家の購入は人生の中でも大きな買い物になりますので、購入を決断するためにはそれなりの材料が必要となります。
特に中古マンションの購入を考える際には、紙で提示された情報だけでは分からないことも多く、やはり自分の目でマンションや周辺を下見に行き、室内を見学させてもらう人が多いでしょう。
躯体や内装、設備の劣化など、目で確認できる場所や生活に直結するような場所はしっかりと確認する人が多いのですが、もし見落としがあった場合でも、専有部分であれば、購入後にリフォームやリノベーションで解決できることも多いでしょう。
逆に、マンションの共用部分は生活に直接影響がある訳ではないので、自分達には関係ないと思い、確認をせず購入してしまい、後悔することもあります。
実際には生活する上で常に視界に入る部分であり、購入前にマンション全体のことを把握するための必要な情報が詰まっている場所でもあります。
もし不備があった場合にも、マンションの共用部分は自分たちだけのスペースではありませんので、気軽にメンテナンスやリフォームをする訳にはいきません。
もし中古マンションの購入を考えている場合には、共用部分もしっかり確認することをオススメします。
マンションの共用部分とは
マンションは専有部分と、共用部分に分かれており、躯体(コンクリートの壁)で区画された住戸の内側を専有部分、専有部分以外は共用部分とされています。
専有部分は、買主の所有物ですので、マンションの構造上の制限はありますが、部屋の内装を変更することができます。
逆に共用部分は、区分所有者全員の財産になりますので、勝手に変更することができません。
それ以外にも共用部分がどのように管理されているのかで、マンションの現在の状況や管理の杜撰さが分かるものです。
自分たちの財産の一部である共用部分を大切に扱っている物件に住みたいものですね。
共用部分をチェック!
エントランスや、通路、駐車場などの共用施設は居住者すべての人の所有物になります。
自分の判断基準が他の人と同じとは限りませんので、実際にどんな使われ方をしているのか、自分の目でしっかりと確認しましょう。また、マンション毎に共同生活を行う上で細かいルールを決めて記載した使用細則があります。
この使用細則には、自分の中では当たり前だと思っているルールから、気にしたことがなかったけれど、実はやってはいけない事項が記載されています。
購入後にトラブルに巻き込まれない為にも、自分の目でしっかりと確認してみましょう!
エントランス
エントランスは、所謂マンションの顔の部分になりますので、経年劣化を考慮しながらも、清潔さを保てているのかが重要ではないでしょうか。
ポスト周辺にチラシが散乱していたり、電球が切れかかっている場合には、チラシを捨てても気にならない人が多く、管理も行き届いていないという証拠になります。
エントランスで実際に生活する訳ではありませんが、毎日、目にする場所ですので、キレイな状態を保てる環境であって欲しいですね。
外部階段、通路
外部にある階段や通路は、常に外気に晒されており、太陽の熱や、天候によって、直接影響を受けますので、経年劣化が比較的早く、分かりやすい場所になります。
壁や天井などに、クラック(ひび)やコンクリートの欠け落ちた跡があったり、特定の場所が異常に汚れていないかを確認しましょう。
また、経年劣化していても、定期的なメンテナンスを行っているかどうかは見れば分かりますので、確認しておきましょう。
補修をされている場合には、管理が行き届いている証拠でもありますが、補修の跡が多すぎる場合には、長い間、大規模な修繕を行っていない証拠でもありますので、近々、大規模修繕計画がある可能性もあります。築年数などを参考にしてみましょう。
駐車場・駐輪場
駐車場は、車種によってはサイズアウトのため、既存の駐車場に駐車できない場合があります。
また、自家用車の台数と自分の持ち分の駐車スペースの数が同じとは限りません。
その場合、自分の駐車スペースはあるものの、他にも駐車場を借りなければならないこともあります。
引越し前に、近場に駐車場を借りれば良いと気軽に考えていたのに、実際には近くに駐車場がない場合もありますので、家の周辺についても事前に確認しておきましょう。
駐輪場においては、雨ざらしの場所にある場合は、傷みやすいので駐輪スペースの経年劣化はしょうがないものとして、それ以外に自転車が整理されているかどうかは確認しておきたいものです。
実際に、半分以上の自転車が倒れているような駐輪場も見掛けたことがありますので、節度を保った使われ方をしているか、自分が使用することになった場合に困らないように確認しておきましょう。
ゴミ置き場
ゴミ置き場は、既存の住人の生活態度が分かりやすい場所になります。
ゴミ置き場が汚い状態の場合、清掃の問題もありますが、ゴミ出しの規約を無視している住人が多くいるということにもなります。
自分が生活していく上で、トラブルは避けたいのが普通ですので、購入の際にはしっかり検討したい項目ですね。
住居内の共用部分
居住部分の中で、どんな場所が共用部分として決められているのか知っていますか?
分かりやすいところでは、玄関扉、窓ガラス、バルコニー、専用庭があります。
バルコニーや専用庭は一見、専有部分に感じますが、避難経路に使用されることから、共用部分とされています。
他にもインターホンや目隠しルーバー、パイプスペースなど、意識したことがない場所や、意外な箇所も多いのではないでしょうか。
実際にパイプスペースは共用部分になりますので、給水管のメンテナンスを行う際の資金は、管理費と修繕積立費からになります。
共用部分を破損した場合や変更したい場合、自分だけの判断ではできませんので、特に破損の場合には早急にマンションの管理組合に相談しましょう。
まとめ
共用部分をチェックするに当たり、物事に対して人の価値観はそれぞれあり、他人の行動の許容範囲も人によって大きく異なります。
自分にとっては欠点に見えた点も、人によっては普通のことかもしれません。
そういった意味でも、自分がこのマンションでどのように住んでいきたいのか、共用部分にストレスに感じる部分がないか、購入前に知っておくことで、後悔しない選択をすることができるのではないでしょうか。