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固定金利ローンを検討してみよう

住宅ローンには固定金利と変動金利があります。

変動金利は借入当初の金利が低いので、住宅ローンを借りる人の実に7割以上が変動金利を選択すると言われています。

しかし、超低金利時代の今だからこそ、固定金利を選択するメリットに多くの人が気づいていないのではないでしょうか?

固定金利の特徴や、メリットとデメリットをよく理解し、住宅ローンの金利選択の際に固定と変動を正しい観点から選ぶことができるようになりましょう。

固定金利とは?

まずは固定金利の特徴について解説します。

固定金の特徴を簡単に言えば以下の2点になります。

  • 金利が一定期間固定される
  • 変動金利よりも金利が高くなることが一般的

固定金利の2つの特徴を詳しく理解していきましょう。

金利が一定期間固定される

固定金利とは、金利が一定期間固定されるローンです。

固定金利住宅ローンでは、「固定期間の間は市場金利がどのように変化しようとも金利が変わらない」という特徴あります。

固定金利には固定期間という期間が設定されています。

固定期間は1年から35年まで銀行によって様々です。

例えば、三菱UFJ銀行の住宅ローンは2020年2月の10年固定の最優遇金利が0.69%となっています。

このローンを借りた場合には、10年の間に市場金利がどれだけ上昇しようとも下落しようとも金利は0.69%と変わりません。

そして、10年経過後(固定期間終了後)に改めて、固定期間を選択するか変動金利へと変更するかを決定することになります。

一般的には変動金利よりも高くなる

固定金利は変動金利よりも金利が高くなります。

三菱UFJ銀行の2020年2月の変動金利は最優遇で0.525%ですので、固定10年の方が高くなっています。

ほとんどの銀行で固定金利の方が変動金利よりも高くなっており、固定期間が長くなればなるほど金利は高くなります。

固定金利は金利の上昇リスクを銀行が負っているためです。

固定金利を選択しておけば、市場金利がいかに上昇しようとも顧客は金利の上昇リスクを背負う必要はありません。

一方、変動金利は半年に1回市場金利に合わせて見直しが行われるので、市場金利が上昇すれば住宅ローン金利が上昇し、金利上昇リスクは顧客が負うことになります。

固定金利は金利上昇リスクを銀行が背負うので、そのリスクプレミアムとして変動金利よりも金利が高くなってしまうのです。

また、固定期間が長ければ長いほど金利上昇リスクも高くなるので、固定期間が長くなれななるほど住宅ローン金利は高くなります。

固定金利ローンのメリット・デメリット

「金利が高くなるなら固定金利にメリットはない」と考えてしまう人も多いのではないでしょうか?

しかし、固定金利には変動金利と比較した場合のメリットもあります。

固定金利と変動金利を比較した場合のメリットとデメリットを見ていきましょう。

固定金利ローンのメリット

固定金利ローンのメリットは以下の通りです。

  • 返済額が一定
  • 固定期間に金利が上昇しても返済額は上がらない

固定金利ローンは固定期間の間は金利が一定で、返済額も変わりません。

そのため、毎月の返済額を一定に保つことができ家計のやりくりをしやすくなります。

また、固定期間の間に金利が上昇したとしても金利は固定されていますので、返済額が大きくなることはありません。

固定期間の間に金利が上昇すれば、固定金利の方がメリットがあるでしょう。

固定金利ローンのデメリット

固定金利ローンのデメリットは以下の2つです。

  • 利息負担は変動金利よりも大きくなる
  • 金利が下落した場合の利益を受けられない

固定金利は変動金利よりも金利が高いので、返済額は変動金利よりも多くなり、利息も変動よりも多くを負担しなければなりません。

借入当初は必ずと言っていいほど固定金利の方が金利が高くなるので、ローン残高が多く返済額の支払いに占める利息の支払いが多い段階で金利が高いのは間違いなく大きなデメリットですし、元金の減少も固定金利の方が遅くなってしまいます。

また、市場金利が下落した場合には、変動金利だったら市場金利に合わせて金利が下がるのに固定金利は固定されたままです。

とはいえ、「これ以上下がる余地がないほど金利が下がっている」と言われる現在の金利情勢ですので、変動金利がこれ以上大きく下がることはあまり考えらえれません。

基本的には、借入当初は変動金利よりも返済額が大きくなることだけをデメリットとして考えておけばよいでしょう。

超低金利時代の今だからこそ固定金利はチャンス

固定金利と変動金利のどちらを選択すべきかは、最終的には「今後は金利が上がるのか」「下がるのか」「変わらないのか」という観点で自分で選択するしかありません。

銀行に聞いても、どっちの方が良いということを教えてくれることはまずありませんし、将来的な金利動向を正確に見通すことは不可能です。

基本的には以下の判断基準で変動と固定を選択すべきでしょう。

  • 金利が下がるor現在と変わらない:変動金利
  • 現在よりも金利が上昇する:固定金利

ただし、一般論として考えれば、世の中が変わっていく中、現在の金利水準が今後20年も30年も継続していくとは考えられません。

ちなみに30年前の平成2年の金利は変動金利で6%と、現在のおよそ12倍ほどの金利です。

30年でこれだけ金利が下落したことを考えると、30年以上先は金利が上昇する可能性があると言えるのではないでしょうか?

まず、現在の金利情勢は市場最低水準ですので「今より金利が下がる」という選択肢は消えることになります。

そして、30年先にはこの国の高齢化のピークも終わり、日本が新たに経済規模を拡大していくフェーズに入る時代に入ると言われています。

経済規模が拡大すれば資金需要が拡大して金利の上昇が予想されます。

また、日本が万が一財政破綻すれば、国債が売られて金利が急騰するという懸念もあります。

このように、将来的に金利が上昇するリスクがあると考えるのであれば、超低金利時代の今のうちに金利を長期間固定させてしまうのは大きなメリットと言えます。

今は35年固定のフラット35が最優遇で0.83%で借りることができる時代です。(2020年2月 ARUHI スーパーフラット6S 団信加入)

ちなみに3,000万円の35年住宅ローンを金利0.5%の変動金利で組んだ場合と、35年固定0.83%で組んだ場合の毎月返済額の違いは以下の通りです。

  • 変動0.5%:77,875円
  • 35年固定0.83%:82,329円

毎月4,500円程度の返済額の違いは大きいと言えば大きいですが、将来的に金利が上昇した際の保険と考えれば高くはないと感じる人もいるかもしれません。

いずれにせよ、固定金利は変動金利よりも高くなるのが一般的です。

「固定金利の方がいい」と考える人にとっては、市場最低レベルの低金利で金利を固定させることができる今の状況はチャンスと言えることだけは間違いなさそうです。


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