ベランダ菜園で一番人気がある野菜はミニトマトです。初心者でも簡単に育てることができて、プランター栽培でも鈴なりに実が付きます。小さくて真っ赤な実が可愛いらしく、サラダに、お弁当に、料理の付け合わせに、と大いに活躍するミニトマトをベランダで育ててみましょう!
ミニトマトについて
ミニトマトはトマトを品種改良して作られた野菜で、プチトマトとも呼ばれています。1個200g前後のトマトと比べると1粒が10~30gと小ぶりで、味も濃厚で甘みが強いです。トマトのように包丁で切る必要がないため、手軽に食べられ、見た目も可愛いので人気があります。ミニトマトにはたくさんの品種があり、色も赤だけでなく黄色・オレンジ・緑・紫ととてもカラフルです。また、カロテン・ビタミンC・グルタミン酸などの栄養が豊富に含まれ、野菜の中でも抜きん出た栄養価の高さを誇ります。
ミニトマトの植え付け
植え付け時期
ミニトマトの植え付け時期は、昼間の気温が20~30℃くらいになる4月下旬〜5月中旬頃か適しています。4月上旬から苗か出回る場合もありますが、その頃は気温が急に下がったり遅霜があったりするので、気温が安定して植えた方が安心です。
苗の選び方
苗を買うときは、葉の緑が濃く厚みがあり、茎が太くて全体的に元気そうなものを選びましょう。また葉の裏表に虫がついていないかどうかよく確認してください。たまに蕾や花が咲かないまま生長する場合があるので、できるだけ蕾が付いている苗を選ぶと安心です。
植え付け方法
65cmの長方形のプランターの場合、ミニトマト2~3株が適量です。根鉢を崩さないように気を付けながら土に植え込み、苗を植えた後は軽く土を押さえて、しっかり水を与えましょう。実はミニトマトはいつも同じ方向に実ができます。蕾が付いてる苗が購入できた場合ば、蕾が向いている方を手前にして植え込むようにすると、後で収穫しやすくなります。
ミニトマトの摘芯
葉と茎の間から出てくる芽を「わき芽」といいます。このわき芽を放置すると、どんどん栄養が奪われてしまい、甘くておいしい実が収穫できません。わき芽は次々出てくるので、気づいたら手でつまむようにして優しく取り除きましょう。ただし、わき芽を取ったところから病原菌が入りやすくなるので、切り口が乾くように晴れた日に行うのがポイントです。
ミニトマトの日頃のお手入れ
日当たり
ミニトマトは日当たりや風通しの良いところを好みます。直射日光が当たるような場所でも育ち、日の当たり具合でトマトの赤さや味の濃さが決まるので、できるだけ日当たりの良い場所にプランターを置きましょう。
水やり
ミニトマトの苗が土にしっかり根付くまでしばらく時間がかかります。根が乾燥してしまわないように、植え付けから1週間は水やりを欠かさないようにしてください。その後は過湿にならないように、土が乾燥してからたっぷり水を与えましょう。ミニトマトは水を少なめにして育てるとよりいっそう甘みを増します。
肥料
肥料を与え過ぎると、葉ばかり茂ったり茎が伸び過ぎたりして、花や実が付かなくなります。肥料は実ができた頃からスタートして、その後は2週間おきに化成肥料などを適量追肥しましょう。肥料は根元ではなく、葉が広がった先よりも少し先の場所に施します。
支柱
ミニトマトが強風で倒れないように支柱で支えます。植え付けのときは短い支柱でもいいのですが、どんどん背丈が伸びて行くので、最終的には180cmほどの支柱が必要です。茎を傷めないように麻ひもなどでゆるく縛るようにしてください。
敵芯
背丈が伸びて手が届かないほどの高さになったら、最上部の茎をカットして敵芯しましょう。茎が上に伸びるための栄養が実にまわるので、大きくておいしい実が収穫できます。
ミニトマトの病害虫
病気
ミニトマトは、雨にぬれると実が割れてしまったり、病気になりやすかったりするので、梅雨のシーズンは軒下に移動すると安心です。また、水やりによる土の跳ね返りが病気を誘因することもあります。水やりの際は高い位置からではなく、根元に優しく与えましょう。
害虫
ミニトマトに発生しやすい害虫はアブラムシやタバコガです。アブラムシは新芽や柔らかい茎に、タバコガは実のまわりによく発生するので、発見したら素早く駆除しましょう。殺虫剤を使うと効果的ですが、食べ物なのでできるだけ薬剤は使いたくないという方は、ニームや木酢液などの有機物を薄めて散布すると害虫を防げます。
ミニトマトの収穫
実を甘くするコツ
ミニトマトは水分を控えぎみにして育てると、よりいっそう甘みが増します。土の表面が乾くまで水やりを控えて、株が多少しんなりしてきたらたっぷりと水やりをしてください。また、日当たりが良いと光合成を盛んに行って実に十分栄養が行き届くので、大きくておいしいミニトマトができます。
収穫時期と方法
収穫時期は7月~9月上旬にかけて、株の下から順番に実が赤く色づいていきます。ミニトマトは房状になって実がなるので、一株からかなりたくさんの数が収穫できます。ヘタが上に向かって反り返ったら完熟の合図なので、毎日様子を見て収穫のタイミングを判断しましょう。手でポキンと茎を折るだけで簡単に採れます。
まとめ
ミニトマトは、家庭菜園が初めての方でも育てやすい野菜です。水やりを忘れても、かえってその方が甘みが増すので手間いらず、というのも嬉しいですね。ミニトマトを料理に添えると、華やかさがアップしておいしそうに見えます。甘くて新鮮なミニトマトを家庭菜園で作ってみませんか?