「陶芸」は通常、陶芸専用の窯がないとできない工芸です。なので、一般的には陶芸教室に通って作品を作り、窯を所有されている先生に作品を焼いてもらいます。
しかし、陶芸教室も都合のいい時間帯に無かったり、家の近くに教室自体が無いこともあります。実際に、毎週教室に通うのも大変だったりします。
ちょこっと空いた時間に、自宅で陶芸を楽しみたい方には「オーブン陶土」がオススメです。今回は、「オーブン陶土」を使って「箸置き」と「お皿」の作り方をご紹介します。
【今回使用した商品】
・商品名:オーブン陶土「工作用」 400g ¥660円(税別)
・商品名:オーブン陶土「紅陶」 400g ¥660円(税別)
・商品名:耐水・耐油コート剤「Yu~」 100cc ¥968円(税別)
・ヤコの公式ホームページ:http://www.yako.co.jp/
【陶芸作品を作る上で知っていて欲しい事】
①作品は作業工程で、何割か失敗するのが当たり前。
陶芸作品は、粘土で成形する時、乾燥させる時、やすりがけをする時、焼く時にひび割れたり、壊れたりする事はよくあることです。作った作品の1~3割は失敗すると思って、多めに作品は作りましょう。
②陶芸作品は1日ではできません。
乾燥させる為に、作品を2~7日間放置させる必要があります。
③完成した陶芸作品は、作った時よりも2~3割大きさが縮みます。
粘土の状態から乾燥させて、水分が蒸発し、さらに焼くと作品は縮みます。作る時は、完成イメージよりも2~3割大きめに作りましょう。
【材料&道具】
《材料》
・オーブン陶土
・耐水・耐油コート剤「Yu~」
《道具》
・筆
・紙コップ(ゼリーやプリンカップなどで代用可。)
・布(ガーゼや手ぬぐいが最適です。食品用ラップで代用可。)
・めん棒(生地を伸ばすキッチン用。)
・つまようじ
・サンドペーパー(今回は240番を使用。)
・ボウル(「お皿」の制作に必要。高さ増しの「高台」が無い、ボウル裏がツルッとしたタイプ。)
【オーブン陶土を使って作品を作る時の手順】
①成形:開封してすぐに、練らずに使えます。
②乾燥:形作ったら作品を乾燥させます。作品の大きさにもよりますが2~7日乾燥させます。
③焼成:オーブンで160~180℃、30~60分焼きます。
④完成:焼きあがったら完成です!
【下準備「どべ」の作り方】
聞き慣れない言葉だと思いますが、「どべ」とは作品と同じ粘土を使い、水で泥状にしたものを言います。
陶芸で主に粘土同士をくっつけるときに塗って使います。今回作る「箸置き」と「お皿」には、「どべ」を接着には使わず、表面に塗るために使うので、やや水を多めにして「どべ」を作りました。
水の入った紙コップに、粘土を小さくちぎって入れます。
しばらく放置してから、筆で粘土を溶かしながら水と混ぜ合わせれば完成です!
【型を使って「箸置き」を作る方法】
クッキーの型や野菜抜き型を使うと、簡単に複数の「箸置き」が作れます♪
めん棒で粘土を伸ばす
水を濡らして、かたく絞った布を敷いて、その上で粘土をめん棒で約5mmの厚さに伸ばします。
※キッチン用のめん棒を使ったので、念のためにめん棒にはラップを巻いて使いました。
型ぬきをする
型を使って、型抜きをします。
つまようじを使って模様を描いたり、ストローで穴を空けたり、粘土をくっつけたり思い思いに工夫してください♪
乾燥させる
カーブをつける為に、スプレー缶の上に作品を置いて2時間程乾燥させます。
※スプレー缶は紙を巻いてセロハンテープで貼って使いました。紙が程よく粘土の水分を吸収してくれます。
※スプレー缶を使用しているので、直射日光にが当たる所に放置しないように注意!
半乾きの状態で、作品の表面に水分が多めの「どべ」を塗ると、表面が滑らかにきれいになることもあります。塗りすぎは、ひび割れの原因になるので程々に。
2~7日間放置して、しっかりと乾燥させます。雨風をしのげる、風通しの良い場所がオススメです。室内でもオッケーです。
やすりがけをする
作品の角に紙やすりでやすりがけをすると、角が丸みを帯びて見た目が良くなり、使い心地も良くなります。作品は壊れたり、ひび割れしやすい状態なので慎重に程々に。
削った部分は、つまようじで再びなぞると線がさらにキレイになります。
オーブンで焼く
オーブンの天板にアルミホイルを敷き、作品を置きます。オーブンで160~180℃、30~60分焼きます。
作品の量や厚さ、オーブンの種類によって最適な温度や時間は変わります。焼いている途中で何度か様子を確認しながら焼きましょう。
耐水・耐油コート剤「Yu~」を塗って焼く
焼いた作品が冷めたら、耐水・耐油コート剤「Yu~」を筆で塗ります。作品の上表面と側面に塗り、裏側は塗りません。乾燥したら、100~120℃で15~30分、オーブンで焼きます。
「箸置き」の完成です!
【落ち葉を使って「お皿」を作る方法】
めん棒で粘土を伸ばす
水を濡らして、かたく絞った布を敷いて、その上で粘土をめん棒で約5mmの厚さに伸ばします。
皿の形に粘土をカットする
作りたいお皿の形にカットします。今回は「つまようじ」でカットしました。紙で型を作ってもいいですが、丸いお皿なら、ボウルで型取りをしてもいいですよ♪
落ち葉を置く
成形した粘土の上に落ち葉を置き、跡をつける為にめん棒で軽く伸ばします。私は、家の近くの桜の木の落ち葉を使いました。
落ち葉だけでなく、縄で跡をつけたり、好きな形に切った厚紙で跡をつけてもいいですよ♪
お好みで色違いのオーブン陶土「紅陶」の「どべ」を塗ります。
落ち葉の輪郭がクッキリ表れています。
ボウルでカーブをつけて乾燥させる
ボウルをひっくり返して、水で濡らして固く絞った布を敷き、作品の上面を下にして置きます。
このまま、2~7日間放置して、しっかりと乾燥させます。乾燥したら、お皿の端をサンドペーパーでやすりがけをします。非常に割れやすいので、優しくゆっくりと作業をしましょう。
オーブンで焼く
オーブンの天板にアルミホイルを敷き、作品を置きます。オーブンで160~180℃、30~60分焼きます。
耐水・耐油コート剤「Yu~」を塗って焼く
焼いた作品が冷めたら、耐水・耐油コート剤「Yu~」を筆で塗ります。作品の上表面と側面に塗り、裏側は塗りません。乾燥したら、100~120℃で15~30分、オーブンで焼きます。
落ち葉柄の「お皿」の完成です!
いかがでしたか?「オーブン陶土」を使えば、陶芸教室に通わなくても自宅で陶芸作品を作ることができますよ。今回ご紹介した「箸置き」と「お皿」は、日常使いもでき、自宅に遊びに来てくれたお客さんのおもてなしに使ってもいいと思います。ぜひ、ご参考に陶芸作品を作ってみてください。