住宅ローンの審査には、事前審査と本審査という2つの審査があります。
事前審査と本審査は審査をする人や審査の内容が異なります。
また、事前審査に通過できた人は高い確率で本審査に通過することができますし、事前審査に通過することができない人は本審査に進むことができません。
つまり、住宅ローン審査では事前審査が最も重要になります。
事前審査の内容や本審査の違いについて解説していきます。
住宅ローン審査で最も重要な事前審査ではどのようなことがチェックされるのか、詳しく理解しておきましょう。
事前審査とは
住宅ローンにおける事前審査とは、住宅ローンによって審査の主体が異なります。
保証会社付の住宅ローンは保証会社が審査を行い、プロパー住宅ローンはコンピューターやチェックリストなどでスコアリングと呼ばれる審査をします。
なぜ事前審査をするのかについて詳しく見ていきましょう。
保証会社付き住宅ローンは保証会社の審査
保証会社付きの住宅ローンでは、事前審査は原則保証会社が行います。
地方銀行などでは、事前審査申込書を保証会社へFAXするなどして審査に上げています。
そして、メガバンクなどでは、保証会社の審査基準を反映したチェックシートやシステムを使って事前審査を行なっています。
なぜ保証会社付きの住宅ローンで事前審査が必要になるかと言えば、保証会社付きの住宅ローンでは、保証会社がつかないと住宅ローンを実行することができないためです。
時間をかけて住宅ローン審査を行なって、最後の最後に保証会社が「No」と言えば、これまでの審査にかけた時間が無駄になってしまいます。
また、ハウスメーカーも早い段階で「お金を借りることができるかどうか」について知ることができなければ住宅建築の話を進めることができません。
そのため、事前に保証会社に対して「審査を進めても問題ない案件かどうか」を確認する意味合いで事前審査は行われます。
プロパー住宅ローンはスコアリング審査
プロパー住宅ローンの事前審査はスコアリングという方法によって行われます。
申込者の信用情報、年収、勤務先、勤続年数、返済負担率、おおよその担保評価額をチェックリストや審査システムに反映させ「いくらまで融資ができるのか」「融資をしていい案件かどうか」ということを点数化した上で審査します。
プロパー住宅ローンにおいても、最初に「審査を進めていい案件かどうか」を事前に審査しておくことで、「時間をかけて審査をしたけど融資することができなかった」という非効率を予防することができますし、ハウスメーカーが話を進めやすくする目的があります。
住宅ローンの事前審査は「審査にテーブルに乗せてもいい案件かどうか」ということを事前に簡易な審査によってチェックする、審査の入り口にあたるのです。
事前審査で見られる4つのこと
事前審査でチェックされることは主に以下の4つのポイントです。
- 申込条件
- 個人信用情報
- 担保評価額
- 返済負担率
上記いずれかに問題があると高い確率で住宅ローン審査そのものに通過することが難しくなります。
事前審査で見られる4つのポイントについて詳しく解説します。
申込条件
まず、申込条件に合致しているかどうかということが審査されます。
- 年齢
- 年収
- 勤続年数
- 完済時年齢
これらの諸条件が住宅ローンの申込条件に合致しているかどうかということをチェックし、条件に合致していない場合には基本的に事前審査に通過することはできません。
個人信用情報
事前審査では個人信用情報もチェックします。
時間をかけて住宅ローン審査をしても、ブラックだった場合には住宅ローン審査には通過できません。
そのため、事前審査の段階で申込人の信用情報を確認します。
住宅ローンでは信用情報に以下のような情報があると審査通過は難しくなります。
- 金融事故情報が記録されているブラックの人
- 他社借入が多い人
- クレジットカードや他社借入の返済に遅れが多い人
- ローンへの申込情報が多い人
これらの人は、「これ以上審査を進めても住宅ローン審査に通過することは難しい」と判断されて事前審査の段階で落とされてしまう可能性が非常に高くなります。
担保評価額
住宅ローンは担保評価額の範囲内しか融資をしません。
そのため、担保に入れる物件の面積などを事前審査の段階で明らかにして、基準地価などからおおよその担保評価額を算出します。
ここで借入希望額以上の担保評価額があれば審査に通過できることができますが、担保評価額の方が借入希望額よりも低い場合には事前審査で落とされてしまうか、減額回答になります。
返済負担率
住宅ローンには返済負担率という基準があります。
返済負担率とは住宅ローンの年間返済額が年収の何%なのかという基準で、ほとんどの住宅ローンが年収の30%〜35%以下と決まっています。
事前審査申込書に記載した年収から、おおよその返済負担率を算出し、返済負担率をオーバーしている場合には審査に落とされてしまうか、返済負担率の範囲内で借りられる金額へと減額されることがあります。
本審査では何をする?
事前審査では上記のような審査を行いますが、審査の項目自体は事前審査で完了していると言っても過言ではありません。
本審査では事前審査でチェックした内容について裏付けを取る作業が主になります。
- 家族構成:住民票から確認
- 勤務先と勤続年数:健康保険証などから確認
- 年収:源泉徴収票などから確認
- 担保評価額:登記簿謄本などから確認
本審査で行うことは、すべての申込内容を裏付けとなる資料を提出して審査担当者が人間の手で審査をします。
つまり、事前審査の内容に間違いがなければ本審査では高い確率で通過することができると言えます。
審査で良く見られたい気持ちは分かりますが、事前審査で間違った内容を書いてしまうと本審査で落とされたり、事前審査からやり直しになってしまいます。
事前審査で記入したことは全て本審査で裏を取られるので、銀行に言いたくないことも事前審査で正直に申告した方がよいでしょう。