分譲マンションを購入すると、必ず発生する支払いに「管理費」「修繕積立金」があります。マンションの適切な維持管理に利用されるもので、物件を所有している間は毎月支払いが生じます。
またそれとは別に、よく似た名称の「修繕積立基金」というものをご存じでしょうか。こちらは購入の際に必要な諸費用のひとつですが、「修繕積立金」との違いが分かりにくく、大変紛らわしいものです。
今回は、分譲マンションを維持していく為に必要な「管理費」「修繕積立金」「修繕積立基金」についてお伝えします。それぞれの意味を知り、マンション管理について、より理解を深めていただければと思います。
毎月支払い「管理費」「修繕積立金」
管理費
分譲マンションの「管理費」は、マンションの適切な維持管理に必要な費用に充てられます。その内容の主なものとして、共用部分にかかる日常経費のほかに、管理人の人件費、ごみ処理費用、セキュリティ費用、エレベーター点検費用、共用部分の保険料、管理組合運営費などがあげられます。持ち分割合によって金額が設定されますので、各戸一律ではありません。
共用設備・管理人の勤務体制などが充実している分譲マンションは、それだけ全体の維持管理にかかる費用は高めの傾向がありますが、マンションの全住民で負担するものですので、住戸数が多い場合には一戸当たりの負担は軽くなります。
修繕積立金
「修繕積立金」とは、大規模修繕、定期メンテナンスに充てる費用として、毎月積立ておくお金です。先に作成された長期修繕計画をもとに、必要な金額が設定されます。分譲マンションはこの修繕計画に沿ってメンテナンスが行われていくことで、建物や設備の安全性、機能性、資産価値などを維持し続けることができるようになっています。
この「修繕積立金」については、多くのマンションで段階的に増額する方式がとられていますので、購入前には修繕計画とともに確認しておくことが大切です。予め知識として知っておくと安心です。「管理費」とともに、物件を所有している間はずっと、毎月の支払いが発生するものです。
購入時諸費用「修繕積立基金」
「修繕積立基金」はマンション購入の際に支払う、諸費用の内訳にあります。「修繕積立基金」は「修繕積立金」とよく似た名称ですが、役割に少し違いがあります。この費用の役割は、「修繕積立金」が十分貯まっていない段階のマンション修繕に対応できるようにすること、また、毎月の「修繕積立金」の支払金額を抑えることです。その為金額も少し大きく、数十万単位で設定されることが多くなっています。
まとめ
「管理費」「修繕積立金」「修繕積立基金」それぞれの役割についてご理解いただけたでしょうか。分譲マンションを購入される際には、今まで聞いたことがない言葉が多く出てきます。その上、購入に至るまでの過程や、契約方法、住宅ローン、内覧、引き渡しなど初めての方にとってはわからないことだらけです。一人ですべてを理解しようとすると、躓いてしまってもまったく不思議ではありません。今回お伝えした3つの言葉だけでも、初めての方には難しく感じるはずです。
ですが、これらの言葉を「管理と修繕に必要な費用」といったひとくくりの見方をするより、支払う費用にはどういった目的があり、どのようなことに使われるのか、それがマンションの維持管理にどのような役割を果たすのかという視点で見ていただければ、分譲マンションについてより理解を深めていただけると思います。
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