注文住宅を建築する際にはお金を支払うタイミングが大きく分けて4つあります。
メーカーによって異なるものの、お金を支払うタイミングが次のようになります。
- 工事請負契約時の手付金
- 着工時に着工金
- 上棟式に中間金
- 建物完成時に残金
それぞれのタイミングでどの程度の代金を支払うのか詳しく見ていきましょう。
注文住宅の代金は分割して支払う
注文住宅の代金は一度に全額支払うのではなく、分割して支払うのが原則です。
万が一、工事代金全額を支払った後に、ハウスメーカーや建設会社が倒産してしまったら、工事代金を取り戻すのは非常に困難になります。
そこで、工事の進捗に応じて少しずつ代金を支払うことで、施工業者が倒産して代金を回収できないリスクを回避しています。
代金をどのタイミングでいくら支払っていくのかは施工業者との契約によって異なりますが、一般的には次のようになります。
- 工事請負契約時:工事代金の1割
- 着工時:工事代金の3割
- 上棟式:工事代金の3割
- 建物完成時:工事代金の3割
このように、進捗とともに少しずつ代金を支払っていくのが一般的です。
工事請負契約時に手付金を支払う
建築する住宅が決定し、業者との設計について打ち合わせが終了すると、ハウスメーカーや建築会社と工事請負契約を締結します。
工事請負契約とは、発注者、請負者、工事の内容、請負代金の金額、支払方法、工事着手の時期、工事完了の時期、完成引き渡しの時期など工事の詳細を発注者とハウスメーカーで契約するものです。
この工事請負契約締結時に手付金として工事代金の10%を支払うのが一般的です。
工事請負契約が完了したら、ハウスメーカーや建築会社は建築確認申請を行います。
建築確認申請とは、住宅を建築する場合建築主は建築主事又は指定確認検査機関に確認申請書を提出することです。
建築主事又は指定確認検査機関から建築確認を受けて、確認済証の交付を受けなければ住宅を建築することはできません。
なお、建築確認申請には申請手数料として3万円必要です。
着工時に工事着工金を支払う
工事請負契約が完了し、建築確認がおりたらいよいよ住宅の着工がスタートします。
着工の前には地鎮祭が行われることが一般的です。
ここで、工事着工金として、工事代金の30%程度を支払います。
なお、地鎮祭にかかる費用も工事着工金に含まれ、自己負担で支払います。
上棟時に中間金を支払う
木造建築では、住宅の骨組みができた後、住宅の一番高い位置に棟木という横架材を取り付けることを上棟とか、棟上げと言い、このタイミングで無事に建物が完成することを願って上棟式という式典を行います。
木造住宅でなくとも、住宅の骨組みができると上棟とみなして、上棟式を行うことが一般的です。
注文住宅建築の際には、この上棟のタイミングも代金支払の1つのタイミングになります。
一般的には工事代金の30%をこの上棟式のタイミングで支払います。
最近では上棟式を行わないことも多いですが、上棟式を行わなかったとしても代金の支払だけは建物の骨組みができた段階で行うのが一般的です。
なお、上棟時に支払う金額も工事代金の3割です。
建物完成後時に残金を支払う
建物が完成したら業者と施主で自宅を確認し、必要であれば補修工事などを行います。
ここで問題なければ工事代金の残金を支払い、すべての支払いが完了します。
住宅ローンを利用する場合
住宅ローンを利用する場合には、支払いのタイミングの都度、短期資金で融資を受けることが一般的です。
例えば次のように住宅の建築費用を支払う場合、融資はどのように行われるのか見ていきましょう。
- 工事請負契約時:300万円
- 着工時:900万円
- 上棟式:900万円
- 建物完成時:900万円
合計3,000万円を頭金なしのフルローンで借りる場合の融資の流れは以下のようになります。
- 工事請負契約時:300万円の短期資金①を融資して手付金支払い
- 着工時:900万円の短期資金②を融資して着工金を支払い
- 上棟式:900万円の短期資金③を融資して中間金を支払い
- 建物完成時:住宅ローン3,000万円を融資し、900万円、900万円の短期資金①②③を回収、残金の900万円で最終金の支払い
- 建物完成後に3,000万円の住宅ローンの返済開始
工事の進捗に応じて、一括返済の短期資金で手付金や着工金や中間金を融資し、建物完成後に住宅ローンを融資しすでに融資してあった短期資金を回収します。
そのため、建物完成まで住宅ローンの返済はありません。
代金をどのタイミングでいくら支払うのかは施工業者によって異なるので、必ず契約前に業者に支払いのタイミングと金額を確認しておきましょう。