冬は花が少なくなる季節。そんな時期に鮮やかな花を咲かせるシクラメンは、部屋を明るく華やかな雰囲気にしてくれます。レコード大賞を取った「シクラメンのかほり」という歌謡曲で、その名前を知った方も多いのではないでしょうか。冬の鉢花として定番のシクラメンについて、育て方や管理の方法を詳しくご紹介します。
シクラメンとはどんな植物？
原産地と基本情報
シクラメンは球根植物で、原産地は北アフリカから中近東、ヨーロッパの地中海沿岸地域です。秋から春先までの間、一つの球根から次々と花芽が立ち上がり、数ヶ月美しい花を楽しめます。花の色は赤やピンク、白などの定番色のほか、黄色や紫の珍しい花色もあり、形も八重咲きや花びらにウェーブが入る種類など、毎年次々と新品種が発表されています。シクラメンは冬の花ですが、うまく夏越しするとまた翌年も花を付けます。
特徴
うつ向きに咲く花
ウェーブのかかった5枚の大きな花びらが下から上に開きます。うつ向きに咲く姿が愛おしく可憐で、ふんわりとした優しい雰囲気がある花です。花の色は赤・ピンク・白などの単色のほかに、白と赤などのツートンカラーやマーブルカラーなどバラエティーに富んでいます。一つの花の寿命も長く、そのうちに下から次々可愛らしいつぼみも出て、冬の期間花を咲かせ続けます。
葉も美しい
葉は丸みを帯びた大きなハート形です。濃い緑色に白の斑が入る緑葉のほかに、銀色を帯びた緑のシルバーリーフがあり、葉だけでも十分観賞できます。カラフルな花とのコントラストが美しく、気品高い印象があります。
シクラメンの管理
日当たり
シクラメンは日当たりが良い場所に置くと、次々新しい花芽が出て元気に育ちます。窓辺の明るい場所に置くのがおすすめです。時々鉢を回転してやると、花の向きも偏らずバランス良く花が開きます。
温度
シクラメンで重要なのは温度管理です。涼しい気温を好みますが、5℃以下になると弱ってしまい花が咲きません。冬場の室内に置く場合は、暖房した暖かいリビングよりも、比較的涼しい玄関や廊下に置く方がよく育ちます。
シクラメンの育て方
水やり
シクラメンは底面給水鉢という鉢に植えて売られていることが多いです。これは受け皿に水を入れておけば、スポンジやひもで適宜水分が吸い上げられる便利な鉢です。冬に花を咲かせるシクラメンは寒い季節でも水を多く必要とします。ただ球根に直接水がかかるのを嫌うので、上から水を掛けるより下から吸い上げさせた方が安心です。
肥料
肥料を与えると花数も多くなり、葉も艶が出て美しくなります。週に一回程度、液体肥料を与えましょう。底面給水鉢なら薄めの液体肥料を受け皿に入れておきます。
夏越し
暑さに弱いシクラメンをうまく夏越しして、翌年もまた咲かせるには二つの方法があります。
1.水を与えず休眠させる
花芽が出なくなったら水やりを徐々に少なくし、葉が完全に枯れたら水やりを止めて休眠させます。そのまま風通しの良い日陰に置いておき、秋になったら水やりを再開しましょう。
2.水を与えて休眠させない
秋までは風通しが良く、雨の当たらない日陰か半日陰に置きます。肥料は1ヵ月に1回程度与え、水やりは土の表面が乾いたら与えましょう。多湿になって球根が腐らないように気を付けてください。
シクラメンの花言葉
花姿が美しく長い間花を楽しめるシクラメンは、お祝いやクリスマスのプレゼントとして喜ばれる花です。色によって花言葉が違うので、贈り物にする場合の参考にしてください。
白いシクラメン 清純・思いやり・綿密な判断
ピンクのシクラメン 憧れ・はにかみ・内気
赤いシクラメン 愛情・はにかみ・絆・嫉妬
シクラメンの風水
シクラメンは下向きの花が咲くので、風水的には静寂のエネルギーを意味する「陰の気」を持つ植物です。また丸い葉が気持ちを落ち着かせてリラックス効果をもたらします。そのほかに運気を高める効果も期待できるので、恋愛運を高めたい場合はピンク色のシクラメン、金運アップを狙う場合は黄色のシクラメンがおすすめです。クリスマスシーズンにピッタリな赤いシクラメンは、やる気や積極性に働きかける効果があるので仕事運を高めます。白いシクラメンは邪気を払うので、玄関に置くと良いでしょう。
まとめ
秋からクリスマスシーズンにかけて、店頭に一斉に出回るシクラメン。うつ向きがちに咲く花姿やカラフルな色合いに心惹かれますね。育て方も簡単で、水やりや温度の管理に気を付ければ、冬の間中長く咲き続けます。反り返った花びらがまるで篝火（かがりび）のようなので、「篝火花（かがりびばな）」という和名もあるシクラメンを飾って、冬の部屋を暖かく過ごしてみませんか？
