ひと昔前の日本の住宅と言えば、木造建築で、畳や障子、襖などを用い、木製の家具が多く使用され、人目で見ただけで、日本の住宅だと分かるものが多かったでしょう。
近年は、世界の情報が簡単に手に入り、インテリアや家具も流通され、自分たちの好みに合わせて、物を選べる時代になっています。
どんなインテリアや空間も手に入る時代ですが、たくさんの組み合わせができるようになったおかげで、インテリアテイストの種類も昔に比べ、細分化されてきています。
インテリアテイストの種類は、国や地域、その土地の時代背景などが大きく関係してくるので、簡単に表すことことが難しいでしょう。
「近代的」な意味合いを持つ、「モダンテイスト」ひとつを挙げてみても、「シンプルモダン」「北欧モダン」「フレンチモダン」「和モダン」など、国や地域が異なるだけで随分イメージが変わるでしょう。
それを踏まえた上で、最近、人気のある「スカンジナビアスタイル」ってどんなスタイルなのかを考えてみましょう。
スカンジナビアスタイルと北欧スタイルとは
スカンジナビアは、スウェーデン、ノルウェー、デンマークの3ヶ国のことを指し、人々の暮らしを元に始まったスタイルをスカンジナビアスタイルと言います。
そして、北欧とは北ヨーロッパ地方にある、スウェーデン、ノルウェー、デンマーク、フィンランド、アイスランドの5ヶ国のことを指します。
その地域の暮らしを元に始まったスタイルを北欧スタイルと言いますので、基本的には「スカンジナビアスタイル」と「北欧スタイル」は同じ意味合いで使われています。
しかし、日本で「スカンジナビアスタイル」と聞いた時に、「北欧スタイル」と全く同じイメージを持つかと言われれば、そうではありません。
シンプルでナチュラルな雰囲気を持ち、白や淡い色味を基調とするという基本の概念はもちろん同じでしょう。
そこに、「北欧スタイル」は木やナチュラルなイメージが強く、「スカンジナビアスタイル」は、床や壁、家具など面積の大きな部分を白ベースにすることで、白い大きなキャンパスの中に色味や柄のあるインテリアやファブリックでアクセントを付けるというイメージを勝手に持っているのではないでしょうか。
少しイメージが違うという認識があるかもしれませんが、実際には同じ意味のテイストであることは間違いないでしょう。
どちらも派手さはないけれども現代的であり、天然素材を用いることで、どこか懐かしく、日本人にとって受け入れやすく、日本の住宅に合わせやすいため、人気のあるスタイルということです。
スカンジナビアスタイルの魅力
スカンジナビアスタイルは世界的に愛されているスタイルのひとつで、シンプルかつ清潔感がある優しい空間になります。
淡いアースカラーや、シンプルな装飾、自然をモチーフにしたデザインや色彩を基本とし、アクセントとして色鮮やかなイラストを取り入れることもあります。
また、森が豊かな国が多く、木素材の家具を使用することが多く、落ち着きと温もりのある空間になるでしょう。
家具においても、機能性を重視した控えめなデザインが多く、装飾を最小限にすることで、部屋の中の無駄を省いた上質な美しい空間になります。
また、冬になると日照時間が3時間と短く、家の中で過ごす時間が長くなります。
そのため、使い勝手が良く、飽きのこないデザインが好まれる上、雪や曇天の影響で外の世界の色彩が乏しくなりますので、鮮やかな色味のファブリックなども多く見られるでしょう。
スカンジナビアスタイルを上手に演出
エントランス
機能性を保ちつつ、シンプルで飽きのこないデザインにしましょう。
また、日照時間が短いこともあり、エントランスから太陽の光が差し込むのは嬉しいでしょう。
ダイニング
白を基調とし、シンプルで機能的なダイニングは、ファブリックなどインテリアでアクセントを加えるよりも、北欧には有名なデザインの椅子が数多くありますので、自分好みのデザイナーズチェアを取り入れてみましょう。
家具職人や建築家が手掛けた個性的なデザインの椅子を取り入れるだけで、その空間の主役になり、淡い柔らかな部屋の良いアクセントになることでしょう。
リビング
スカンジナビアスタイルの特徴として、自然をモチーフとしたファブリックをアクセントに取り入れる以外に、シンプルなモノトーンでアクセントを取り入れるという特徴もあります。
モダンで優しい雰囲気を壊さないようなものを選んでみましょう。
寝室
白をベースにするスカンジナビアスタイルですが、寝室は白よりも少しトーンの暗い色を取り入れることで、落ち着きのある寝るための空間になるでしょう。
しかし、トーンを落とすだけでは、スカンジナビアスタイルの雰囲気とは変わってしまう可能性がありますので、明るい木目の家具やグリーン、自然をモチーフにしたファブリックなどを取り入れましょう。
子供部屋
明るい清潔感のあるスカンジナビアスタイルは子供部屋との相性がとても良く、ベビーベッドや収納家具など大きな家具も違和感なく、オシャレな空間に馴染むでしょう。
浴室
木材は湿気に弱いため注意は必要ですが、木製の収納や浴槽に木を取り入れることで、自然に包まれながら入るバスタイムをより楽しむことができるでしょう。
木材以外にも、床のタイルに自然を感じさせるような柄や色味を取り入れることで、視覚で空間を楽しむのも良いでしょう。
まとめ
シンプルなモダンテイストが好きな人もいれば、フレンチカントリーのような華やかで可愛いテイストが好きな人もいます。
スカンジナビアテイストも同様に、自分のためにこだわることで、とてもステキな特別な空間になることでしょう。