代表的な夏野菜のひとつであるキュウリ。採れたてがみずみずしくておいしいので、ぜひ家庭菜園で作りたい野菜です。ツルをどんどん伸ばして葉を茂らせるので、夏の日差しを遮るグリーンカーテンとしても利用できます。今回はキュウリをプランタで育てる方法やコツをご紹介します。
キュウリについて
キュウリはインド西北部のヒマラヤ山麓地帯が原産地で、日本では平安時代にすでに栽培されていたといわれています。漢字で書くと「黄瓜」で、キュウリが熟すと黄色くなることが由来です。かつてはこの黄色い熟した実を食べていましたが、あまりおいしくはなかったので、現在では熟す前の緑色の実を食べるようになりました。キュウリは95%が水分なので、暑い夏には水分補給の役割も果たす野菜として重宝されています。
キュウリの植え付け
植え付け時期
キュウリは気温が20℃ほどになる4月後半~5月にかけて植え付けに適しています。日当たりを好むので、プランターは太陽の光がよく当たる場所に置いてください。
苗の選び方
苗を買うときは、最初に出る双葉がまだ残っていて、本葉が3~4枚程度ある苗を選びましょう。生育し過ぎて間延びしている苗は避けて、茎が太くしっかりしていて節間が詰まったものがおすすめです。
植え付け方法
キュウリの根は浅く広い範囲に伸びて行くので、水分と養分を奪い合わないように株間はしっかり空けてください。65cmのプランターであれば2株にすると良いでしょう。植える前に土を十分に水で湿らせておいたり、ポットをあらかじめ水に浸してから植えたりすると、植え付け後の活着が良くなります
キュウリの仕立て方
キュウリはツルを巻いてどんどん上に伸びていくので、支柱は必ず立ててください。日差しを遮るグリーンカーテンにしたい場合は、プランターの両端と中央にしっかりとした支柱を立て、ネットを張るとうまく巻き付いてくれます。
キュウリの日頃のお手入れ
水やり
キュウリの成育には水分が必要なので、土の表面が乾いたらたっぷりと水やりをしてください。特に夏の時期は乾燥しやすいので気をつけましょう。気温の高い時間に水を与えると根や葉が傷むので、1日の内で気温が低い朝や夕方に水やりをします。葉がしんなりしたりつるを巻かなくなったりしたら水切れのサインなので、普段からよく観察することが大切です。
肥料
肥料は化成肥料や油かすを、植え付け2週間後から開始します。その後は2~3週間に1回程度与えてください。一度にたくさんの量を施すと、肥料焼けを起こしたり葉ばかり成長して実が成らなかったりするので、少しずつ与えた方が効果的です。
敵芯
元気な株に育てるためには敵芯が必要です。60cmになるまでは伸びてくるツルと花を全て取り除きます。その後、身長を超える高さになったら中心の親ヅルの先端をカットしましょう。あとは横からどんどん子ヅルが伸びて広がっていきます。
敵葉
成育すると茎や葉が混み合ってくるので、株の生育が悪くなり、葉に光が当たらず光合成をしにくくなります。傷んだ葉や不要な葉があれば摘み取りましょう。
キュウリの病害虫
病気
キュウリに発生しやすい病気には、つる割病、べと病、炭そ病、黒星病などがあります。放っておくと生育が止まったり、葉が変色したりするので、病気にかかった葉を見つけたら薬剤を散布するか、無農薬で育てたい場合は早めに葉を切り落としてください。
害虫
梅雨の季節から夏にかけて、ウリハムシ、アブラムシ、ハダニ、コナジラミなどの害虫が発生します。ときどき葉を裏返して害虫がいないか確認してください。また、摘葉をして風通しを良くすると虫の発生を抑えることができます。害虫は見つけ次第手で取り除くと、薬剤を使わずに済みます。
キュウリの収穫
キュウリの収穫時期は6月~8月で、1株の苗から40本ほど収穫することができます。花が咲いてから3〜4日で実が付き始めて、5日目を過ぎると急に成長が進み、2倍近くまでの大きさになってしまいます。大きくなった実を付けたままにしていると、養分が実に吸収されて株が弱ってしまいます。また大きなキュウリは歯ごたえが悪く味も落ちてしまうので、こまめに収穫するようにしましょう。
まとめ
キュウリは水やりと剪定のコツさえ押さえれば、初心者でも簡単に育てられる野菜です。サラダや漬物など生で食べる野菜なので、採れたてをすぐ食卓に並べられるのが嬉しいですね。植え付けてから実が収穫できるまでの期間がとても短く、黄色い花も十分観賞に値します。家庭菜園で育てたみずみずしいキュウリを、ぜひご自宅でお楽しみください。