人生の3大出費としてあげられるのが「教育資金」、「住宅購入資金」、「老後資金」です。
それぞれの出費がどの程度必要になるのかを考慮した上で、日常の支出や積立額や子どもの進学先を検討する必要があります。
人生の3大出費はどの程度の金額になるのか、詳しく解説していきます。
教育資金
教育費は子供が私立に進学するのか、大学まで進学するのかどうかということによって大きく異なります。
文部科学省の「子どもの学習費調査」(平成30年)と日本政策金融公庫の調査によると、子供1人につき1年間にかかる教育資金は幼稚園から大学でそれぞれ以下のようになります。
・幼稚園
公立 | 223,647円 |
私立 | 527,916円 |
私立幼稚園で月額4万円〜5万円程度の学費が必要です。
・小学校
公立 | 321,281円 |
私立 | 1,598,691円 |
私立小学校であれば月額12万円〜14万円程度の学費が必要になるので、家計の状況によって私立にするか公立にするか考える必要があります。
・中学校
公立 | 488,397円 |
私立 | 1,406,433円 |
中学校も月額11万円から13万円程度の学費が必要です。
・高校
公立 | 457,380円 |
私立 | 969,911円 |
・大学
日本政策金融公庫の「教育費負担の実態調査」(平成25年)によると、教育費の負担は以下のようになっています。
入学費用 | 在学費用 | |
国公立大学 | 79.6万円 | 109.7万円 |
私立短大 | 91.8万円 | 152.3万円 |
私立理系 | 103.3万円 | 177.3万円 |
私立文系 | 94万円 | 149.2万円 |
子どもの大学の教育資金は学資保険等で積み立てていくという人がほとんどです。
子供が最も学費のかかる私立理系大学に通学した場合、812万円必要です。
800万円を15年で積み立てていくには、年利率1%で毎月4万円を積み立てる必要があります。
子どもを私立小学校に行かせた場合、毎月の学費12万円〜14万円に加えて、大学入学のための積み立てを毎月4万円行う必要があるので、教育費として子ども1人あたり毎月16万円〜18万円程度の支出をしなければならないと理解しておきましょう。
住宅購入資金
国土交通省住宅局の令和元年度「住宅市場動向調査報告書」によると、住宅購入費用の全国平均は以下の通りです。
- 分譲戸建住宅 :3,851万円
- 分譲マンション:4,457万円
そして、住宅ローンの借入額の平均と返済額の目安は以下の通りで、都市部では購入価格はさらに大きく膨らみます。
借入額 | 年間返済額 | |
分譲戸建住宅 | 3,976万円 | 121.6万円 |
分譲マンション | 4,145万円 | 131.6万円 |
子どもの教育資金とは別に毎月住宅ローンを10万円〜12万円程度は返済していく必要があります。
さらに、子どもを私立小学校に行かせた場合には、学費と大学入学のための積み立てで毎月16万円〜18万円必要です。
つまり、学費と住宅ローン返済で、26万円〜30万円の支出が必要になると理解しておきましょう。
これだけの支出を負担できるのであれば、子どもに十分な教育環境と住居環境を提供できるでしょう。
「こんなに負担できない」ということであれば、私立には進学させないなど、現実的な対応を検討していく必要があります。
老後資金
総務省の家計調査によると、60歳以上の無職世帯の平均的な1ヶ月の支出は以下の通りです。
食費 | 68,193円 |
住居費 | 14,346円 |
水道光熱費 | 20,427円 |
家具・家事用品 | 9,290円 |
被服等 | 6,737円 |
保健医療費 | 14,646円 |
交通・通信費 | 26,505円 |
教育・教養娯楽費 | 25,712円 |
こづかい | 6,225円 |
交際費 | 25,243円 |
その他支出 | 22,280円 |
合計 | 239,604円 |
合計で支出は毎月24万円必要になります。
そして、公的年金の平均支給額は平成28年厚生労働局年金局調べで以下のようになっています。
- 厚生年金:約14.8万円/月
- 国民年金:約5.5万円/月
国民年金と厚生年金両方受け取っている世帯で月額約20万円の収入ですので、約24万円の支出に対して毎月4万円の赤字になります。
毎月4万円の赤字が30年継続した場合には1,440万円不足するということになるので、やはり老後は1,500万円〜2,000万円の貯蓄がないと安心して生活することが難しくなってしまいます。
退職金が2,000万円程度支給されるのであれば老後資金をそれほど心配する必要はないかもしれませんが、退職金が支給されない場合には、老後に向けて貯蓄をしていかなければなりません。
ちなみに平成25年の厚生労働省「就労条件総合調査結果の概要」によると男性の退職金の平均額は以下の通りです。
企業規模 | 1,000人以上 | 999~300人 | 299~100人 | 99~30人 |
大学卒 | 2,525万円 | 2,074万円 | 1,635万円 | 2,343万円 |
高校卒 | 2,286万円 | 1,978万円 | 1,447万円 | 1,713万円 |
自分は退職金をいくら受け取ることができるのか事前に確認しておき、不足分は子どもに学費がかからなくなる時期から計画的に貯蓄をしていきましょう。