家づくりを進める中ででてくる用語に、「施工面積」や「延床面積」があります。このふたつの違いを明確に理解している方は少ないかもしれません。そこで今回は、施工面積と延床面積の違いについてご紹介します。坪単価をあらわす際にもポイントになりますので、しっかりと区別しておきましょう。
施工面接と延床面積の違い
はじめに、施工面積と延床面積の違いについて解説していきます。
施工面積
施工面積とは、建築基準法で延床面積に含めない部分も含めた面積のことです。ベランダや一定の高さの小屋裏空間、車庫、玄関ポーチなどが含まれます。実際には「含める範囲」という定義がなく、どこまで含めるかは住宅会社によります。一般的には延床面積よりも大きくなることが多いでしょう。
延床面積
延床面積とは、住宅の階数分の床面積のことです。2階建てなら1階、2階の合計になります。施工面積では含めていた、ベランダや玄関ポーチは含めません。そのため、施工面積よりも面積は小さくなります。
一般的な坪単価に使われるのは?
家を建てるときに目安となる「坪単価」は、次の計算方法で算出されます。
坪単価=住宅の価格÷面積(坪)
この「面積」の部分を「施工面積」にするか「延床面積」にするか、実際には決まりがありません。そのため、面積が大きくなる「施工面積」で計算すると坪単価は安くなるのが一般的です。実際に計算して、どのくらい坪単価に違いがでるか試算してみましょう。なお、1坪は3.3平米になりますので、坪に換算して計算します。
・住宅の価格が3,000万円、施工面積が150平米(45.45坪)、延床面積が130平米(39.39坪)とする
A:3,000万円÷45.45坪(施工)=約66万円(坪単価)
B:3,000万円÷39.39坪(延床)=約76万円(坪単価)
施工面積と延床面積と坪単価には、10万円の差額がでました。意外と大きな開きがあることがわかります。
坪単価の表現方法に注意する
上記で解説した通り、坪単価の表示の仕方にこれといって決まりはありません。そのため、出来るだけ坪単価を安く表現したいときには、施工面積で計算したものを利用する会社もあります。住宅会社を選ぶときに、単に坪単価を比較するときは、坪単価がどのような面積で計算されていか確認することをおすすめします。
まとめ
今回は、住宅の面積で使われる「施工面積」と「延床面積」について、ふたつの違いや注意するポイントなどをお伝えしました。同じ住宅でも、どちらの面積で計算されているかで、坪単価に大きな差がでてきます。広告やパンフレットなどに記載されている坪単価などはできるだけ安く記載されていることもあるため、金額の根拠をしっかりと確認して進めていきましょう。