住まいの間取りを考えるとき、階段のことについては、詳しく触れられないことも多いのではないでしょうか。LDKや家族の個室なども重視したい部分ですが、毎日のように行き来する階段も、使い勝手が悪いと暮らしに影響がでてくるものです。今回は、階段を設計する際のポイントなどについてご紹介していきます。
階段設計が重要な理由
間取りを考えるとき、階段の位置や仕様などは重要なポイントになります。ひとくちに階段といっても、直階段なのか折り返し階段なのか、玄関近くなのかリビングなのかなどによって暮らしやすさも異なります。将来的に高齢になったときのことも考慮するなど、新築時からしっかりと検討する必要があります。
階段の設計ポイント
暮らしやすい住空間にするために、どのようなポイントに気を付けて階段の仕様を考えればよいでしょうか。
階段の勾配
階段の勾配を急にするか緩やかにするかで、階段を使うときの足腰への負担もかなり変わります。階段の勾配を急にすると、省スペースに効果的ですが、上り下りの動作には気を付けなければならず、高齢者になったときは不安が残ります。はじめからある程度の緩やかさを確保するほうが、後で大規模なリフォームを避けられるしょう。
折り返し階段
折り返し階段にするときは、折り返しになる部分をあまり細かく区切らないことがポイントです。折り返し階段のひとつの面(約半畳分)を3つ以上の段数にしてしまうと、ひとつの段の面積が狭くなり、下りるときに足を踏み外しやすくなります。階段全体のスペースがどのくらい確保できるかにもよりますが、理想は折り返し部分のひとつの面(約半畳分)が一段のみ、または、半分に分割する程度になります。
省スペースな直階段
折り返しのないストレートな直階段は、省スペースで階段を配置できるメリットがあります。坪数を抑えたいと考えている場合には有効です。また、階段下のスペースが高さを確保しやすいため、収納などの有効活用もしやすくなります。
階段手すりのデザイン
階段手すりの部分を一般的な壁で立ち上げるのではなく、スチールを使うなどデザイン性のある手すりにすることで、おしゃれな空間をつくることができます。スチールとガラスの組み合わせなど透ける素材にすると空間に視覚的な広がりが生まれます。
階段下スペースを有効利用
階段下は、そのままだとデットスペースとなり壁で塞がれますが、デットスペースを利用して収納にすることで、住まい全体の収納力がアップします。階段下の収納は意外とたくさん入りますので、新聞のストックや日用品のストック場所、掃除機の収納場所としても便利です。
将来的な暮らし方の変化も考える
階段は将来的に高齢になったときでも使いやすい仕様が理想的です。急な勾配にならないこと、階段まわりは足を踏み外さないようにゆとりを持つことなど、暮らしの変化にも柔軟に対応できることも考慮しましょう。
まとめ
階段は家族みんなが安全・安心に使いたい部分です。また、デザイン性のある階段を採用することで空間がよりおしゃれな印象にもなる重要なアイテムにもなります。間取りを考えるときには、ぜひ階段部分にも注目して検討してみましょう。