近年、リフォームやリノベーションが当たり前になったことで、家の購入を検討する際には、「新築物件を購入」「中古物件を購入」という選択肢が一番最初に頭に浮かぶ人も多いのではないでしょうか。
しかし、実際には、中古物件を検討する際、築年数が古いと地震や台風、集中豪雨などの自然災害で倒壊してしまうのではないか、将来的に掛かる修繕費用が高いのではないか、リフォーム代金が意外と高いのではないか等、不安になる人も少なくないでしょう。
そんな不安要素の多くは、建物の状況を正確に把握することで、必要な箇所をリフォームすることで解決できることも多いでしょう。
しかし、解決できることであれば良いのですが、中にはリフォーム自体がそもそも向かない物件もあるのが現状です。
購入後に、こんなはずじゃなかったと後悔しないためにも、まずはリフォームができる物件なのかどうかを判断することが大事になるでしょう。
リフォームの向き不向きを判断する時のポイント!
間取り変更
間取りを変更するような大掛かりなリフォームの場合に重要になってくるのが、壁の可変性です。
内壁の中には、構造体として建物を支えている壁があり、この壁は撤去することができません。
建物を支える柱や壁を取り外すと、建物を支えている力が弱くなり、歪みが生じる事態になり、歪みから「窓や扉が閉まらない」「家が傾く」など最悪なケースにもなりかねません。
中でも、2×4工法の建物は、柱を設けず、壁が柱の代わりになるため、取り除くことのできない壁があります。
また、低層マンションに多く用いられている「壁式構造」で造られた建物にも撤去できない壁が存在しますので、気を付けましょう。
水回り設備の移設
水回り設備の移設を考えた時、床下や天井に十分な空間がなければ移設することができません。
水を流すための配管が床下にあるのですが、特にマンションの場合は、配管の位置を個人で変更することは難しいでしょう。
移設する場合には、移設先で使用した水を、既存の配管位置まで流さないといけないのですが、そのためには十分な傾斜が必要となり、傾斜を作るための空間が必要になります。
傾斜が取れる範囲での移動になりますので、移動先に制限がある場合がありますので気を付けましょう。
搬入に手間が掛かる立地条件の建物
マンションの場合、「4階以上の部屋なのに建物自体にエレベーターが無い」「玄関から入れることが難しい大きな搬入物がある場合、窓から特別な方法で入れる」など、通常の搬入以上の手間が掛かる場合には、別途運搬費用が発生する可能性があります。
また、戸建ての場合、道路のギリギリまで建物がある場合、リフォームで足場を組む際に、道路に足場がはみ出してしまうことがあります。
その場合には、道路占用の許可を取得しなければならず、道路使用に関して費用が発生しますので注意しましょう。
デザイン性を重視した建物
デザインの凝った物件は、リフォームが難しい訳ではありません。
内装建材や設備などもこだわっている場合が多く、同じ物を用意したくても特注なため、費用が高くつくことがあります。
また、設備を交換する際にも、特注サイズだった場合、設備周辺の付帯工事が発生することがほとんどです。
購入時は良くても、修繕のタイミングで、予想以上にコストが掛かる場合があるので、気を付けましょう。
長い間空き家になっていた建物
築年数が古く、長い間空き家になっていた場合には、建物の状態をしっかりと調べる必要があります。
しかし、実際には壁や床を壊さないと、建材の中の状態を確認することはできません。
購入後でなければ、状態確認ができませんので、リフォーム時に想定外の工事費用が発生してしまう可能性があることを念頭に置いておきましょう。
オール電化住宅だけどガスも使用したい場合
元々、オール電化住宅だった場合、ガス本管からガス管を家に引いてこなければなりません。
家の外構や外壁を一部、壊してガス管を通し、ガスが使えるシステムキッチンに交換しなければならないため、費用は数百万円と高コストになります。
まとめ
数ある中古物件の中から、自分が求めていた条件の物件に出会うことはとても貴重なことです。
家の広さや間取り、内装や設備など、高い買い物だからこそ、こだわりたいポイントが多く出てくるものです。
その希望を叶えるため、リフォームができることを前提として、中古物件を購入する人がほとんどです。
工事を始めてみなければ、分からないことも多いので、まずはその物件がリフォームに向いているのかを見極めましょう。