「広い土地がない」「予算が足りない」「部屋数を増やすことでリビングが狭くなった」等、それぞれの事情により、家の中の狭い空間に不安や不満を感じることもあるでしょう。
しかし、人の視覚というのは不思議なもので、大きな家でも小さな家でも、間取りや内装、家具のレイアウト次第で、窮屈に感じる空間になったり、すごく広く感じられる空間になります。
床面積を変えることは出来なくても、空間の見せ方次第で、実際の床面積以上の広さに感じさせることができるということです。
それを踏まえて考慮した時、一番効果的に演出できて、家の中で広さを実感したい場所と言えば、一番ゆったりとした時間を過ごすことが多いリビングではないでしょうか。
リビングという限られた空間を広く見せるために、自分の希望に合った工夫は積極的に取り入れたいですよね。
間取りや内装で広さを強調したい
廊下の面積をできるだけ狭く計画
廊下のスペースは意識して計画することで、広くも狭くもすることができます。
面積に余裕のある場合は、メインの部屋にも十分余裕がありますので、あえて廊下も広くすることで、家全体に余裕が感じられることでしょう。
しかし、廊下にスペースを取るのなら、他の部屋を広くしたいと思っている場合は、廊下は生活する上であまり意味のない場所ですので、できるだけ狭く計画した方が、限られた面積を有効活用できると言えるでしょう。
天井を高くする
視覚とは不思議なもので、同じ面積でも、天井の高さが少し変わるだけで、圧迫感を感じたり、開放的に見えるものです。
単純に天井を高くしたり、2階建てやメゾネットタイプのマンションなら天井を吹き抜けにするのが効果的でしょう。
天井の梁をあえて出す
既存の天井が低い為、天井の高さを出そうとあえて梁を出すという方法があります。
しかし、最近ではマイナス要因の梁の露出ではなく、オシャレな空間の一部として演出したり、その梁の方向を活かし、奥行を表現するための部材として有効活用することができます。
大きな窓で部屋が広いことを強調
壁の大きさに関わらず、大きな窓、もしくは通常サイズの窓を多く設置する方法があります。
屋外に面した壁には限りがありますので、ガラスが大きければ大きいほど、枚数が多ければ多いほど、それだけの物が設置できる広さがあるのだと感じ、必然的に部屋が広く感じるものです。
壁をできるだけ無くすことで広さを演出
壁に囲まれると空間を区切られたように感じ、実際に同じ面積でも、壁に仕切られたLDKより、壁を無くしたLDKの方が開放的で広く感じるものです。
最近では壁の一部に建具を収納し、必要な時に出して使用する方法もあります。
壁で仕切ることで、キッチンや個人の部屋など、プライベートな空間を隠せるメリットはありますが、空間を広く見せたいという意味では、LDKに限らず、壁をできるだけ無くすというのも有効でしょう。
奥行きを意識した間取りにする
ダイニングとリビングは、隣り合って計画されますが、最近では生活の変化に合わせて、自由に配置を変更できるように、はっきりと区別して計画されることが少なくなってきています。
その2つの意味合いを持つ空間を正方形にするのか、長方形にするのかで、空間の見え方は変わってくるでしょう。
実際には出入口の位置も関係してくるので、一概には言えませんが、奥行が長く感じる部屋は、距離感を掴みにくいですので、広く感じる人が多いでしょう。
部屋と部屋の間をガラスの建具でその先を見せる
壁をできるだけ無くすと空間が広く見えるのと同じように、部屋の境界である建具をガラスにすることで、先の部屋も見え、部屋がつながって見えますので、仕切りはあるものの、空間が広く感じることでしょう。
庭やテラスも有効活用
部屋の窓から庭やテラスが見える場合は、カーテン等で遮らず、見えるようにした方が、見えている屋外の広さの分だけ、部屋が広く見えることでしょう。
普段は人の目が気になるかもしれませんので、来客時のみでも活用してみてはいかがでしょうか。
こだわりのインテリアで広さを演出したい
背の高い家具を置かない
背の高い家具は収納が多く、とても便利で、面積が大きい分、こだわりの物を選べば、部屋のインテリアの一部としても、とても良いアクセントになることでしょう。
しかし、あまり面積に余裕のない部屋や、空間を広く見せたい場合には、背の低い家具やインテリアでまとめた方が、圧迫感がありませんので、部屋が広く見えるでしょう。
壁紙や壁の装飾を使って奥行を強調しよう
部屋のインテリアの中で面積が大きいのが壁です。
その部屋の中でも一番面積の広い壁は、部屋の中で一番長い壁になりますので、他の壁とは違う色味の壁紙を採用したり、壁に装飾を施すことで、その壁のみ協調され、自然と奥行を強調してくれます。
通路を広めに確保する
部屋の広さに関わらず、家具の配置に気をつけた方が良いというのも、同じ面積、同じ家具でも、配置の違いで空間の見え方が変わってくるからです。
部屋を広く見せたいということは、部屋に余裕があることを強調するのが一番ですから、家具と家具との間をしっかり空け、このくらい通路を確保できるくらいの空間だと演出することが大事です。
まとめ
誰にとっても家とは特別な場所であり、「こんな家にしたい」と自分なりのこだわりが詰まっているものです。自分らしさを活かしながらも、工夫することで、その限られた空間を広く見せることができたら嬉しいですよね。間取りの変更はもちろんのこと、家具のレイアウト変更や部屋の装飾なら、取り入れることも容易でしょう。オシャレで快適な余裕ある空間を演出したいですね。nbsp;