独特な苦味のあるゴーヤは栄養価が高く、初心者にも育てやすい夏野菜です。狭い場所でも栽培できるので、プランターでの家庭菜園に適しています。夏バテ防止の健康野菜として重宝され、またベランダのグリーンカーテンとしても活躍するゴーヤについて詳しく解説します。
ゴーヤについて
ゴーヤは熱帯アジアが原産地で、日本の産地としては沖縄が有名です。ゴーヤの正式和名は「ツルレイシ」ですが、沖縄で呼ばれている「ゴーヤ」が通称となっています。そのほかに九州では「レイシ」とも呼ばれ、独特な苦みがあることから、「苦瓜(にがうり)」という名前も付いています。
深い切れ込みが入った葉が一面に広がるツル性の植物で、ネットに這わせると立派なグリーンカーテンが出来上がります。またビタミンC・カリウム・カロチンを多く含んでいて栄養価が高く、加熱しても壊れにくいので炒めものや揚げ物にしてよく食べられています。このようにエコロジーにも役立ち食べてもおいしいゴーヤは、家庭菜園でもとても人気があります。
ゴーヤの植え付け
植え付け時期
ゴーヤの成育に適した気温は20~30℃なので、苗の植え付けは気温が安定する5月~6月に行います。
苗の選び方
植え付け時期になると園芸店やホームセンターで苗の販売が始まります。本葉が3~4枚付いていて双葉が残っているもの、できるだけ節間が詰まりしっかりしたものを選びましょう。
植え付け方法
65cmのプランターに2~3株を植え、グリーンカーテンにしたい場合はプランターを2つ用意して横に並べると良いでしょう。土を崩さないようにボットから丁寧に抜き出し、穴を開けた土に深植えにならないように植え付けます。
ゴーヤの日頃のお手入れ
水やり
ゴーヤは水を多く必要とする野菜で、特に実が成る時期に水分が不足すると実の成長が悪くなります。表面の土が乾いたら、鉢底から水が流れ出てくるまでたっぷりと水やりしましょう。特に夏場は水が不足しやすいので注意が必要です。
肥料
実を多くつけるためには肥料もたくさん必要になります。花が咲いたら2週間に1回、化成肥料を与えてください。水やりを兼ねて液体肥料を与えるのも効果的です。
支柱
苗の植え付け時には短い支柱を立てて苗か倒れないように支えます。その後ツルが伸びてきたら1.5~2mの長さで太めの支柱を立て、横にも細めの支柱を渡してマス目に組み立てましょう。その上からネットを掛けると強風などでも崩れにくく、たくさん伸びたつるが絡まりやすいので、しっかりと安定した緑のカーテンを作ることができます。
敵芯
実をたくさん収穫するためには敵芯が必要です。中心の太い親ヅルは本葉を5~6枚残して先端を摘み取ってください。その後、脇から伸びてきた子ヅルをネットや支柱に絡ませていくと、株が横に広がるように伸びて多くの実が成ります。
ゴーヤ○の病害虫
ゴーヤは病害虫に強い野菜なので、あまり病気にかからず無農薬で栽培することが可能です。虫の発生も他の野菜と比べると少ないですが、たまにアブラムシが発生することもあります。薬剤を使えば簡単ですが、無農薬で育てたい場合は見つけたときに早めに手で取り除くか、霧吹きで吹き飛ばすなどすれば良いでしょう。
ゴーヤの収穫
収穫時期は7月~9月で、1株から約10~15本の収穫が期待できます。開花から20日前後が収穫の適期なので、あまり大きくならないうちに切り取りましょう。緑色の実はゴーヤとしては未熟な状態で、完熟すると黄色になります。黄色の実を割ると真っ赤な種が出てきて、一瞬腐っているのかと思ってしまいますが、この完熟した実は苦みが和らいで甘く、そのまま生でスイーツ代わりに食べることもできます。
まとめ
ゴーヤは病害虫にも強く、敵芯の誘引のコツさえ覚えればとても育てやすい夏野菜です。たくさん収穫していろいろな料理に使う楽しみだけでなく、環境に優しいグリーンカーテンとして有効に活用することもできます。栄養価が高く夏バテにも効果があるゴーヤをプランターで育てながら、涼しい夏の窓辺でエコロジーライフをお楽しみください!