ぽってりとした独特なフォルムのコーデックスが近年注目を浴びています。コーデックスは根や茎がふくらんでいる「塊根(かいこん)植物」と呼ばれる植物の総称です。個性的でワイルドなルックスなので、男性の愛好家が多いことでも知られています。コーデックスの種類や特徴、育て方のポイントについて詳しくご紹介します。
コーデックスとはどんな植物?
原産地と基本情報
コーデックスは主にマダガスカルや北米・南米・アフリカなどに自生しています。熱帯に生息する植物なので暑さには強いのですが、寒さに若干弱いです。樹高は10~100cm、成長スピードが緩やかで、長い年月を掛けてじっくり育てる楽しみがあります。
特徴
茎が太い
乾燥した環境の中でも生きていけるように、太く膨らんだ茎の内部に水分を蓄えています。とっくり型のものや棒状のもの、球状のものなど種類も豊富で、同じ樹形に育つものがひとつもなく、希少性が高いという点も大きな魅力です。
葉は落葉する
葉の形は細長いものやタマゴ型などさまざまです。冬の休眠期になると葉を落とす落葉樹で、翌年の春にまた新しい葉が伸びてきます。葉の数は少なく、どちらかというと葉よりも茎の方が目立ちます。
花が咲く品種もある
無骨な容姿とは違って、可憐で美しい花を咲かせる品種もあります。花色は、白やピンク、黄色などです。開花まで数年かかる品種も多いので、大事に育ててやっと花が咲いたときの感動はひとしおでしょう。
コーデックスの育て方
日当たり
春から秋にかけては戸外で日当たりの良い場所に置きましょう。太陽にしっかり当てることで、株が丈夫に育ち、元気な新しい葉が出てきます。日当たりが悪い場所でも育ちますが、幹が細くなりヒョロヒョロと徒長した姿になってしまいます。
温度
高温には強いので、真夏の暑さにも十分耐えます。寒さには弱く、5℃以下になると枯れてしまうので、冬の間は室内に入れて管理しましょう。気温が低くなる冬には葉を落とし、休眠状態になります。
水やり
蒸れや過湿に弱いので、水のやり過ぎに気をつけてください。春から秋の生育期は土が乾ききってからたっぷり水を与えるようにします。真夏は蒸れやすいので、涼しい朝夕に水やりをしましょう。冬は乾燥気味にして、たまに表面が濡れる程度の少量の水やりで十分です。
肥料
春と秋の生育期に、緩効性化成肥料を月に1回程度、液体肥料なら月に2回程度与えます。肥料をやると株が大きく育ち、葉の数も多くなり色つやも良くなります。
コーデックスの人気品種
コーデックスの中でも特に人気急上昇しているのは「パキポディウム」というキョウチクトウの仲間です。ずんぐりとした容姿が特徴で、育てやすい種類が多く、初心者でも比較的簡単に育てられます。特に人気があるおすすめの品種をご紹介しましょう。
パキポディウム・グラキリス
グラキリスはパキポディウムの中でも特に人気が高い品種です。壺のようにでっぷりと太った胴体が愛嬌たっぷりで、大きなものは直径50cmぐらいまで育ちます。春から夏にかけて、鮮やかなレモンイエローの花を咲かせます。寒さにも比較的強く性質も強いので、初心者でも育てやすい品種です。
パキポディウム・サキュレンタム
サキュレンタムは幹が円柱状で中央が太く、両端がしだいに細くなる形が特徴です。頭頂部から枝を伸ばし、細長い葉を付けます。初夏にはピンクのラインが入った白い花を咲かせます。寒さにもよく耐えて丈夫なので、冬場の管理も安心です。
パキポディウム・デンシカウレ
デンシカウレは大きなトゲを持ち、丸みを帯びた白い胴体で、「恵比寿大黒」という和名で呼ばれています。パキポディウムとしては珍しく、二つの品種を掛け合わせた交配種です。葉には美しいラインが入り、春にはきれいな黄色の花を咲かせます。
コーデックスの風水
コーデックスのように独特な形で個性のある植物は、東の方角と相性が良いといわれています。コーデックスの鉢を部屋の東側に置くと、活力や元気がわいてきますよ!またユーモラスなコーデックスを一鉢飾るだけで、部屋の空気が和みます。家族が集まって穏やかに過ごすリビングなどに置くのがおすすめです。
まとめ
美しい植物とは言い難いけれど、なぜかその存在が気になるコーデックス。同じ品種でも唯一無二の個性的な樹形があり、その魅力に引き込まれてすっかりコレクターになってしまう人が多いのもうなずけます。小さめの鉢に植えて盆栽のように仕立てたり、さまざまな大きさの鉢に植えたコーデックスを並べて飾ったりと、お部屋に合ったアレンジで楽しんでみてください!