住宅は人生で最も高い買い物と言われています。
しかし住宅が高額だからこそ、住宅の購入には土地と建物代金以外にも様々な費用が付随するということを忘れがちです。
住宅購入の予算を立てる時には、住宅購入に伴い付随して発生する費用についてもしっかりと把握しておくことが重要です。
住宅購入に伴い、どのようなお金が必要になるのか詳しく解説していきます。
住宅ローン諸費用
住宅ローンは、住宅や土地を取得するための借入をして、その後は利息を支払っていけばよいだけではありません。
住宅ローンを借りるためには諸費用が必要です。
住宅ローンには、保証料や融資実行手数料が発生し、これらの費用を「住宅ローンの諸費用」と呼びます。
諸費用については主にネット銀行と店舗型銀行によって異なるので、それぞれ詳しく解説していきます。
ネット銀行の場合
ネット銀行の住宅ローンの手数料は『借入金額×3.3%』になることが一般的で、この費用の中に全ての諸費用が含まれています。
例えば4,000万円の住宅ローンを借りる場合には132万円の手数料が必要です。
一般的にネット銀行の住宅ローンは、金利は低いですが手数料が高くなる点に注意しましょう。
店舗型銀行の場合
店舗型銀行の場合には住宅ローン実行手数料と保証料が分かれています。
住宅ローン実行手数料は3万円〜8万円+税となっていることが一般的で、手数料がかからない銀行も存在します。
保証料は審査によって異なり、信用が高い人は数万円で、信用度の低い人は100万円以上かかることもあります。
一般的には30万円前後というのが相場です。
住宅ローン借入時の諸費用は店舗型銀行の方が安くなることが一般的ですが、その分利息負担はネット銀行よりも高くなります。
中古住宅や土地の仲介手数料
中古住宅や土地を不動産会社から仲介してもらう場合には仲介手数料が必要です。
仲介手数料の上限は宅地建物取引業法という法律によって、取引価格ごと以下のように定められています。
- 400万円超:建物取引価格(税抜)×3%+6万円+消費税
- 200万円~400万円以下 取引物件価格(税抜)×4%+2万円+消費税
- 200万円以下 取引物件価格(税抜)×5%+消費税
例えば1,000万円の土地を紹介してもらった場合には36万円+消費税が必要です。
もちろん上記は上限ですので、もっと安くなることもありますが、上限価格までは必要になる想定で資金計画を立てる必要はあるでしょう。
税金・登記費用
住宅を取得すると、消費税や住宅ローン借入時の収入印紙代の他に以下の登記費用が必要になります。
- 所有権移転登記:不動産の所有者が変わる場合の登記(土地購入・中古住宅取得時)
- 所有権保存登記:建物の登記記録の甲区欄を新しく作成する登記(新築住宅建築時)
- 抵当権設定登記:不動産に抵当権を設定する登記(住宅ローン借入時)
基本税率 | 軽減税率 (2022年3月31日まで) |
優良住宅の場合 | |
所有権保存登記 | 0.40% | 0.15% | 0.10% |
所有権移転登記 | 2.00% | 0.30% | 0.10% |
抵当権設定登記 | 0.40% | 0.10% | – |
所有権移転登記と所有権保存登記の費用は固定資産税評価額に税率を乗じて求めます。
抵当権設定登記の費用は住宅ローン借入額に税率を乗じて求めます。
では、軽減税率適用時に、以下の住宅を新築した場合の登記費用を求めてみましょう。
例)
住宅ローン借入:4,000万円
土地購入費用:1,500万円
住宅新築費用:3,500万円
- 所有権移転登記:1,500万円×0.3%=45,000円
- 所有権保存登記:3,500万円×0.15%=52,500円
- 抵当権設定登記:4,000万円×0.1%=40,000円
登記費用だけで、合計137,500円必要です。
ここに、司法書士の報酬が必要になり、司法書士報酬の相場は10万円〜20万円程度です。
合計で25万円〜45万円程度の費用が必要になると理解しておきましょう。
その他の費用
この他、新しい住宅を購入したら以下のような費用が必要になります。
- 引越し代金
- カーテンや証明などのインテリア
- 家具・家電
- 消耗品
- カーポートなどのエクステリア
- 庭木
一家が引っ越す場合には引越し代だけで20万円から30万円程度は必要です。
家具などを最小限しか購入しない場合でもトータルで50万程度は必要になるでしょう。
インテリアやエクステリアに少しこだわるだけでも、簡単に100万円以上は必要になるので、50万円〜150万円程度はその他の費用として見積もっておいた方が無難です。
住宅購入には様々な費用が必要です。
住宅ローン諸費用、不動産仲介手数料、税金、その他で、住宅の土地と建物の他にも200万円〜300万円は必要になると理解しておきましょう。
なお、住宅ローン諸費用、不動産仲介手数料、税金は住宅ローンで借りることも可能ですので、事前にしっかりと計画を立てた上で住宅ローンの借入額を決定してください。