毎日使うキッチンの床は、できるだけ楽にお手入れできることが理想的です。しかし、あまり深く考えずになんとなくリビングと同じ床素材を採用している方も少なくありません。実はキッチンの床だけを別の素材にすることは、それほど難しいものではありません。どんな床素材がキッチンに向いているのか、ここでは床材の種類や特徴をご紹介していきます。素材選びの参考にしてください。
キッチンの床は汚れやすい
キッチンの床は、実はとっても汚れやすい場所です。洗い物の水はねや調理中の油・調味料などの飛び散り、スリッパを使う場合には歩くことでの擦れなど、毎日何度も使う場所であるため、摩耗も激しくなります。
「床を汚したくない」ということから、キッチンの床にマットを敷く方も少なくありませんが、マットの下にゴミが潜り込むことや、敷いた部分の床に湿気がこもらないか心配な方もいるでしょう。
キッチンの床を清潔に保つには、こまめにお掃除することが基本です。しかし、お掃除することで床素材を傷めてしまう可能性もあります。手軽にお手入れしたいなら、汚れや摩耗に強い素材選びが大切です。
キッチンに使われる床素材
ここからは、キッチンに使われている床素材のそれぞれの特徴をご紹介していきます。
フローリング
フローリング床は、一般的に使われていることが多い素材です。近年の住宅は、キッチン、ダイニング、リビングがひとつの空間の中にある間取りが多いため、床素材もリビングからの流れでフローリングが採用されていることが多いですね。
フローリングは「無垢フローリング」と「複層フローリング」の大きく二つに分類されます。無垢フローリングは無垢の木材から作られており、表面にウレタン塗装を施している場合は、水拭きも可能ですが、オイル系の自然塗料を施している場合は水分を通してしまうため、出来るだけ乾拭きでのお手入れになります。
複層フローリングは、表面に木目シートが貼られていて、内部は合板であるものが多いです。表面がコーティングされているため水拭きも可能です。
お掃除がしやすいという点で、キッチンの床に向いているのは複層フローリングの方でしょう。とはいえ、無垢フローリングでも、ウレタン塗装のものは水拭きもできますのでお手入れはしやすいといえます。
タイル
タイルは耐久性があり、洗剤などでの水拭きも可能でお手入れしやすい素材です。特に磁器質タイルは、玄関ポーチなどにも使われているほどで過酷な条件化でも長持ちします。キッチンではスリッパを利用したい方にも、摩耗が少ないタイルは床素材としておすすめです。
ただし、耐久性がある分、食器を床に落としたときは食器が簡単に割れてしまう可能性が高くなります。また、硬い素材であるため長くキッチンに立っていると足に負担がかかることもありますので、高齢者の住宅では特徴をきちんと理解した上で採用しましょう。
フロアタイル
フロアタイルは「タイル」とはいえ、合成樹脂の素材です。塩ビタイルといわれることもあります。耐久性があり、デザイン性にもすぐれているため美容室や飲食店などの床にも採用されています。住宅で使う場合は、木目のフロアタイルが多いでしょう。リビングの床材とは異なりますが、近似した素材感を選べば違和感なく取り入れられます。
フロアタイルは、薬品にも比較的強い素材ですから、日常のお手入れが楽にできる点がポイントです。
クッションフロア
クッションフロアは、塩化ビニール素材の床材で、内部にクッション性のある素材が使われています。トイレや洗面所など水回りで採用されることが多いでしょう。フローリングに似ているものやタイルに似ているものなどデザインバリエーションも多く、住宅だけではなく店舗など商業施設でも採用されています。
水拭きもできますが、素材によっては薬品を使うと変色してしまうことがありますので注意が必要です。安価な素材であるため、手軽に張り替えられる点がメリットのひとつでしょう。
キッチンの床に採用する場合、お手入れやしやすく家事の負担も軽減されます。
まとめ
キッチンの床素材には、それぞれ特徴があります。お手入れ重視にするか、デザイン重視にするか、またはコストを優先するか、さまざまな選択肢の中から最適なものが選べるように、素材選びでは、実物のカットサンプルなども検討して進めるようにしましょう。