です。適当に葉を落とすなどして通気性を良くしたり、水をやり過ぎないようにしたりして多湿にならないようにしましょう。
害虫
枝豆には、アブラムシ・ハダニ・カメムシなどが付きやすく、特にカメムシはさやに付いて吸汁し実の成長を妨げます。害虫に大切な実を食べられないように、見つけ次第駆除しましょう。
枝豆の収穫
枝豆の収穫時期は7月中旬~8月で、実がふっくらと膨らんだら収穫の合図です。食べごろの実だけをハサミで切り取っていくと長い期間収穫でき、全体が膨らんできた頃に株ごと引き抜くと大量を一気に食べることができます。枝豆は収穫直後から急速に甘味が低下するので、収穫したらすぐに食べるのがおすすめです。
まとめ
枝豆は夏の暑さで疲れたからだに優しい栄養素が多く含まれるため、夏バテ防止のためにも積極的に食べたい野菜です。育て方も簡単でプランターでもたくさんの収穫が期待できます。家庭菜園で育てた採りたての枝豆は、市販されているものとはひと味違う甘みと風味があります。ぜひ夏のビールのお供に、プランターで枝豆を栽培してみてください。