住宅購入の際はほとんどの人が住宅ローンを利用していますが、住宅の購入には借入金だけでなく頭金も必要です。
頭金が一定程度ないと住宅を購入できないこともありますし、ローンの審査にも不利になります。
住宅ローン購入時に必要な頭金の金額と、頭金が必要な理由、そして手元に頭金がない時の対処法について詳しく解説していきます。
住宅の頭金は必要総額の10%は用意しよう
住宅購入時の頭金は必要総額の10%程度は最低でも必要だと言われています。
不動産を押さえるためには手付金が必要になりますし、ローン審査でも頭金がないと不利になってしまうため、目安として10%程度は必要だと一般的に言われています。
ローン審査では「3割程度はあった方が審査に通りやすい」と言われているくらいですので、10%は少なすぎると言っても過言ではないでしょう。
「住宅を購入しよう」と決めたら、まずは10%の頭金を用意することを目標にしていきましょう。
頭金が必要な3つの理由
住宅購入時には基本的に頭金が必要になります。
頭金が必要な理由はいくつかありますが、主な理由として次の3つをあげることができます。
- 手付金として必要になる
- 担保に余裕が出る
- 借入額が少なくなる
頭金が必要になる3つの理由について詳しく見ていきましょう。
手付金として必要になる
不動産を購入する時には手付金を不動産会社へ支払うのが一般的です。
手付金とは土地・マンション・建売住宅などの物件の購入や、一戸建て住宅の建築などの際に、不動産会社に対して購入を予約するために支払うお金です。
安易に「購入する」と口約束し、実際に購入されなければ不動産会社にとって大きな損失になってしまいます。
そのため、予約する際の保証金のような意味合いで手付金は必ず支払いが必要になるお金です。
もしも、購入者都合で購入がキャンセルになった場合には手付金は基本的に返金されません。
手元にお金がなければ手付金を支払うことができないので、基本的には頭金なしで不動産を購入することが難しくなります。
なお、手付金の相場は不動産価格の5%〜20%程度です。
担保に余裕が出る
頭金があることによって担保価格に余裕が出るので、住宅ローン審査に通過しやすくなります。
例えば、3,000万円の住宅を購入するために、頭金300万円を用意して2,700万円の住宅ローンを組んだ場合、金融機関は2,700万円の融資に対して3,000万円の担保を取得することになります。
貸付額よりも担保価格の方が大きいので金融機関にとって有利な条件での貸付です。
頭金があればあるほど、金融機関は融資額よりも高額な担保を取得することができるので審査に通過しやすくなります。
借入額が少なくなる
頭金が多ければ多いほど借入額が少なくなります。
借入額が少なければ返済額が少なくなるので、無理なく住宅ローンの返済が可能です。
なお、一般的に無理のない住宅ローン返済額は収入の20%以下だと言われています。
収入の20%に収まるよう、頭金を用意して借入額を少なくしましょう。
頭金がない時の対処法
頭金は支払うためにもローン審査に通過するためにも円滑に返済をしていくためにも必要です。
しかし「住宅を購入したい」と考える人が誰もが必要総額の1割もの頭金を用意できるわけではありません。
頭金を用意できない場合には次の3つの方法で対処し、希望する住宅を購入するとよいでしょう。
- フルローンで借りる
- 貯蓄できるまで待つ
- 親から借りる
頭金を用意できない時の3つの対処法を解説していきます。
フルローンで借りる
頭金なしでも次の2つの条件を満たせばフルローンで住宅ローンを借りることができます。
- 返済負担率が基準内
- 借入額が担保評価額以下
お買い得な物件を見つけることができれば上記2つの基準を満たすことは可能です。
手付金も「住宅ローン借入後でOK」という物件も多いので、手持ち資金がなくても住宅を取得することはできます。
ただし、フルローンの場合には返済額が大きくなるか、借入期間が長くなってしまうので、「無理なく返済することができるかどうか」という検討だけは怠らないようにしましょう。
貯蓄できるまで待つ
数年時間をおいて貯蓄が貯まるまで待つというのも1つの方法でしょう。
- 欲しい住宅の見積もりをとる
- 見積もりの1割を貯蓄額の目標にする
- 月ごと、ボーナスごとの貯蓄計画を立てる
この順番で貯蓄計画を立てて、計画的に貯蓄を行っていきます。
例えば3,000万円の住宅が欲しいのであれば目標貯蓄額は300万円です。
300万円を2年で貯めるのであれば年間150万円、ボーナス時に30万円ずつ貯めるとすると、毎月75,000円の貯蓄が必要です。
この期間は奥さんがパートをするなどして何とか目標期間内に貯蓄をする目標を立てて計画的に貯蓄していくようにしましょう。
親から借りる
頭金を親から借りるか贈与を受けるという方法もあります。
特に住宅資金の父母や祖父母など直系尊属からの贈与に関しては、省エネ住宅の場合1,500万円、それ以外の住宅は1,000万円まで贈与税が非課税となります。(令和3年12月31日まで)
親に経済的な余裕があるのであれば、お金を借りるか、この贈与枠を使用するかいずれかの方法で頭金を確保することも検討しましょう。