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どんな方に向いている?最近よく聞くコンパクトマンションとは?

コンパクトマンションとは?


コンパクトマンションとは、30㎡~50㎡程度の広さの分譲マンションのことをいい、間取りでいうと1Kから2LDK程度でプランされた物件が一般的です。いわゆる3LDKファミリータイプの平均的な広さは70㎡~80㎡なので、およそ半分から2/3程度の広さのマンションです。

また、販売価格帯についてもファミリータイプに比べて半分から2/3程度でバリエーションがある上に、最低専有面積をクリアしているので住宅ローンが組めます。

このように建設的な購入計画ができることも有り、単身者からDINKS、小さな子供のいる若い夫婦、子供が独立した後の夫婦など様々な層に好まれています。

コンパクトマンションへ流れが向いた背景

一昔であれば、このサイズのマンション購入は投資目的が主な購入動機として捉えられていました。しかし、最近は若い方を中心にその流れが変わってきました。

流れの発端を辿っていくと、2009年にアメリカで発刊された「THE SMALL HOUSE BOOK」(ジェイ・シェファー著)をきっかけに大量生産、大量消費社会へのカウンターカルチャーとしてミレニアル世代を中心に自分達のライフスタイル感を更に明確にした背景があります。
興味のある方は翻訳されていませんが下記からどうぞ↓

ジェイ・シェファー著「THE SMALL HOUSE BOOK」

ミレニアル世代はデジタルネイティブであり、不景気の真っ只中で大学を卒業し、多くの者が多額の学生ローンを抱えたまま社会に出たことで、最悪の雇用状況を経験しています。
そんな世代は車や家といった昔の世代の幸福のバロメーターであったモノの所有をしたがらず、シンプルかつ都心で便利に暮らし、常に身軽で経験や健康に投資をしていける環境を好みます。
そういった世代感にフィットしたのが「THE SMALL HOUSE BOOK」であり、その思想をそのままに「タイニーハウス」という言葉が生まれ、大きな家は不要、シンプルで快適に暮らせる最小限のインフラで良いという発想に発展していきました。
アメリカの都市部のアパートメントも「タイニー(小さい)」コンセプトの物件が次々と生まれ、土地が狭い日本の都心部における狭小住宅やマンションなどに感化されたような内装アイデアも出てきました。

テレビとマックは共用され、ベンチソファの下は収納になっている。まるで日本の居酒屋のような工夫がされている。

そうした「タイニー(小さい)」感は様々なカルチャーにも色濃く反映され、アメリカの公共ラジオ放送NPR(National Public Radio)の狭いオフィスの一角でアーティストがパフォーマンスを行う「タイニー・デスク・コンサート」が流行りを見せているなど、大掛かりで複雑な物事から真逆のところで本質的な価値を見出す動きを「タイニー」というキーワードに乗せて広がっています。


[NPRタイニー・デスク・コンサート]グラミー賞を受賞したグレゴリー・ポーターのパフォーマンス。オフィスの一角にもかかわらず秀逸のパフォーマンス

そういったカルチャーやライフスタイルはサードウェーブコーヒーなどを通して親しみやすい形で日本にもすぐに入ってきました。日本におけるミレニアル世代も同様に、就職難を経験し、同じ世代をとりまく収入や将来の見通しから都心で働き、暮らしはシンプルに、なるべく丁寧に暮らしていきたい。という流れが生み出され、自然な流れでコンパクトマンションへの注目が高まっています。

仕事もプライベートもコンパクト。便利で快適な暮らしを実現するコンパクトマンション

都心部で便利な立地


コンパクトマンションの最大のメリットは、都心部で駅からも近く仕事場へのアクセスも電車で数分から徒歩や自転車で移動ができる物件が多く、片道1時間かけるといった通勤ラッシュや移動だけの無駄な時間から開放された暮らしが出来ることが言えます。

ファミリータイプと同じ設備

LIXILアレスタシリーズ

コンパクトマンションといえども共有設備や室内設備はファミリータイプと遜色がない物件がほとんどです。
システムキッチンはもちろん、大きなバスユニットがあり、部屋数は少ないながらも日々の暮らしで必ず行うことは快適になります。

賃貸料が軽くなり投資・財産へと変わる


ファミリータイプに比べ価格も安く住宅ローンが組めるコンパクトマンションは、月々のローン返済額も低く抑えることができる場合が多く、生活にゆとりが生まれ、仕事の環境や収入が変化しても対応できる返済額に留めることができ、賃貸料金として単純な支出で終わらせるのではなく財産になります。また、都心部で立地が良い事により将来的に売却が有利になり、賃貸にしても借り手が付きやすく投資面でみても有利です。価格的に無理して郊外にファミリータイプを購入することに違和感があるようであれば有効な選択肢になります。
賃貸契約がもたらす目に見えないストレス(近隣居住者の質やトラブル)設備のトラブルや自分達の住む家が借り物故に自由にできないことへの見えないストレスなどを抱えて、何十年も暮らすよりも、同じコストを掛けて同じ年月をストレス無く暮らすのではどちらが良い人生でしょうか?

1K〜1LDKは本当に狭い?

ファミリータイプと比べると一見狭いコンパクトマンションですが、例えば1LDKタイプの場合、寝室を仕切る壁はスライディングタイプになっていて取り払って1つの大きな空間に出来る物件が流行っています。コンパクトマンションを好んで選ばれる方々は、リビングを最大限、快適にし、ベッドルームだけあれば良い、もしくは緩やかな仕切りで寝室も個室である必要はなく、小さな子供がいても親子でより親密にコミュニケーションが取れる環境を望んで選ばれています。現に、家の中で過ごす時間が長い場所のベスト3はリビング、ダイニング、寝室と書斎や個室に滞在する時間は短い傾向にありますので、間取り図だけでは気が付かない事も多くあります。
興味がある方は是非、実際に物件を見て暮らしを想像してみることをおすすめします。

[コラム]最近の間仕切りのありかた


サードウェーブコーヒー/カフェブームに始まり、リノベーションブームやアウトドアブームを背景に仕切りなど無い開放的でありながらプライバシーを守る空間が好まれる傾向にあります。また、アメリカの大手IT企業やGAFA(Google, Apple, Facebook, Amazon)などが1日の大半を過ごす働く空間をリデザインしていく中でオープンでシンプルな空間で働くことを提唱したことをきっかけに日本にも流れがやってきた背景があります。
その流れで住宅はもちろんオフィスや飲食店なども多くの個室や壁を設ける空間設計から、すべての壁を取り除き、植栽やオープンシェルフ、高低差などで緩やかにプライバシーを作り出す空間が好まれています。いずれも共通していることは大掛かりではなく、シンプルで居心地の良いゴールを目指すということです。

コンパクトマンションはどんな方におすすめ?

サイズから単身者、DINKS、小さなお子様のいる家庭から子供が独立した夫婦まで、基本的には全ての世帯層にフィットします。
なるべく広い住まいを求めている方には不向きですが、都心部で働く方や、利便性、月々支払う価格や立地、投資視野を持って住まい購入を考えている方は一度コンパクトマンションも視野に入れて検討してみてはいかがでしょうか。


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